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地球温暖化を遅らせる今すぐ実施すべき6つの政策

2019.11.18

「気候非常事態」に世界の科学者らが警鐘

地球は「気候の非常事態」に直面しており、思い切った方策をとらなければ人類に計り知れない苦難がもたらされることになる――。そう主張する研究論文が、「BioScience」11月5日号に発表された。この論文には世界153カ国の科学者1万1,258人が賛同し、共同署名している。

論文の筆頭著者である米オレゴン州立大学教授のWilliam Ripple氏は、「気候変動による地球温暖化は飢餓や疾患を劇的に増加させ、既に人々の健康に打撃を与えている」と説明。

その上で、「気候変動は人類の心身の健康や幸福にとって重大な脅威となっている」と話している。同氏らの論文によれば、気候変動は多くの科学者の予測よりも早い段階から始まり、急速に進行し、その影響は極めて深刻なものだという。

今回の警告は、トランプ政権が地球温暖化対策の枠組みであるパリ協定からの離脱を正式に通告した翌日に発せられた。Ripple氏らは、地球温暖化を遅らせるためには、以下の6つの政策を直ちに講じる必要があるとしている。

・化石燃料の使用削減に向けた規制などの大規模な省エネ対策の実施

・メタンやすす、ハイドロフルオロカーボンなどの大気汚染物質を速やかに削減。これにより今後数十年間に温暖化の進行速度を半減できる可能性がある

・二酸化炭素などの温室効果ガスの制御に重要な役割を果たす森林や草地、湿地などの自然生態系を復元し、保護する

・動物性食品を減らし、植物性食品を主体とした食習慣に切り替える。家畜の飼育にはより多くの資源を必要とし、また、メタンなどの温室効果ガスの排出にもつながっている

・人間の生活は生物圏に依存しているとの認識に立った世界経済にシフトし、自然生態系の開発を見直して地球を健全な状態に保つ

・現在、1日当たり20万人以上増加している世界人口の安定化に向けた政策を推進する

Ripple氏は「われわれは緊急事態に直面しているが、今すぐに効果的な行動を起こせば、壊滅的な気候変動を回避することができるかもしれない」と話す。

また、別の専門家で米ノースウェル・ヘルスのEric Cioe Pena氏も「地球温暖化が既に人々の健康に影響を与えていることは明白だ」とし、一例として、温暖化の進行に伴い蚊やダニの生息地域が北に広がり、多くの感染症がもたらされている問題を挙げている。

「今やフロリダ州のマイアミでもジカウイルス感染がみられる。温暖化が進み、熱帯に近い気候になれば、米国全土にジカ熱やデング熱などの感染症が広がるだろう」と同氏は警鐘を鳴らす。

また、人々の生命と健康を脅かす極端な異常気象は増えるであろうと専門家らは予測している。Ripple氏によれば、カリフォルニア州で起こった山火事もその一つだという。Pena氏は「ハリケーンや竜巻も頻発するようになっており、その勢力も増している」と付け加えている。

さらに、専門家らは今後、気候変動の影響で農作物の収穫量が減り、海水の温度が上がれば魚の漁獲量も減るため、飢餓も広がっていくとみている。Ripple氏は「世界では既に数億人の人々が飢餓に苦しんでいるが、今後も気候変動によってその数は劇的に増加する可能性がある」と話している。(HealthDay News 2019年11月5日)

Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://academic.oup.com/bioscience/advance-article/doi/10.1093/biosci/biz088/5610806

構成/DIME編集部

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