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降圧薬は就寝前に服薬すると心血管疾患で死亡するリスクが低下する可能性、スペイン・ビーゴ大学研究

2019.11.09

降圧薬は「就寝前」に服薬すべき?

降圧薬は起床後ではなく、就寝時に服用するとよいかもしれない――。

そんな研究結果を、ビーゴ大学(スペイン)アトランティック研究センターのRamón Hermida氏らが「European Heart Journal」10月22日オンライン版に発表した。

降圧薬を就寝時に服用すると、起床後の服用に比べて心筋梗塞や脳卒中、心不全の発症リスクやこれらの心血管疾患(CVD)で死亡するリスクが大幅に低い可能性があるという。

この臨床試験は、「Hygia Chronotherapy Trial」と呼ばれるもの。2008年から2018年にかけて、スペイン北部在住の18歳以上の高血圧患者1万9,084人(男性1万614人、女性約8,470人、平均年齢60.5歳)を中央値で6.3年間追跡した。

試験では、対象患者を、1種類以上の降圧薬を全て起床後に服用する群(9,532人)または就寝時に服用する群(9,552人)にランダムに割り付けて比較した。

試験期間を通して定期的に血圧を測定したほか、年に1回は2日間にわたって携帯型の自動血圧計を装着してもらい、自由行動下の24時間血圧(ABPM)も測定した。

その結果、降圧薬を起床後に服用した群と比べて、就寝時に服用した群ではCVDによる死亡リスクは56%有意に低かったほか、心筋梗塞リスクは34%、血行再建術の施行リスクは40%、心不全リスクは42%、脳卒中リスクは49%それぞれ有意に低かった(いずれもP<0.001)。

また、これらのイベントを合わせた複合アウトカムの発症リスクについても、就寝時に服用した群では45%有意に低かった(P<0.001)。これらの結果は、性や年齢、糖尿病や腎臓病の併存といったリスク因子の有無にかかわらず一貫してみられたという。

なお、Hermida氏は「ほとんどの患者は降圧薬を起床後に服用するが、このタイミングがベストとする臨床試験は一件も報告されていない」と指摘。

また、降圧薬の服用に最適なタイミングについて言及したガイドラインは今のところないと説明している。

今回の報告を受けて、米レノックス・ヒル病院の循環器医であるSatjit Bhusri氏は、服薬コンプライアンスの重要性を強調し、「降圧薬の効果を最大限に引き出すには、決まった時間に定期的に服用し、飲み忘れないようにすることが不可欠だ」と主張。また、その時の気分や併用している薬剤も降圧薬の効果に影響する可能性があると付け加えている。

なお、Hermida氏らは以前の研究で、睡眠中の血圧値が心血管リスクの最も重要なマーカーであることを明らかにしているが、今回の試験では、ABPMの測定値から、就寝時に降圧薬を服用した患者では睡眠中の血圧値が有意に低いことも分かった。

そのため、同氏は「就寝前の服用で夜間の血圧が良好にコントロールされたことが、心血管リスクの低減に寄与したのではないか」との見方を示している。

ただし、今回の試験に参加した高血圧患者は全員、日中に活動し、夜は眠るという生活スタイルの白人だった。

このことから、「夜勤している人や他の人種でも同様の結果が得られるかどうかは不明だ」とHermida氏は話している。一方、前出のBhusri氏は「降圧薬を服薬するタイミングは決して自己判断で変更せず、まずは医師に相談してほしい」と呼び掛けている。(HealthDay News 2019年10月23日)

Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://academic.oup.com/eurheartj/advance-article/doi/10.1093/eurheartj/ehz754/5602478

構成/DIME編集部

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