
マーケティング業界で、最近ますます注目を集めているGenZ(Z世代)。先日のAdWeekの取材記事でも取り上げましたが、今回は、Z世代自身が立ち上げたコンサルティング会社「JUV COUSULTING」のCEO、Ziad Ahmed氏が発表していたリアルな米国Z世代の若者言葉やカルチャー、その特徴をお伝えしようと思います。
若者言葉にもGenZらしい社会意識、思考がにじみ出ている⁉
GenZは、国によってその特徴や傾向に違いがありますが、世界のトレンドを牽引する米国Z世代のリアルを知ることで、若者向け、グローバル向けのマーケティングを成功に導くインスピレーションが得られるかもしれません。それではまず、米国GenZの間で流行している若者言葉(スラング)をご紹介します。
本物を追求する気持ちの表れ⁉「cap/ no cap /capping」
「cap, capping」は「嘘ついてるでしょ?」の意味。GenZの間では、「cap」の反対語「No cap」を語尾に使って、「マジで!本気で!」という意味合いを込めます。「Seriously」の代わりとして「No cap」を使うパターンが多いようです。
例文:I did my homework by myself, no cap!
(私、自分で宿題したから、マジで本当に!)
このスラングと似たような言葉で「sus」があります。「suspicious」(疑わしい)の略として「He is so sus.」(彼って怪しい、信頼できない)のように使われます。
「本当かどうか、信頼できるかどうか」にフォーカスした言葉を多用するのは、「Authenticity(信頼性・本物志向)」を追求するGenZの気持ちが言葉に反映されているからだそうです。
誰かをサポートするカルチャーに広がった「stan」
エミネムの楽曲「Stan」が由来の言葉で、アーティストの熱狂的なファンのことを表し、動詞として使う場合は、あるアーティストを推すという意味でも使われます。
例文:I am a Ariana stan.
(アリアナの熱狂的なファンです)
GenZの間では、尊敬するアーティストだけでなく、インフルエンサーや、共感するコンセプトなど、いろんな人やモノ対して「サポートする」という意味を込めて「stan」を使い、そういったカルチャーやふるまいを「Stan Culture」「Stan Movement」と言うそうです。コミュニティ意識が高い米国GenZの傾向が出ているように感じます。
TIK TOKで大注目の「VSCO GIRL」が使う「sksksksk」
GenZ女子のライフスタイルトレンドとして熱い注目を集めている「VSCO GIRL(ヴィスコガール)」。特に今年の春夏にTIK TOKやYOUTUBEで多くの「VSCO GIRL」が登場しました。そんな「VSCO GIRL」たちが、頻繁に使うスラングとして流行しているのが「sksksksk」です。
特に意味はなく、楽しい時に笑い声のように使うそうです。
YOU TUBE より
「VSCO GIRL」のファッションは、90年代にインスパイアされた大きめのTシャツや短パンに、スクランチー(シュシュ)をアクセントにしたスタイルが主流。メタルストロー(金属製ストロー)とハイドロフラスクの水筒がマストハブで、サスティナビリティの意識が高いところもポイントです。
「VSCO」という画像編集アプリを使いこなしてインスタに写真をアップするガールズ達が言葉の由来ですが、米国の各メディアも「VSCO GIRL」特集を組むほど今注目が集まっています。単なるファッションの流行にとどまらず、サスティナブルなライフスタイルを「sksksksk」というユニークな言葉で拡散していく姿に、社会意識が高く個性を大切にするGenZらしさを感じます。