
今年も残すところ、あとわずか。令和初のクリスマスの予定もそろそろ立てたいところ。
今年は平日クリスマスなので、特別なことはしないという人も多いかもしれないが、ケーキくらいはスペシャルな一品を選んでみてはどうだろうか? いまならまだ予約が間に合う、3つのホテルのスペシャルクリスマスケーキをご紹介しよう。
チョコレートケーキのバリエーションが半端ない! ウェスティンホテル東京のクリスマスは、“冬の森”がテーマ
11月1日より予約開始されたウェスティンホテル東京のクリスマスケーキは、丸太や切り株をイメージした数量限定のチョコレートケーキを含めた全11種類。
美味しさはもちろん、ビジュアル映えも間違いない自信作揃い。中でも、試食会でスイーツ・グルメライターいちばん人気だったのが、「バリブレスト プラリネクリーム」(¥5,300 税別)。
濃厚なヘーゼルナッツのプラリネクリームとアーモンド香るカスタードクリーム、アクセントのカカオニブの食感がマッチして、思わず頬が緩む美味しさだ。
会場でひときわ目を引いた「MA.RU.TA 2019 チョコレートケーキ」(¥42,000)。15本のブラウニーを、ピスタチオ、チョコレート、プラリネの3種のクリームで包み、チョコレートのコーティングで丸太のカタチに。
丸太の下には、カカオ100%のビターチョコレートを用いた甘さ控えめのザッハトルテ。チョコ好きにはたまらない限定5台ケーキ。
1Fのインターナショナルレストラン「ザ・テラス」のデザートブッフェでも、チョコレートの回は予約を取るのが困難なほど、チョコレートには定評のあるウェスティンホテル東京。
今年のクリスマスは、チョコレートケーキの充実度がかなりすごい。「KI.RI.KA.BU」シリーズは、グリオットチェリー入りのチョコレートクリームとホワイトババロアを、キルシュをふんだんに染み込ませたチョコレートスポンジで交互に重ねた「フォレノワール」(限定10台 ¥12,000)と、しっとりとしたビスキーショコラ生地に、ラズベリー風味の濃厚ガナッシュを流し込んだ「タルトショコラ」(限定10台 ¥15,000)。
お酒にも合いそうな濃厚なチョコレートは、大人のクリスマスにぴったりだ。
個人的な推しケーキを3種ご紹介。1つめは「ノアゼット オランジュ」(¥7,400)。底はヘーゼルナッツのダックワーズとサクサクした食感豊かなチョコレート。
そこにオレンジが香るヘーゼルナッツ風味のミルクチョコクリームが重なって、口の中に繰り広げられる食感と味の変化が楽しい。そして、チーズ好きにはたまらない「モンターニュ ネージュ」(¥5,300)。
真っ白な雪山をイメージしたケーキで、クリームチーズが濃厚なチーズスフレの上に、フロマージュブランのクリームをのせたダブルチーズケーキ。濃厚さの中に軽さがあって、赤ワインが飲みたくなる美味さ。
やっぱりクリスマスにはショートケーキ派、には定番の「ストロベリーショートケーキ」(¥5,100)を。軽いスポンジにたっぷりのイチゴピューレ入りのクリームをサンド。純生クリームで仕上げた上品な味わい。
関連情報
ウェスティンホテル東京 https://www.theterracetokyo.com/jp/christmas
渋谷の隠し味。MUSTARD HOTEL SHIBUYA併設カフェ「Megan - bar & patisserie」の通も唸らすスペシャルケーキ
渋谷と代官山、恵比寿のちょうど中間あたりに位置する穴場ホテル「MUSTARD HOTEL SHIBUYA」。「マスタード」というのは「隠し味」という意味があり、渋谷の隠し味的存在を目指して、ホテルに「MUSTARD」という名がつけられたんだとか…。
そこに併設するカフェ「Megan - bar & patisserie」は、パティスリーラボを備え、こだわりの食材を使った生菓子や焼き菓子が人気の知る人ぞ知る隠れ家パティスリー。
今回クリスマス限定で登場するのは、Megan1番人気を誇る「トレスチェ」(ハーフ ¥2,500/ホール ¥4,300 税別)と「モイストテリーヌショコラ」(ホール ¥4,000)の2種。
一見普通のショートケーキに見える「トレスチェ」。「トレスチェ」というのは、中南米のデザートで、3つのミルクを意味する。
Megan風にアレンジした「トレスチェ」は、国産ブランド小麦粉をはじめとした厳選素材で焼き上げたスポンジに、ココナッツミルク・コンデンスミルク・牛乳を使用したシロップを染み込ませてあり、サンドしているバニラクリームには爽やかさとコクを出すためにクレームドゥーブルも混ぜ込んでいるという、めちゃくちゃ凝ったケーキ。
