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Yahoo!とLINEの経営統合は吉と出るか凶と出るか

2020.01.03

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はYahoo!とLINEの経営統合について議論します。

複雑な統合スキーム

房野氏:Yahoo!とLINEが経営統合すると発表されました。今回の統合は誰が決定したと思われますか?

房野氏

石川氏:川邊さん(Zホールディングス株式会社 代表取締役社長の川邊健太郎氏)じゃないですか。ある程度固めて、孫さんに話を持っていったのが川邊さんじゃないのかな。

Zホールディングス株式会社 代表取締役社長・ソフトバンクグループジャパン株式会社 取締役 川邊健太郎氏

ソフトバンクグループジャパン株式会社 代表取締役会長 兼 社長 孫 正義氏

石川氏

石野氏:ソフトバンク(モバイル)の宮内さん(ソフトバンク社長の宮内 謙氏)の判断も働いた感じがしますね。

ソフトバンク 代表取締役社長執行役員 兼 CEO 宮内 謙氏

石野氏

房野氏:宮内さんとYahoo!(Zホールディングス)の関係はどういうものなのですか?

石野氏:ソフトバンクはYahoo!の親会社です。LINEとYahoo!統合後は、ソフトバンクが50%持ったジョイントベンチャーの下の下の下……かな、になるんです。とにかくわかりにくいんですよ。経営統合の発表会で、Yahoo!とLINEは対等だといっていましたが、どちらかというとソフトバンク主導の感じはあります。LINEが上場を廃止しますし、NAVERは連結対象から外れますし。

房野氏:LINEは上場廃止するんですね。

石野氏:ソフトバンクが上場していて、ソフトバンクグループ(以降、ソフトバンクG)が上場していて、Zホールディングスが上場していて、これでLINEが上場したら、もう批判どころの話じゃないですよ。

石川氏:訳がわからない。何を持って企業価値なんだ、みたいな。

房野氏:LINEが上場を廃止したら株主はどうなるんですか?

石川氏:株は買われるんじゃないかな。TOB(株式公開買付け)になるんじゃなかったかな。

房野氏:どこが買い取るのですか?

石野氏:ソフトバンク。

石川氏:LINEの株が買い取られて、それは消滅するんじゃないかな。

房野氏:それを買い取る出資元がソフトバンクで、Yahoo!ではないですよね。

石野氏:Yahoo!ではないですね。Yahoo!は今、Zホールディングスの下にぶら下がっている事業会社なので、たぶん株を買える力はない。買うんだったらZホールディングスかソフトバンクになるんですけど、確かソフトバンクが買って、1回ぶら下げて……すごく複雑なんですよ。

房野氏:LINEモバイルの扱いはどうなるんですか?

石川氏:LINEモバイルはすでにソフトバンク傘下。

石野氏:ただ、株をLINEが49%、ソフトバンクが51%持っているので、LINEを買い取った段階で、それもセットになっちゃうから……資料によると、現時点でYahoo!は、Zホールディングスと市場の少数株主が55.4%、ソフトバンクが44.6%の割合で株を持っている。LINEは、LINEと少数株主、NAVERで株を持ち合ってLINEになっている。第1段階として、NAVERと市場の株主からソフトバンクがLINEを買い取って、ソフトバンクにぶら下げます。

Zホールディングスの資料より(以下同)

石野氏:で、「LINE(JV)」が旧LINEなんですよ。旧LINEをソフトバンクとNAVER側で50%と50%の状態にした後に、その下に「LINE承継会社」というものを作って、ここに全事業を移管する。

石野氏:このジョイントベンチャー(JV)の旧LINEと新LINEの、新LINEの方をZホールディングスの下に移して、こういう最終形になる。

房野氏:わかったようなわからないような……

石野氏:旧LINEは持ち株会社の持ち株会社として生き残る。こういう複雑なスキームを取るのがソフトバンクらしい。そのあたりもソフトバンク主導の感じがするところです。

法林氏:お金のやり取りだけだよね。ソフトバンクの伝統芸ですよ。

法林氏

石野氏:持ち株会社の上にさらにジョイントベンチャーを作ってフィフティフィフティって、それってどうなんだ? って感じがしますね。

法林氏:お金のやりくりのためだけだと思う。それ以上の狙いはない。

石川氏:NAVER側の支配があまり届かなくなるような感じになるでしょうね。
 ところで、今回の統合で、ずっこけた人は多いんだろうなと思った。打倒LINEでがんばってきた人もいるだろうし、打倒Yahoo!でがんばってきた人もいるだろうし、ひたすらソフトバンクの支配から逃がれて転職していったにも関わらず、LINEに入社したら、結局またソフトバンクに戻っちゃった……みたいな人もいるだろうし。現場レベルでは悲喜こもごも。2020年10月に統合するまで、両社で競争すると言っていたけれど、社員はモチベーションをどこに持っていけばいいのかと思うよね。PayPayの加盟店開拓をしている人は、LINEよりも増やそうとがんばってきただろうし。そのあたり、動きの激しいIT業界って大変だなと思った。

PayPay

石野氏:ソフトバンクの引力は強い。いろんな人が離れていっても戻ってきている。

石川氏:まるで蟻地獄のように(笑)今回、会見を見て思ったのが、川邊さんも出澤さん(LINE 代表取締役社長 出澤 剛氏)も、かつて会社を買われた経験がある人たちで、それぞれの会社にいる人たちも会社を買われた人が多い。いろんな会社の人が寄り集まっているからこそ強い2社なのかなと思う。KDDIやドコモにはない人材だと思うし、面白くなる要素なんだろうなと。一緒になってうまくやっていけそうな気がするし、あまりそういったことを気にしない人たちばかりなんだろうなと思います。

LINE 代表取締役社長 出澤 剛氏

石野氏:百戦錬磨の傭兵の集まりみたいな感じ。出澤さんも、元々ライブドア出身ですからね。

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