
ITジャーナリスト富永彩乃と、携帯電話研究家の山根康宏"博士"がモバイルの最新製品をビデオで解説。今回は日本の消費者の多くが待ち望んでいたコンパクトサイズのXperia最新モデル「Xperia 5」を紹介する。
◆大画面なのにコンパクト!片手で操作できるハイスペックスマホ「Xperia 5」を動画でチェック
ソニーモバイルのXperiaシリーズの2019年秋冬モデル「Xperia 5」はすでに発売中の「Xperia 1」と同じ21:9のシネマワイドディスプレイを採用しつつ、ディスプレイサイズを6.1インチと小型化したモデルだ。本体サイズは158 x 68 x 8.2ミリ、70ミリを切る横幅のサイズは最近のスマートフォンの中では極めて狭い。ちなみにグーグルの「Pixcel 4」の横幅は68.8ミリでほぼかわらないが、ディスプレイは5.7インチでXperia 5よりも小さいのだ。
CPUはSnapdragon 855を採用しており、Xperia 1や他社のハイエンドスマートフォンとそん色なく快適に動いてくれる。高速なゲームプレイもXperia 5なら楽にこなしてくれるだろう。また21:9のディスプレイは映画をほぼオリジナルの大きさで再生することもできる。縦に持てばSNSのタイムラインもより多くの行を表示できる。一度Xperiaに慣れてしまうと、他社のスマートフォンの画面が狭く感じられるようになるかもしれない。
カメラやエンタメ機能も強化
カメラもXperia 1と同等のものを搭載。1200万画素のクワッドカメラで、26ミリF1.6のワイド、52ミリF2.4の2倍ズーム、そして16ミリF2.4のウルトラワイドの組み合わせだ。カメラの位置はXperia 1の背面中央から、現在一般的な左上に移された。スーパースローモーション録画には非対応だが、それで困るシチュエーションはほぼないだろう。フロントカメラは800万画素F2.4を搭載する。
またソニーのスマートフォンと言えばエンタメ機能も強化されているが、Xperia 5はPlayStation 4用のゲームコントローラーをそのまま装着して使うことができる。Xperia 5をTVにつなぎ、ゲームコントローラーを使えばスマートフォンゲームも大画面で楽しむことができるのである。さらにゲームエンハンサー機能を使えばスクリーンショットの連射など、ゲーム中の様々な操作もワンタッチで行える。
通知が来たアプリをそのまま2つ目のウィンドウとして開きマルチウィンドウを簡単に使うこともできるなど、細かい改良点も加わっている。本体カラーはブラック、グレー、ブルー、レッドの4色。このうちブルーとレッドは日本のメーカーらしい、つやを押さえつつ中間色を混ぜたような絶妙な色合いに仕上げられている。日本の国民機とも呼べるXperiaだけに、ドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアから発売予定だ。
Xperiaシリーズは日本では知名度があるものの、海外での販売は正直なところあまり思わしいものではないようだ。しかし2019年のXperia新モデルは21:9のシネマワイドディスプレイを搭載したことにより「スリムな大画面スマホ」として存在感を徐々に高めている。今年になって発表されたXperia各モデルのうち、21:9のディスプレイを搭載するモデルは6機種にも及ぶ(「Xperia 1 Professional Edition」を含む)。
Xperia 5はシネマワイドディスプレイという他社にはない性能だけではなく、女性や子供でも楽に片手で持てるスリムな大きさで他社との差別化に成功している。この特徴を武器にすれば、Xperiaの海外市場での復権も大いに期待できる。日本人だけではなく世界中の人々に愛されるスマートフォンとして今年の下半期大きな注目を集めるに違いない。
ITジャーナリスト富永彩乃 WEBサイト http://ayanotominaga.com
携帯電話研究家山根康宏WEBサイト http://www.hkyamane.com/