一見シンプルなショートケーキに見えても、ひと口食べた瞬間口に広がる豊かな味わいは、トリコになること間違いなし。クリスマス限定でサンドされた苺の酸味がまた、コクのあるクリームのアクセントとなってめちゃくちゃマッチする。
「モイストテリーヌショコラ」は、まるで生チョコを食べているかのようなシルキーで濃厚な味わいが特長。それもそのはず。
濃厚な味わいにこだわり、小麦粉を使用せず、チョコレートとバターをたっぷり使用したテリーヌ部分にはカカオ分64%、ガナッシュクリーム部分にはカカオ分70%のフランス産チョコレート使用。
自家製のラズベリーコンフィチュールの甘酸っぱさが、ビターなガナッシュクリームのカカオの香りを引き立てる。
2種類のケーキをカットするとこんな感じ。トレスチェはアルコール分を含まないため、小さな子供も一緒に楽しめる。
関連情報
Megan - bar & patisserie https://megan.jp/christmas/
複雑に何層にも重ねられたフレーバーが、口の中で奏でるハーモニーは見事のひとこと。「京王プラザホテル」の2019年クリスマスケーキコレクション
新作ケーキの「ラーヤ」(¥4,815 税別)は、フィンランド語で贈り物を意味する。箱を開けた瞬間、真っ赤なコーティングにホワイトチョコレートのリボンがワクワクする気持ちをもり立てるが、いちばんの驚きはケーキをカットした瞬間だろう。
というのも、真っ赤なコーティングの下には、ジェノワーズ、マスカルポーネクリーム、グリオットチェリーのコンポート、イチゴのダコワーズ、ヌガークリーム、ピスタチオのパンドジェーヌ、チョコレートクリーム、アーモンドショコラ、ガトーショコラと実に7層ものフレーバーが重なっているのだから。
しかもこれだけ複雑でも、味がケンカせず、見事なハーモニーを口の中で広げるのはスゴい!
のひとこと。
もうひとつが、フィンランド語で物語を意味する「タリーナ」(¥4,815 税別)。
2018年に人気を博し、クリスマスの思い出に新たな1ページを加えて登場。濃厚なチョコレートケーキかと思いきや、実はフロマージュブランとマスカルポーネクリームに、ベリーのジュレとフランボワーズのコンフィチュールが爽やかなアクセントとなったチーズクリームケーキ。ビジュアルと味の意外性に会話も弾みそうな逸品。
クリスマスの定番「ブッシュ・ド・ノエル」(¥4,815 税別)も侮るなかれ。京王プラザホテルのブッシュ・ド・ノエルは、なんと、2種類のケーキをつなげて1本にしているという、どちらかひとつを選べない欲張りには夢のようなケーキだ。
半分は、イチゴのムースにラズベリーのムースとゼリーを合わせて、もう半分はラ・フランスとマロンのムースにサクサクのパイやアーモンドを。いろいろ食べたい食いしん坊には、こちらをぜひ!
最初はこんな感じ。
半分に切ると…片方はこんな感じで
片方はこんな感じ。
いちばん人気のショートケーキもバリエーション豊か。「プルミエ・ダムール」(¥4,815 税別)は、厳選された国産小麦粉と名古屋コーチンの卵を使ってふんわりと焼き上げたスポンジに、シェフパティシエ穐山自らブレンドしたクリームはきめ細かく、しっとり上質ですっきりとした口溶け。
そして主役のイチゴは、糖度の高い国産イチゴを丁寧に選び抜いて使用。ショートケーキはシンプルなだけに、その素材のよさが際立つ。
そして「ホテル伝統のフレジェ」(フルール(直径25cm)¥6,297/イヴェール(直径16cm)¥4,167/デュオ(9cm×9cm)¥2,593/税別)に、今年は「低糖質フレジェ」(14cm×14cm¥5,093/9cm×9cm¥3,241 税別)が登場。
ケーキは食べたい、でも体重も気になる…という人には、まさにうってつけのケーキだ。
スイーツ・グルメライター用に用意されたケーキの試食プレート。いちばん左が「タリーナ」で、その隣が「ラーヤ」。
カットされてしまうと、もはやどのケーキなのか当てられない。この中身の複雑さと意外性に感嘆。真ん中ふたつのショートケーキは、左が「プルミエ・ダムール」右が「ホテル伝統のフレジェ」。
食べ比べてみると、スポンジのしっとり加減や生地の細かさ、クリームの口溶け具合など全然違う。どちらも美味しいは美味しいのだが、これだけ味の差が出るなんて、ショートケーキも奥深い。
例えば11月まで限定とかで、ショートケーキの食べ比べセットがあったら楽しいかも!?ちなみに低糖質フレジェの試食はなかった。残念。
関連情報
京王プラザホテル https://www.keioplaza.co.jp/event/xmascake/
取材・文/森井真弓 撮影/土屋嘉久