
労働や社会保険に関する法律及び人事労務管理のプロフェッショナルとして知られる社会保険労務士。その社会保険労務士が運営する事務所には、いったい、どのような課題があるのだろうか?
そこで今回、社労士事務所に勤めていた人(以前勤務していたことがある人)1,086人を対象に「社労士事務所の業務」に関するアンケート調査が行われたので、紹介していきたい。
社会保険労務士の業務で苦手なこと、1位は「細かいExcel入力」
まず、社労士事務所で働いている(働いていた)人を対象に、「社労士事務所の業務で苦手なことはどのようなことか?」と尋ねる調査が行われたところ、最も多くの回答が寄せられた『細かいExcel入力作業』(33.2%)と、次点の『書類整理』(22.4%)だけで過半数を占める結果となり、日々の業務の煩雑さが非常に負担になっていることが浮き彫りとなった。
以降『書類作成』(18.6%)『複雑な試算表の作成』(12.0%)『行政への申請』(10.0%)と続いた。
続いて、「苦手と感じるきっかけや具体的なエピソード」について尋ねる調査が行われたところ、次のような声が寄せられた。
・セルがみ見にくくて、ずれてしまうことがある(30代女性/契約社員/埼玉県)
・深夜までExcelを打ち込んでいる中うたた寝してデータが消えたことがある(30代女性/正社員/広島県)
・同種同様な書類が多く、キャビネットやファイリングをいつも間違っていた(50代男性/正社員/大阪府)
・いくつもの会社が重なって依頼をうける(40代男性/正社員/茨城県)
社労士としての専門知識が必要となる上に、膨大な量の書類を取り扱うという、社労士事務所ならではの苦労が伺い知れる。
ペーパーレス化と専用システム導入のニーズは高い
続いて、「業務について改善できると良いと思うのはどのようなことか」と尋ねる調査が行われたところ、『ペーパーレス化』という回答が約半数(49.5%)にものぼり、多くの方が紙の書類での業務が非効率的だと感じているようだ。
また、次点の『Excelではなく専用システムを導入する』という回答も3割以上(36.2%)にのぼった。『書類の保管方法』(12.5%)という回答が少ないことも含め、ペーパーレス化と専用システム導入のニーズが高いことが伺える。
業務の効率化と時間・コスト削減が必須
次に、業務について改善できると良いと思うことについてその理由を尋ねる調査が行われたところ、『効率化のため』という回答が過半数を占め(51.1%)、以降『時間・コスト削減のため』(32.0%)『ミスなく対応するため』(15.4%)という順になった。
電子化が加速する現代社会において、専用システムを導入していない社労士事務所に勤務している人が多く、実に8割以上が電子化することによって業務の改善・効率化ができると感じているようだ。
また、電子化することによって、顧客側もWEB上でいつでもどこでも確認することができる、ミスなく申請ができるなど、社労士事務所と顧客側の双方で多くのメリットが生まれる。
約7割の人が電子申請の義務化を把握はしているが……
さらに、、「2020年4月から特定の法人事業所について社会保険・労働保険に関する一部の手続きを行う場合、電子申請が義務化されることを知っているか?」と尋ねる調査が行われたところ、「はい」という回答がおよそ7割(69.8%)となった。
この「電子申請の義務化」は、政府の行政手続きコスト削減の取り組みの一環として実施が決まったが、社労士事務所側が早い段階で電子化に慣れていなければ、電子化に対する不安や苦手意識もどんどん大きくなると推測される。
さらに、電子申請の義務化直前に慌ててシステムを導入するよりも、今の段階から準備に入り、さまざまなシステムを比較検討した上で自社や顧客にピッタリのものを導入できことが理想的と言えるのではないだろうか。
調査概要 :「社労士事務所の業務の電子化」に関する調査
【調査期間】 2019年10月16日(水)~ 2019年10月17日(木)
【調査方法】 インターネット調査
【調査人数】 1,086人
【調査対象】 社労士事務所にお勤めの方(以前勤務していたことがある方)
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
出典元:株式会社日本シャルフ
構成/こじへい
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