〈日本一長い直線道路〉北海道
国道12号線は、札幌市〜滝川市を結ぶが、そのうち美唄市と滝川市の間の29.2㎞が〝日本一長い直線道路〟として有名だ。この実に「でっかいどう、北海道」らしい道路ができた背景は、開拓時代に原野や原生林を切り開いて造られたことが理由のひとつ。だが、もうひとつ暗い歴史がある。
明治時代、北海道庁初代長官・岩村通が旭川地方の開拓を急ぐため、インフラ整備を急いだ。そこで道路建設に駆り出したのが、樺戸(かばと)、空知、釧路の各集治監の囚人たち。「重要道路につき、なるべく直線道路となす」という厳命により、強制労働の下で開削させられたのだ。犠牲者も多く、1969年、開通100年を記念して砂川市の空知太神社の境内に慰霊碑が建立されているーー。
文/寺田剛治