
上司になりたてだと、特に部下との関わり方に悩むことが多いのではないだろうか。そこでコーチが持つコーチングメソッドをもとに、部下を育てる対話術を知っておこう。今回は、「よくある上司のNGな部下との会話の仕方」をコーチの西畑良俊さんに聞いた。
「対話」になっていないよくある上司のNGな部下との話し方
西畑さんによれば、上司が部下と「対話」ができないケースとして、以下の6つの場合が挙げられるという。それぞれのNG事例と改善例の発言を見ていこう。
1.指示・命令してしまう
部下「A商品を販売促進するためにどうしようかと考えているのですが…」
上司「あれは、こういう方法で販売していけばいいよ」
「何ごとも“自分のやり方が一番”と上司が思っていると、部下から相談があると上司はすぐに指示・命令してしまいます。すると、部下の考える力は育ちません。『どうして、こういうやり方でやらないんだ?』という反語の質問も同じです。『なんで?』『どうして?』と質問されると部下は、『責められている』と感じてしまい、想いを話せなくなります。上司は“自分のやり方が一番”という思いを捨て、指示・命令をできるだけせずに、未来に向けた解決志向の質問を部下に投げかけ、部下に考えさせる必要があります」
【改善例】上司「どうしようと思っているの?」
2.部下を「できないもの」と決めつけてしまう
部下「B商品の販促で相談があるのですが・・・」
上司「こうやってみたらどう?」
「上司が、『この部下は使えない』と決めつけてしまったり、『新人なんだから、命令に従って当然』と思ったりしてしまうと、部下が相談に来たらすぐにアドバイスや提案をしてしまいます。そうすると、部下は『上司の意向に従っていけばいいや』思うようになり、自分の頭で考えない部下が育っていきます。それを避けるためには、部下が相談に来たときにも本人の考えを確認したり、部下に質問を投げかけ、考えさせる関わりが大事になっていきます」
【改善例】上司「あなたはどうしたいの?」
3.すぐ怒るので、部下が萎縮してしまう
部下「A社との取引、失注してしまいました!」
上司「何やってるんだ!!!!!」
「多くの上司のみなさんは、自分も仕事を持ちながら、部下育成・部下との対話に臨んでいます。非常に忙しい。忙しい中で、簡単な相談を持ちかけられたり、失敗の報告なんかがあったりすると、カチンと来てしまうのも無理からぬこと。とはいえ、上司に怒られると部下は萎縮してしまいます。かつては、『上司が鬼とならねば部下は育たず』なんて言われた時代もありました。しかし、今や『上司が鬼となれば、部下はすぐに辞めていく』、そんな時代です。
まずは、カチンと来た気持ちはしっかりと認めた上で『怒りの根っこには期待がある』ことを忘れずに、期待や残念な気持ちを伝え、その上で部下の状況を把握する質問を投げかけることで、部下との本音の対話ができるように意識していく必要があります」
【改善例】上司「そうか~。残念だ! どうしてダメだったんだ?」
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