
■茂木雅世のお茶でchill out!
パッと見ただけでは、素通りしてしまうかもしれない程、シンプル。
でも、手に取って、じっくり味わうと、長い月日を経て、そして様々な人の手が加わって完成した「最高傑作」だとわかる。
そういうものって結構あったりしますよね。
この「茶業手帳」もその一つかもしれません。
“長年愛され続けているもの“はお茶の世界に多々ありますが、その中でも特に私が気になっている存在です(笑)
ポケットにも入るスマートな作り。
どことなく漂うクラシカルな雰囲気。
ひとたびページをめくると約170ページに渡って「これでもか!」お茶の専門的な情報がぎっっしり詰まっているというマニアックさ。
どこをとっても個人的にツボ!!
好きです(笑)
果たして…「茶業手帳」の中身とは!?
1948年頃から茶業に携わる人の為に発売されてきたというこの茶業手帳。
通常の年間・週間カレンダーやメモに加え、お茶にまつわる専門的な情報から最新統計までが手のひらに収まる小さな一冊にまとまっています。
その内容はというと…
805年・最澄がお茶の種子を持ち帰ったとされる歴史から現代までのお茶にまつわる年表に始まり…
茶園管理をする際に一年を通してこういう作業をしましょう!といった内容であったり
お茶の製造方法が一通りまとめられているもの
お茶摘みの際に使う機械の価格表
お茶畑に発生しがちな害虫の写真!(しかも、わかりやすいようにカラーページ)
「府県別のお茶の生産実績」といった最新の統計情報まで…
お茶フリークにとってたまらない手帳であるというのはもちろんですが、そうではない人も、読むと「へえーー!」「知らなかった!」と思わず声に出してしまうようなお茶の知識や情報に触れることが出来て、結構面白いのです。
ちょっとしたお茶の図鑑を読んでいる気分。
約70年前からこの手帳の制作に携わっている「JA静岡経済連」の方にお話を伺った所、もともとは農協がとりまとめて生産者さん達が購入したり、お茶関係者の人達が会社で配ったりすることで使われることが多かったというこの手帳。
スマホでも様々な情報が調べられる時代ですが、ササッと農作業のメモを取ったり、パッと気になった時に必要な情報や統計をすぐに確認できて使いやすいことから、今でも愛され続けているのだそう。
「こういうものがあったらいいな」という現場の声を吸い上げては、毎年、なるべく反映するようにしているそうで、令和の時代になってもなお、アップデートされ続けているのです。