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ソフトバンクグループの大赤字、取り返すことはできるのか?

2020.01.02

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はソフトバンクグループの決算について議論します。

孫さんの慧眼が曇ってきている?

房野氏:ソフトバンクグループ(以降、ソフトバンクG)が2019年第2四半期で大赤字でしたが、これをどう見ていますか?

房野氏

石川氏:孫さんの判断能力が大丈夫かなと。さらに、孫さんに正しい情報をインプットできる人がいなかったのかなと、ちょっと思った。WeWork(起業家向けのコワーキングスペースを提供する米国の企業)になんであんな高い金を出すんだと、誰しも思っていたにも関わらず、冷静な判断ができていないところが今回の問題なんじゃないかなと思いました。孫さんは投資家としては優れているんだけど、ユーザー視点にはたぶん欠けているなと思った。

WeWork 渋谷スクランブルスクエア完成予想図

ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役会長 兼 社長 孫 正義氏

石川氏

法林氏:会社やビジネスを見る目は良いけれど、人を見る目がないんだよ。

法林氏

石川氏:そうそう。

法林氏:ニケシュ(ニケシュ・アローラ氏:孫氏の後継者として、2015年、ソフトバンクグループの代表取締役副社長に就任したが、2016年に任期満了をもって辞任した)の件だってそうだった。

石川氏:そうそう。下で働いている人はまだいいんだけど、投資家として会う人とか外から引っ張ってくる人については見る目がない。騙されているところもあるし。

石野氏:WeWorkもそうですよね、We CompanyのCEO、アダム・ニューマンを見誤った。

石野氏

石川氏:AI群戦略のスライドの中で、一番良いところに顔写真があった。

石野氏:もっともAIから遠い会社だったのに。今回のソフトバンクGの決算は忙しくて行けなかったんですけど、中継で見ている限りだと不動産業のプレゼンなのかと思った。空室率がどうだとか。

石川氏:新規に建物を建てなければ、既存のスペースが埋まっていって満室率が上がり、結果として収益が上がると説明していたけれど、そんなに簡単じゃないよね。西田さん(ジャーナリストの西田宗千佳氏)はシェアオフィスを契約して仕事をしているんだけど、転々と移動するんですよ。なぜかというと、最初は良いシェアオフィスだなと思って使い始めるんだけど、だんだん人が増えていって居心地が悪くなるんだそうです。うるさくなるし、面倒な人も増えていくし、仕事に集中できないので、また別の空いているシェアオフィスに移っていく。そう考えると、満室になるとユーザーの利便性、満足度は下がる。満室にしないくらいが調度いいんだろうなと思う。

石野氏:確かに共同会議室も予約が取れなくなる。

石川氏:これってMVNOに近い。MVNOは回線を借りて、コストに見合った、帯域に見合った人を入れていくとユーザーから(速度が遅いと)クレームが来て、みんな他に乗り換えていくという状況になる。シェアオフィスもそれに近いなと。いつまでたってもペイしない事業なんだろうなと思った。孫さんが決算会見でプレゼンした回復のグラフは眉唾なんだろうなという気がした。

石野氏:新規物件が増えないシェアオフィスに魅力あるのかという話。

法林氏:シェアオフィスという仕組み自体は昔からある。何も新しくない。アメリカの企業に取材依頼をして、日本にオフィスがあると聞いたから来てみたら、先週、別の会社の取材で来たことがあるシェアオフィスだった、みたいな話はたくさんある。何か新しいことができているんだったらわかるけど。

石野氏:何度、孫さんのプレゼンを聞いても、どこがAI、ITであるのかがわからない。

石川氏:新しかったのは夕方にビールが飲めるくらいですよ(笑)

房野氏:ソフトバンクGの赤字の概要を教えてもらえますか?

石野氏:ほぼ、WeWorkとUber(自動車配車Webサイトおよび配車アプリ)の評価損ですよ。

石川氏:最初に高い値で投資したけれど、その企業にそこまでの価値がなかったということになったので損になった。

石野氏:Uberは収益性に疑問がついて、株価が下がって、その中で評価したら評価損が出た。WeWorkは、上場して一儲けしようとしていたら上場できなくなった。「今後はどうするんだ」……となった時に、そのままだと会社が潰れちゃうのでソフトバンクGが追加で投資したという流れ。

石川氏:“難平(ナンピン)買い”。1兆円レベルのナンピン買いってすげーなと。

石野氏:普通のナンピン買いは儲けるためにするんですけど、あれは明らかに救済のために買っている。

石川氏:救済じゃないって言っているけどね。

房野氏:評価損でどれだけの赤字が出たのでしょうか。

石野氏:決算会見ではマイナス7000億円と言っていました。

石川氏:WeWorkには、これまで1兆円くらいの投資をしていて、追加で1兆円だったかな。

房野氏:それで7000億円の赤字となると、全然ダメだったんですね……。

石川氏:そう。でも、確かWeWorkは5兆円くらいの価値がある企業だと言われていたんでしょ。

石野氏:それくらいあると思ってお金を突っ込んだら、全然なかった。

房野氏:なぜそんな判断をしたんでしょうね。

法林氏:とある記事によると、金融支援が1兆円ですよ。

石野氏:追加で1兆円入れたってことですよね。

法林氏:2019年10月にね。

房野氏:それ以前にも1兆円入っているってことですよね。トータルでは2兆円投資したってことですよね。

法林氏:もっと投資しているんじゃないかな。

石野氏:すごい無駄金。

石川氏:WeWorkは、スタートアップがイメージに箔を付けるために入る格好いいシェアオフィスというイメージしかなかった。今時WeWorkに入室したら、先見性のない会社と見なされかねない……。

石野氏:そのイメージダウンは心配ですよね。イメージで保っていたシェアオフィスなので。

石川氏:今度ソフトバンクはWeWorkがデザインしたオフィスに移転するでしょ。楽しみだなーと思って。早くオープニングに行きたい、これがWeWorkですかと。

石野氏:タイミングが悪いですよね。

房野氏:WeWorkの評価損があって、追加出資することに対しての株主への説明は決算会見のプレゼンで……という流れですか?

石野氏:そういうことですね。長期的には収益が上がるかもしれないから、お金を注ぎ込みましたと。大丈夫だとは言っていましたけど……いや、大丈夫じゃないだろうと。

法林氏:今回は評価損で赤字になっているけれど、どこかしらで評価が上がる可能性もゼロではない。実際の利益として上がった金額、売上が多かった/少なかった話ではなくて、評価額だから。それって今がダメだから未来永劫ダメと簡単には言えない。そこをわかった上で話をしなくてはいけないんだけど、本人自ら「真っ赤っかです」と言っているくらいなので、残念ながらメディア的にはああいう報道になるよねってこと。

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