
セクハラ、パワハラ、モラハラなど……職場で横行する各種ハラスメント。最近ではSNS利用拡大に伴い、「SNSハラスメント」の被害が増えているのをご存じだろうか?
そんな「SNSハラスメント」の実態を追究すべくこのほど、株式会社インプレッション・ラーニングにより、20~69歳の男女1000人を対象にした職場のSNSハラスメントに関するアンケート調査が行われたので、その結果を紹介していきたい。
約8人に1人は職場関係でSNSによるハラスメント
職場に例(※)にあるようなSNSによるセクハラ、パワハラの問題(自分が体験したこと、間接的に見聞きしたことを含む)は、あるか尋ねる調査が行われたところ、11.6%が「ある」と回答した(図1)。
現在、SNSはスマホで主に行われることから、セクハラ、パワハラなどのハラスメントは、もはや「職場」だけでおさまらず、職場外においても「スマホ上」でハラスメントが行われていることが明らかとなった。
<※例>
・いつでも相談できるようにと、私用のLINEのIDを教えるように先輩から求められた。
・上司や後輩を避難、攻撃する内容を投稿した。
・会社行事の写真(上司や家族、同僚、取引先の顔が見える)を意図的、または無自覚に投稿した。
・Facebook の友達申請を嫌いな上司から強要され、断れずにいる。
・新入社員同士のLINEグループのいじめ(不思議と飲み会に誘われない等)や、仲間はずれがある。
・性的に不快感を覚える Instagramを先輩、上司から休憩中に見せられる。
4人に1人以上が、「仕方なく」友達承認
職場の上司、部下、同僚からSNSの友達申請を承認した4人に1人以上の約27%が、「本音は承認したくないけど、やむをえない事情から仕方なく承認した」と回答した(図2)。
調査によると、「職場の上司、部下、同僚からSNS(Facebook等)の友達申請がきたことがあるか?また、申請がきた場合は申請を承認したか?」という問いに対して、「友達申請がきて、承認した」31.2%。「友達申請がきたが、承認しなかった」7.8%。「友達申請がきたことはない」61.0%という結果になった。
承認した人の中で、「本音は承認したくないけど、やむをえない事情から仕方なく承認した人はいるか?」という問いに対して、26.6%が「はい」と答えている。
会社内でのSNSハラスメントのルール化の遅れ
社会にSNSの利用が急激に浸透する中、ハラスメントは職場だけにとどまらず、SNS 上でも起きるようになってきた。
しかし、会社にSNSのハラスメントに対応したルール、ガイドライン等がある会社は、まだ22.1%にとどまっている(図3)。これまでも会社において教育されてきた情報セキュリティーのルールを、ハラスメントの観点からも加えていくことが、今後は求められてくると考えられる。
【調査概要】
調査名: 職場のSNSハラスメントに関する調査
調査手法: インターネットリサーチ
調査地域: 全国47都道府県
調査対象: 20~69歳の男女、役職については部長以下
調査期間 : 2019/5/30〜2019/6/5
有効回答数: 1,000 サンプル
調査主体:株式会社インプレッション・ラーニング
出典元:株式会社インプレッション・ラーニング
構成/こじへい