
■連載/文具ソムリエール菅 未里の「誘惑文具」
Q:仕事で使う、格好いいペンケースを探しています。カバンに荷物を詰め込むので丈夫なものがいいのですが、あまり高くないと助かります。ちなみに、男です!
A:ご質問の使い方をされる場合、ハードケースタイプのペンケースがよいでしょう。カバンの中で圧力がかかっても、ケースが中身を守ってくれます。ふせんなどをペンケースに入れていても、くしゃくしゃになる心配が要りません。
ですが、ハードケースでかつ「恰好いい」となると、数は少なくなります。どうしても実用性を追求したものが多いですからね。そこへ来て、「高くない」という条件が加わると、非常に少なくなります。というより、ほとんどありません。
が、見つけました。いかがでしょうか。
どうです? (株)キングジムの「レザフェスU ペンケース」です。仕事中に腕時計を外す方も多いと思うので、ペンと一緒に入れてみました。
これでいくらだと思いますか? なんと、1600円(+税)です。本一冊分の値段なのです。
レザフェスシリーズは、キングジムによるシンプルな上質さを追求した文房具のシリーズです。ファイルなどが有名で、話題にもなったのですが、このペンケースは伏兵といえるでしょう。なにせ、ハードケースで格好良く、しかも安いという、ほとんどライバルが存在しない商品なのです。
表面は合皮なので、お手入れが面倒な方でも綺麗な状態を保てます。ハードな使い方をされる方にはぴったりでしょう。でも、この質感です。さらに、内部が起毛になっているという仕事の細かさです。まるで宝石のケースですね。
しかし、こんなレザフェスU ペンケースにも一つだけ弱点があります。価格の割にあまりに高級感があって周囲の別のペンケースから浮いてしまうため、店員さんは置きづらいと思うのです。私の体感でも、あまり店頭では見かけない印象です。
優等生過ぎるのも考え物ということでしょうか。しかし、探してでも買う価値はありますよ。
文/菅未里
構成/佐藤喬
撮影/干川 修
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