
ネットサーフィンをしていると、否応なく目に飛び込んでくるWeb広告。稀に興味を持ってクリックするものもあるが、そのほとんどがスルーされているのではないだろうか。
そんなWeb広告の表示されるコンテンツ環境が広告やブランドの認知にどれほど影響を与えているか示した調査レポートがこのほど、Integral Ad Scienceにより発表された。
デジタル広告が表示されるコンテンツ品質が、ブランドに対するパーセプションに大きく影響
Web広告が高品質なコンテンツ環境で表示された場合と、低品質な環境で表示された場合では、ブランドに対するエンゲージメント意向に20ポイントの差があることが分かった。自分に関連のある広告が表示されることと、高品質なコンテンツで表示されることは、消費者にとって同じくらい重要だ。
低品質なコンテンツ環境に広告が表示されることは、ブランドパーセプションに非常にネガティブな影響がある
低品質なコンテンツに表示された広告を鬱陶しく感じると回答した消費者はおよそ9割に上った。
それだけでなく、34%が好感度が下がる、65%がそのブランドの使用を取り止める可能性があると回答している。ネガティブな影響は見過ごせないほどに大きいことが改めて分かった。
消費者は、広告がどこに表示されるかを管理する責任は広告主にあると考えている
デジタルマーケティングに携わる人なら、複雑な経路をたどって瞬時にリアルタイムで配信されているWeb広告がどんなコンテンツ環境に配信されるかを完全にコントロールすることが非常に難しいことを理解しているだろう。
しかし消費者の考えはとてもシンプル。約7割の消費者が、広告がどんなコンテンツ環境に表示されるかを管理するのは、広告主の責任だと考えている。
総評
2019年7月に発表された「脳科学から見るブランド認知~広告閲覧環境にけるハロー効果とブランド好感度への影響に関する調査レポート~」では、スマートフォンでデジタル広告を含むコンテンツを閲覧した被験者の脳波等を測定することにより、広告が表示されるコンテンツ環境がブランドパーセプションを左右する鍵を握っていることが改めて浮き彫りになった。
今回の調査では、コンテンツ環境の品質が表示される広告のブランドに対し、ポジティブな影響だけでなく非常にネガティブ影響力を持つことが分かった。好感度が下がるだけでなく、そのブランドの使用を取り止めるといった消費者の行動にまで影響するという結果は、デジタルマーケティングに関わる全ての人にとって無視することのできないもの。
ブランド棄損のリスクを回避するだけの「ブランドセーフティ」から、ブランドと消費者にマッチした環境でメッセージを届ける「ブランド適合性」へのシフトが求められる。
<調査概要>
調査期間:2019年8月(詳細な日程は対象国によって異なる)
対象者:
対象国の一般的な人口サンプルに基づき抽出した以下の対象者
対象国:
アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、インドネシア、シンガポール
対象者の属性:
年齢(18-24歳/25-34歳/35-44歳/45-54歳/55-64歳/65歳以上)
性別(男性/女性)
サンプル数:各国50名~
調査方法:オンラインアンケート調査
出典元:Integral Ad Science
構成/こじへい
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