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サッカー日本代表が対戦した「キルギス」ってどんな国?

2019.11.19

日本人口約600万の中央アジアの内陸国は貧しく、誘拐婚などの問題もはらむが、自然に満ち溢れた魅力ある国 

 14日にキルギスの首都・ビシュケクで行われた2022年カタールワールドカップアジア2次予選。日本代表は敵地・キルギス国立競技場の劣悪ピッチと完全アウェーの雰囲気、対戦相手の徹底したサイドチェンジとカウンター攻撃に苦しみながらも、南野拓実(ザルツブルク)のPKと原口元気(ハノーファー)の直接FK弾で2-0と勝利。開幕4連勝で最終予選突破へ大きく前進した。

 日本の2次予選アウェーは9月のミャンマー戦(ヤンゴン)、10月のタジキスタン戦(ドゥシャンベ)に続く3回目。ミャンマーやタジキスタンは過去にも日本代表が試合をしたことがあったのだが、キルギスは全く初めて。それだけに森保一監督も選手たちも戦々恐々としていたに違いない。

寒さと乾燥、慣れない食事

 11日未明に現地入りした彼らが最初に驚いたのが、強烈な寒さ。標高800mのビシュケクはこの時期、最高気温が1ケタ、最低気温マイナスが普通なのだ。「夜中に着いたんですけど、ホントに手がかじかむくらい寒くてビックリしました」と話していた橋本拳人(FC東京)がいきなり体調不良に陥り、12日の練習を欠席したほど、凍てつくような空気が冷たかった。乾燥も著しく、報道陣でも喉や鼻をやられた人間が何人かいた。快晴続きで気分は悪くなかったが、この気候はやはり1つのハードルとなった。

 次なる関門は食事。現地の名物料理はプロフ(肉と野菜の炊き込みご飯)やラグマン(焼うどん)、シャシュリク(焼いた肉)などだが、とにかく脂っこい。中央アジアでは安いひまわり油が使われていることが多く、筆者も10年前に赴いたウズベキスタンで急性腸炎にかかり、高熱と下痢に見舞われている。この苦い経験で免疫がついたのか、その後はタジキスタンやカザフスタン、今回のキルギスでも問題は起きなかったが、現地初訪問者はギトギトした油がかなり胃に負担がかかった様子。現地の人がよく食べる羊料理やパクチーがダメという人間もいて、やはり日本人には厳しい環境に違いなかった。

物価の安さと治安のよさは魅力

 そんなキルギスだが、魅力的な部分も沢山あった。その筆頭が物価の安さ。空港で入手した1週間データ使い放題のシムカードがたったの2ドル(約220円)、旧ソ連諸国で普及しているタクシーアプリ「Yandex(ヤンデックス)」を使って町中心部まで40分近い距離を移動して500ソム(約750円)、スーパーで売っている1リットルのビールが60ソム(約90円)と何でも安い。現地在住日本人によれば、同国の平均月収は250ドル(約3万円)。飲食店のアルバイトは時給100ソム(150円)くらいだというから、経済的には決して豊かとは言えないようだ。

 我々日本人がタクシーに乗ると、決まって聞かれたのが、「日本のひと月のサラリーはいくらか」という質問だった。「だいたい2000ドル(22万円)くらいかな」と回答すると、誰もが驚き「日本に行きたい。仕事は簡単に見つかるのか」と本気で言ってきた。「サラリーが高い分、コストも超高い」と説明はしたものの、彼らにとって2000ドルというのは平均年収に近い額。資源が乏しく、世界的な技術も持たないキルギスには外貨獲得手段がないから、経済が劇的に発展する見込みは薄い。そういった要素も国民生活の苦しさの要因になっているという。

 そういう状況でも、特別に治安が悪いわけではないのがキルギスのいいところ。6月のコパアメリカで訪れたブラジルのように、経済的な問題を抱える国は犯罪が多発しがちだが、ビシュケク繁華街の1人歩きは全く問題なかった。町最大の市場であるオシュ・バザールは日本人の犯罪被害が多い場所だと聞き、少し警戒心を募らせたが、自分の不注意で手袋を落としたくらいで何事も起きず、衣料品やナッツ類、香辛料、チーズ、青果、精肉などを売っているお店の人々に親切に接してもらって、楽しく買い物ができた。

「キルギス人は普段は温厚だが、2005年のチューリップ革命と2010年のキルギス騒乱に象徴されるように、感情的になると想定外の行動を取ることがある」とも聞いていたので、試合当日のスタジアムも警戒心を持って出かけたが、現地サポーターはフレンドリーで、会場には遊牧民が暮らすユルタ(テント)の展示がなされるなど、アットホームな雰囲気が流れていた。ここでは美しい民族衣装を来た美女が案内役を務めていて、ボルソック(揚げパン)やショロ(飲み物)など地元の飲食物を振舞ってくれた。

「日本が来るということで、キルギス政府もサッカー協会も相当に頑張った。スタジアムの設備も整え、記者席には電源やWiFiも用意するなど大変な張り切りようだった」と前出の現地在住日本人が指摘するほど、彼らはこの一戦を盛り上げようとしたのだろう。大量動員された警備員の存在に違和感を覚えるほど、取材も平和に進めることができた。

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