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学生時代の自炊や有名レストランでの経験を生かして作られた病院レストランシェフ考案の長生き健康レシピ

2019.12.01

〝日本一おいしい病院レストラン″山田康司シェフインタビュー【後編】

話題の新刊『日本一おいしい病院レストランの 野菜たっぷり長生きレシピ』の著者、山田康司さんは、東京大学を中退し、『クイーン・アリス』の石鍋裕シェフの元で、一から修業したという異色の経歴の持ち主だ。現在は長野県上田市にある丸子中央病院内のレストラン『ヴァイスホルン』シェフとして勤務する。

山田康司さん
丸子中央病院レストラン『ヴァイスホルン』シェフ。石鍋裕氏に師事し、フランスでの修行を経て『クイーン・アリス』(東京)料理長ほか系列店の料理長を歴任。2013年より現職。

東京大学を中退し、一から料理の道へ

――料理に興味を持たれたのはいつ頃からですか?

山田シェフ: まずは母の影響が大きいかなと思います。物心ついた時には、「とんかつのパン粉付け」とか、「スープ鍋をかき混ぜる」とか、ちょっとした手伝いを好んでしていました。母が購読していた女性誌の料理記事や料理本などもよく眺めていましたし、子供向けの絵本のような料理本を買ってもらったのも覚えています。

小学生の頃には、「ビーフシチューを作りたい!」と、思うようになって。兄や妹の誕生日など特別な日に作らせてもらいました。スポンジケーキを焼くこともありましたよ(笑)。

――小学生の頃から、本格的ですね。

山田シェフ: 中学から高校にかけてはサッカーに熱中し、毎日忙しく過ごしていたので料理をすることからは、一旦、遠ざかっていました。中学時代は勉強がしたいと思って高校に進学し、高校は進学校だったんですが、「職業として料理を選ぶか否か」ずっと悩んでいました。決断できないまま大学を受験し東京大学に進学しました。

――そのころから、また料理をするようになったんですか?

山田シェフ: 大学時代、ボート部に入って合宿所生活が長かったですが自炊もよくしていました。前に炊飯器を使って効率よく調理する方法に触れましたが、ご飯を炊くときに一緒にさつまいもを入れてみたり、鶏肉とキャベツを入れて蒸し焼きにしてみたり、いろいろと試して楽しんでいました。

――そして20歳の時に、運命的な出会いが?

山田シェフ: 料理人として生きるなら20歳が決断のタイムリミットと勝手に思い込んでおり、ちょうど20歳の誕生日に職業として料理を選ぼうと決めました。その時、縁があって訪れたのが、『クイーン・アリス』(東京)の石鍋裕シェフのところです。

石鍋さんからは開口一番に「フランス料理は、一見、カッコよく華やかに見えるかもしれないけれど、根底にはお母さんが子供に食事を作ってあげる時のような温かさがないと意味がない」と言われたことを今でも覚えています。その時はまだ「今はカッコよさで料理人という職業に憧れているだけなのではないか」という自分に対する不安もあったのですが、その一言で全て払拭されました。

「本気なのであれば、ここで働いてもらってもかまわない」と言ってもらえたことで、20歳で大学を中退し、『クイーン・アリス』で働くことになりました。

――レストランで一から料理の修業をスタートされたんですね。

山田シェフ: まずは接客を1年担当してから厨房に入りました。振り返るとそれはとても大事なこと。「料理人」は、ただ厨房で料理をする仕事ではなく、お客様あっての仕事です。レストランで働くということは、お客様が何を望んでいらっしゃるのか、どうしたら喜んでくださるのか気づくことが重要で、それにより自分が何をすべきか、判断できるようになっていくと思います。それは、調理場に入っても重要なのだということを学びました。

フランスでも働きましたが、行った先が「おいしく食べても太らない料理」で一世風靡したミッシェル・ゲラールさんのホテル・レストラン(ミシュラン三つ星)だった事も全てつながっていたように思えます。帰国してからは料理長としていくつもの店舗の立ち上げを担当させてもらいました。
病院レストラン『ヴァイスホルン』誕生

――2013年8月、丸子中央病院の移転と同時にレストラン『ヴァイスホルン』がオープンしました。

山田シェフ: それ以前は、入院患者さんのための給食指導などをしていたのですが、病院の移転計画の際に病院内にレストランを作ってみようということになり現在に至っています。

今では入院患者さんのために月に1度「スペシャルディナー」の日を設け、特別メニューを提供しています。

――病院食の一般的なイメージを覆すメニューで入院患者さんの大きな励みになっているそうですね。さらには、人間ドックの食事も人気だとか。

山田シェフ: 人間ドックを受けた方には、長野県産の高麗人参のスープ、牛フィレ肉のステーキなどを盛り込んだ内容にしており、おかげさまで好評を得ています。一般の方には、日替わりランチをお出ししています。

――金曜のカレーランチは名物メニューとうかがいました。新刊『日本一おいしい病院レストランの 野菜たっぷり 長生きレシピ』にもレシピが掲載されていますね。病院レストランシェフのレシピ本となると、塩分やカロリーの細かい指示があるのかと思いましたが、バリエーション豊富なおいしそうな写真が並んでいます。

山田シェフ: この本は減塩の為の本でも低カロリーメニューの本でもありません。食材の味を活かしてバランスよくおいしく食べる為の本です。しかしながら、それでこそ減塩につながり、食における健康を具体化するものだと思います。料理技術の点からも初心者にとってはよい教科書 に、慣れた人にとっても新たな気付きを与えてくれるものになると思います。

『日本一おいしい病院レストランの 野菜たっぷり 長生きレシピ』 
著/山田康司 1400円 小学館

取材・文/はまだふくこ 撮影/泉健太

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