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低金利が引き続き追い風に、業績が堅調で投資の魅力度が高い日本とアジア・オセアニアのリート市場

2019.11.11

三井住友DSアセットマネジメントは、経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行している。このたび、日本とアジア・オセアニアのリート業績に関するマーケットレポートが発表されたので、紹介していきたい。

堅調に推移するリート市場

今年のリート市場は好調だ。年初来の上昇率(10月18日時点、円ベース)は、グローバルが+26%、日本が+30%、アジア・オセアニア(除く日本)が+20%となっている。

背景には、米中貿易摩擦の影響を受けた世界的な景気拡大ペースの鈍化、低インフレ、各国の金融緩和と長期金利の低下があげられる。

欧州を中心に主要国の国債利回りの多くがマイナスとなっている中、リートは業績が比較的堅調を維持している上、配当利回りは3~4%台となっており、リートの相対的な投資魅力度が高まっている。

低金利環境は引き続き追い風

今後の世界経済は米中協議と各国の経済政策の影響を強く受ける。米中の早期完全合意が見通し難く、各国の金融緩和が続くと見られる中にあっては、リートへの追い風は今後も続くと考えられる。

リート市場の中でも欧州は出遅れている。英国の欧州連合離脱や欧州経済の減速などの懸念が要因。これらの懸念材料は当面続くとの見方が大勢だ。

日本、アジア・オセアニアリートは、魅力度が高い

世界のリート市場の中で、日本やアジア・オセアニアのリート市場は相対的に投資魅力度が高い と考えられる。

業績が堅調であること、 配当利回りと国債利回りとの格差が大きいことの2点が特徴。日本やアジア・オセアニアの利回り格差は概ね3%台で、米国リートの2.2%と比べると、格差は大きくなっている。

業績面では、日本は堅調なオフィス需要やリートの事業改善が続き、業績は堅調の見込み。シンガポールは、観光客や企業進出の拡大等を背景に堅調さが続くと期待される。

香港は、反政府デモが不安材料で、小売売上が落ち込むなど経済活動に影響が現われているただし、日用品が売り上げの中心を占めるスーパー部門は前年比増加を維持しており底堅さを見せている。

オーストラリアは、物流やオフィス市況が好調。関連リートの業績見通しは底堅く、これらが先導役となってリートの業績は堅調と見られる。

日本と主要なアジア・オセアニア リート市場のポイント

日本と主要なアジア・オセアニア リート市場のポイントをまとめると、以下の通りとなる。

■日本

・堅調なオフィス需要のほか、保有物件の高値売却や優良物件の適切な購入など、リートの業績改善につながる動きが続き、堅調な業況が続く見込み。

・配当利回りは3.4%、10年債利回りは▲0.2%で、利回り格差は3.6%。主要なリート市場の中で利回り格差が大きくなっている(9月末現在)。

・東京オリンピック後を懸念する向きもあるが、オリンピックに向けたインフラ投資により、事業や生活環境が改善されるほか、リニア、品川-田町間の新駅、渋谷開発など、オリンピック後も都市機能の整備が続くため、不動産やリート市場の大きな落ち込みの可能性は高くないと見られる。

■オーストラリア

・物流やオフィス市況が好調。関連セクターのリート業績見通しは底堅く、これらが先導してリートの業績は堅調に推移すると見られる。

・冷え込んでいた住宅市況も住宅購入規制の緩和が行われているほか、利下げを受けた住宅ローン金利の低下も追い風となり、緩やかな改善が見込まれる。

・配当利回りは4.6%、10年債利回りは1.0%で、利回り格差は3.6%。主要なリート市場の中で利回り格差が大きくなっている(9月末現在)。

■シンガポール

・シンガポールはアジア全般の交通・物流の主要ハブで、政治的にも安定しているため、観光客や企業進出の拡大が続いている。また、低い所得税率がアジアの富裕層をひきつけている。オフィスや流通施設の成長が続くと共に、不動産の好需給が継続すると見られる。

・シンガポールと地理的・経済的に近いアセアンやインドなど南アジア地域経済は、世界的な景気減速の影響を受けているが、他地域と比べて高い経済成長を遂げると見込まれる。これはシンガポールのリートにとっても追い風だ。

・配当利回りは4.8%、10年債利回りは1.7%で、利回り格差は3.1%と良好な水準(9月末現在)。

■香港

・反政府デモが続いている。小売売上が落ち込むなど経済活動に影響が顕著に。ただし、日用品が売り上げの中心を占めるスーパー部門は前年比増加を維持しており底堅さを見せている。

・2014年にも反政府デモが起こった。当時も経済への影響が懸念され、リート市場は一時調整したが、デモの収束につれてリート価格は回復に転じ、その後の経済成長を受けて大幅に上昇した。

・配当利回りは3.6%、10年債利回りは1.2%で、利回り格差は2.4%。アジア・オセアニアのリート市場の中では相対的に利回り格差が低水準となっている(9月末現在) 。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント株式会社

構成/こじへい

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