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5つのディテールを揃えればOK!フォーマルなシーンに使える革靴の選び方

2019.12.31

日本のファッション体形は歪だ。本来は和装の国であるのに、近代化とともに洋装が当たり前になったことで、どちらも基本はなおざりになった。さらに面倒なことに、時代とともにスタイリングは変化すべき、と主張する人が増えた。

だが、フォーマルなシーンとは儀式典礼の場である。大辞泉を紐解くと、フォーマルとは「正式なさま」「公式なさま」「形式的」「儀礼的」とある。儀式典礼に形式を重んじた式服はつきものだし、それが厳格であればあるほど、式服にルールを定めるのは当然のことだ。儀式典礼のための服を日常のファッションと同列で考えることに無理が生じているだ。

とはいえ、ある一方において先述の主張は正しい。園遊会などの公的行事や国葬、ノーベル賞などの叙勲といった場合を除いて、厳格極まる儀式典礼へビジネスパーソンが足を運ぶ機会はないだろう。身内の披露宴や所属する企業の記念式典くらいが関の山だ。

その場合、ファッションが意味するのは、儀式の対象に向けた敬意の度合い。頭からつま先まで、格式を気づかう必要はないにせよ、相手を思いやるのであれば、フォーマルのルールに即した革靴を取り入れるべきだ。

洋装であればダークネイビーやチャコールグレーのスーツが好ましいが、それこそ冒頭にある〝時代とともに~〟の通り、ルールは形骸化している。暗い色のスーツであれば小言を言われることはないだろう。ただ、そんな状況においても、足元には不思議と視線が集まるのだから不思議だ。

幸いなことに、フォーマルを印象付ける革靴の形式は限られている。では、フォーマルを印象付ける革靴の形式とは具体的に何か? 注意すべき点は5つある。

5つのディテールを兼ね備えればフォーマルに見える

出典 https://www.british-made.jp/topics/cheaney/201911060011897

1つめは、甲のサイズを靴紐で調整する、レースアップタイプであること。
ローファーやエラスティックなどのタイプは適さない。また紐を結ぶ靴であってもレースステイを側面に誂えたサイドレースアップはフォーマルとみなされない。

出典 https://www.british-made.jp/c/brands/cheaney/CNY11510180000

2つめは、靴紐を通すパーツであるレースステイが内羽根式であること。
レースアップタイプのレースステイは大きく2種類ある。内羽根式と外羽式だ。レースステイが甲の下に潜り込んだように見えるモノを内羽根式。イギリスやアメリカでは「バルモラル」という名で親しまれている。

出典 https://www.british-made.jp/c/brands/cheaney/CNY20097100000

レースステイがアッパーの上部に縫い付けたモノを外羽根式と呼ぶ。パンプスの次に変わるフォーマルな形として普及した内羽根式に対して、外羽根式は戦闘靴の意匠として考案された経緯がある。そのため、外羽根式は内羽根式と比べてカジュアルなモノという名残が残る。

出典 https://www.shetlandfox.jp/blog/2014/12/december/

3つめは、アッパーの素材がエナメル、スムースレザーであること。4つめは、装飾の加減だ。

上の写真は、エナメルレザーのオペラパンプスで、タキシードに合わせるためのシューズ。舞踏会に出席する際にパートナーが着用するドレスの裾を汚さない配慮としてエナメルを採用したといわれている

夜会のタキシードに対し、昼はモーニングを正礼装とする。この際に着用する靴は、黒色のスムースレザーで仕立てた内羽根式ストレートチップ(キャップトゥオックスフォードとも呼ぶ)。

装飾として、つま先に横一文字に切り返しを入れた革靴だ。ストレートチップシューズとオペラパンプスこそが、晴れの日における最高位のフォーマルシューズといえる。

ここで何となく疑問が浮かぶと思う。アッパーに装飾のないプレーントゥシューズよりも、横一文字のストレートチップの方が格式高いのはどうしてか、と。

これについては、製靴の歴史や慣例によるところが大きい。革靴のアッパーを形づくる際に、サイドライニングと呼ばれる芯材を補強のために使うのだが、芯材の跡がアッパー側に露出するのを隠すために横一文字に切り返しを入れた、という説がある。

モーニングにはストレートチップを合わせるという認識が広まり始めた1920年前後は、プレーントゥシューズよりもストレートチップの方がエレガントに見えたから、ということらしい。

最後の条件は、色は黒であること。

これも同じように、黒がもっともフォーマルなものであるという慣例によるもので、さらにいえば、靴墨の歴史と関係しているという説もある。

大衆的なフォーマルシーンの場合はどうか

ここまでは最高位の正礼装にあわせる靴のルールだ。では、大衆的なフォーマルシーンの場合はどうか。

上司など、目上の人の結婚式を例にとる。その場合、タキシードを着ることはないだろうから、自ずとオペラパンスの選択肢は消える。汎用性を考えれば、あえてエナメルを選ぶ必要もない。スムースレザーで十分だろう。となると、残る候補は次の2型だ。

1) 内羽根式ストレートチップ

出典 https://www.edwardgreen.com/shop/chelsea-black-calf-black-82-last-4364.html

つま先に切り返しを入れた、内羽根式の革靴。切り返しにパーフォレーション(穴飾り)など装飾のないものが好ましい。

もともとは英国王室向けに作られた内羽根式のミドル丈のブーツを起源とする形式で、19世紀にオックスフォード大学の学生たちに浸透。その過程でブールから短靴に変化したといわれている。

2) 内羽根式プレーントゥ

出典 https://www.edwardgreen.com/shop/shoes/curzon-black-calf-black-915-last.html

足先切り返しなどがなく、つま先からくるぶしの辺りまで1枚のパーツでアッパーを形づくったもの。ミリタリー関連の儀式典礼では、現在もたびたび内羽根式プレーントゥの革靴が選ばれている。

取材・文/渡辺和博

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