
きっと、誰もが人生のどこかですれ違ったことがある「マリアージュ」という言葉。聞いたこと、見たことはあるものの、その意味をちゃんと知っている人は少数派だろう。
マリアージュとは、フランス語で「結婚」を指す言葉。ワインの場合は、料理との「相性」を意味する。
ワインには、酸味、甘味、渋み、うま味、果実味などが混在し、香りの成分もさまざま。
ワインと料理、お互いを引き立て合うバランスを重視し、酸味が特徴のワインには酸味のある料理を、濃い重めのワインには、濃厚な味の料理を合わせるのが基本だ。
今回、年末の時期に合わせ、ワイン保管のプロ『寺田倉庫』所属の一流ワインソムリエ・安田海氏が提案する、クリスマス料理やおせち料理に合う、おすすめワインの組み合わせを紹介していきたい。
クリスマス料理×ワイン
■ローストチキン×白ワイン
<シャルドネ>
淡白な味付けの鶏肉には、味わいに厚みのあるシャルドネがおすすめ。シャルドネ特有のバターやナッツなどの香りが鶏肉とよく合う。
<ソーヴィニヨン・ブラン>
ローズマリーなどハーブを利かせた味付けのローストチキンにはハーブの香りが豊かなソーヴィニヨン・ブランがおすすめ。ワインの持つ様々な香りがソースにより深みを与える。
■ローストビーフ×赤ワイン
<メルロー/カベルネソーヴィニヨン>
にんにくや赤ワインを用いたソースには、その味わいに負けない、やや重めのボルドーの赤ワインがおすすめ。
<ブルゴーニュ>
西洋わさびで味わう場合は、重めのワインを合わせてしまうと、ローストビーフの
味わいがワインに負けてしまうため、やや軽めのブルゴーニュワインがおすすめ。
正月料理×ワイン
■なます×白ワイン
<リースリング>
なますの酸っぱさに負けないほどの酸味を持っているフランスのアルザス地方のリースリングなど、酸がしっかりしたワインがおすすめ。
■昆布巻き・煮物×赤ワイン
<ピノ・ノワール>
出汁やみりん、醤油などを使用した煮物の場合、5~10年熟成させた、ピノ・ノワールなどの、じんわりと旨味を感じるスタイルの赤ワインがおすすめ。
■伊達巻き・栗きんとん×デザートワイン
<貴腐ワイン/ラタフィア>
さつま芋や栗の優しい甘みに合わせ、上品な甘さが特徴的なソーテルヌの貴腐ワインやシャンパーニュ地方で造られるラタフィアなどがおすすめ。
■数の子×日本酒・ビール
<日本酒やビール>
数の子やいくらなどの魚卵は、ワインと合わせると生臭ささが際立ってしまうため、日本酒やビールがおすすめ。
ソムリエ:安田 海(やすだ かい)
前職は麻布十番のフレンチレストラン【Craft WINE N】でソムリエ兼、フロアマネージャとして勤務。料理とのマリアージュを重視したグラスワインのペアリングを得意とし、ワインセレクトはフランスワインに限定せず、各国のワインも豊富に取り扱う。
レストラン勤務中に日本ソムリエ協会 ソムリエ資格を取得。2018年 寺田倉庫入社後は豊富なワインの知識を活かし、新規・既存顧客の接客対応に加え、保管ワインのデータ管理に関するアドバイザーや、TERRADA WINE MARKETの企画運営、出店インポーターのアレンジを行うなど、ワインに携わる業務をメインに活躍中。
出典元:寺田倉庫
構成/こじへい