
オリンピックといえば「ピンバッジトレーディング」が有名だ。東京2020大会でももちろん、ピンバッジトレーディングは活性化するだろう。ピンバッジトレーディングの概要と共に、コカ・コーラの東京2020記念ピンバッジのデザインを手がけたグラフィックアーティストVERDY(ヴェルディ)氏へのインタビュー内容も紹介する。
オリンピック・パラリンピックのピントレーディングとは?
オリンピック・パラリンピックでは、参加各国の選手や大会関係者、報道関係者がそれぞれのオリジナルピンバッジを用意し、挨拶代わりに、また友好を深めるために交換している。またそのピンバッジのコレクターも世界中に存在し、一つの恒例イベント・風物詩のようになっている。
東京都オリンピック・パラリンピック情報局によると、東京都では「東京2020大会広報PR用バッジ」を作成し、東京都のイベントなどを通じて無料で配布しているという。
そんな中でも、コカ・コーラ社は1998年以来、オリンピック夏季大会・冬季大会の両方で、ピンバッジを交換したい人が集まる「ピントレーディングセンター」という場所を開設したり、100種類弱ものピンバッジを作成したりするなど、ピンバッジへの取り組みを積極的に行っている。
オリンピックを機会に世界中の人々がピンバッジ交換を通じて異文化コミュニケーションにつながることも注目を集めている。言葉が通じなくとも、ピンバッジの交換をするだけで、挨拶を交わす以上の深いコミュニケーションになるから不思議だ。
人気グラフィックアーティストVERDY氏もデザインに参画
コカ・コーラ社のピンバッジは、キャンペーンの賞品に使われたり、コカ・コーラ製品を買うとついてきたりする。中でも、今年の秋、東京都内のコンビニエンスストアで数量限定で行われた、コカ・コーラオリジナルピンバッジがもらえるキャンペーンのピンバッジデザインを行ったのが、世界的な人気を誇るグラフィックアーティストVERDY(ヴェルディ)氏だ。
VERDY氏は、Girls Don't CryやWasted Youthなどのプロジェクトで知られる、大阪出身のグラフィックアーティスト。
そんなVERDY氏に、ピントレーディングや今回のデザインについてインタビューした。
―オリンピックのピントレーディングの風習についてご存知でしたか?
VERDY:1992年に開催されたバルセロナオリンピックの際に、父親がたまたま出張でスペインに行き、そのお土産としてたくさんのピンをもらいました。そのときは子どもだったのでトレーディングの風習は知らなかったのですが、後になぜ父にたくさんピンをお土産にしてくれたのか聞いたときに、トレーディングの風習を知りました。
―今回のピンバッジのデザインのコンセプトをお教えください。
VERDY:いろんな人が嬉しいと感じるものを作りたいと思いました。アルファベットをデザインにすると、好きな言葉や自分の名前など身につける喜びが上がるかなって思いました。
―自分がデザインしたピンバッジが交換されることについてどう思われますか?
VERDY:自分も、普段から身につけているピンバッジや缶バッジを、交換やプレゼントすることが多いので、すごくいいと思います。また、日本がオリンピックに向けて盛り上がっていく中、誰もが気軽に参加できるプロジェクトができて嬉しく思っています。
ピンバッジは、これから各所で入手できるチャンスがあるかもしれない。来年、ピントレーディングができるように、今のうちに集めておくとさらに東京2020大会が楽しめそうだ。
【参考】
チーム コカ・コーラ東京2020オリンピック公式サイト「ピントレーディングとは?」
https://team.cocacola.jp/spn/pins/
取材・文/石原亜香利