育休明けの妻の職場復帰を機に、家事シェア問題と本格的に向き合う夫婦は多い。ある時、妻がたどり着いたメソッドを取り入れたら、不安や迷いが大きく軽減されたそうだ。
〜阪口家PROFILE〜
[夫]明彦さん
会社役員・55歳。食器洗い、ゴミ出し、風呂・トイレ掃除、洗濯物干しを担当。時間に余裕がある日は、料理や掃除も行なっている。
[妻]千春さん
会社員・44歳。料理、洗濯を担当。家事・育児のための情報収集に熱心で、納得できる合理的・論理的な手法は積極的に試してみるタイプ。
[子]和楽くん(3歳)
お米研ぎやゆで卵の殻むき、拭き掃除、タオルをたたむなど、早くも家事習得中の保育園児。
職場復帰前にセミナー参加、夫も家事参加に開眼
家事に関心のなかった夫・明彦さんの意識が変わったのは、地域で催された『夫婦で準備! 育休復帰セミナー』に参加してからだ。それまでは、妻の都合が悪い時や体調が悪い時に手伝う、というスタンスだったそうだ。
「夫婦でセミナーに行くこと自体、正直面倒だったんですが、話を聞くと『そんな考え方はしたことなかったなぁ』と唖然とすることばかりでした。夫が〝家事を手伝う〟という感覚ではなく、〝それぞれの時間を出し合う〟という考え方が前提なんですね」(明彦さん)
また、役割分担はきっちり決めすぎず、できるほうがやって互いをバックアップすればよい、という家事シェアの基本を学んだそうだ。
育休明けの妻・千春さんも、「夫の意識が変わり、少し肩の力が抜けました」と語る。千春さんは自身の家事や育児になかなか合格点をつけられず、便利家電、お助けサービス、料理キットなど多方面の〝使えそうな〟サービスをリサーチし、いろいろ試してきた。その中で「精神的にも助けられている」と太鼓判を押すのがパターン・ランゲージだ。
「『日々の世界のつくりかた』は、育児と仕事を両立させる秘訣がたくさん詰まっていて、とても参考になります。日常生活で迷いや不安にぶつかった時に、解決策を見い出すバイブルにもなっています」
日々の家事についても、「子供と一緒に」というヒントを実践し、子供と一緒にできることは何かを常に考え、楽しんで取り組めるようになったそうだ。
阪口家の家事シェアDATA分析
パターン・ランゲージを利用
不安や疑問を解消するために有効なパターン・ランゲージ(他者の経験則や成功の秘訣が凝縮されたヒント集)を〝転ばぬ先の杖〟として活用している。
『日々の世界のつくりかた』を参考
愛用しているパターン・ランゲージの冊子とカード。仕事と育児を両立する34のヒントが詰まっている。慶應義塾大学・井庭崇研究室と花王生活者研究センターによる共同制作で、花王のHPからダウンロード可能。
1. 安心のチーム作り
互いの役割分担にとらわれずに、できる時にできる人がやればよしとする。うっかり忘れている時は、お互いフォローしあう。
こちらの記事も読まれています