人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

「ボルドーは赤のフルボディー」はもう古い!伝統にとらわれない次世代のワイン造りが活発化

2019.10.31

シャトー・マルゴーとかシャトー・ペトリュスとか。名前だけは知っている。でも実は飲んだことはない-------別に珍しくも恥ずかしくもない話だ。めちゃ高いのだから。高すぎだろと批判されてしまうのもボルドーなら、それでも値が下がらないのもボルドーだから。

ボルドーといえば「フルボディ赤」のイメージが古すぎる

そんな高止まりイメージに変化の兆しが見られる。もちろん高いシャトーは今も相変わらず高い。しかし、そもそも、それら超高級ワインのほんの一握り。ボルドーの人もフランスの人も、ふだんはお手頃価格のテーブルワインを飲んでいるわけで、ボルドーワインの中にもそれはある。

ボルドーワインの普及に努めるボルドーワイン委員会では、1000〜4000円というリーズナブルな価格の中からおすすめのワイン100本を「バリューボルドー」と名づけてピーアール。今年で7年目を迎えている。

「みなさんが知っているグランクリュ、いわゆる高級ワインは全体の3%に過ぎません。そのほかにもおいしいワインがあることを知っていただきたい」と広報のセシル・ア氏は言う。また、「ボルドーでは若い世代を中心に新しい取り組みが始まっています。伝統シャトーだけではない、ボルドーの新しい一面もアピールしていきたい」と語る。

ボルドーといえば“重厚”“フルボディの赤”という、日本ではほとんど固定化したイメージもくずしていきたいと言う。今どき、重いイメージは流行らないようだ。では、どんな取り組みが始まっているのだろうか。現地で取材した。

4代目の挑戦“新作はボルドー産だとわからなくていい”

ボルドーには2つの川が流れる。スペインのピレネー山脈を水源とするガロンヌ川と、その北側を走るドルドーニュ川。2つが合流してジロンド川になり、大西洋に流れる。その2つの川に挟まれた地区アントレ・ドゥ・メール(2つの海の間という意味。海は川のこと)にあるシャトー・ル・グラン・ヴェルジュ(Château Le Grand Verdus)を訪ねた。

歴史的文化財に指定されているシャトー。

16世紀に建てられた、まさに城のようなシャトーに、100ha以上の広大なぶどう畑。200年ほど前に当主になったのがル・グリ・ド・ラ・サル家で、現在ワイナリーを経営するのは4代目のトマさん。

その長い苗字は重厚だが、トマさんが目指すワインは新しい。このシャトーの特徴として、彼がはじめに切り出したのは「自分の代になってソーヴィニヨン・ブランの栽培を始めた」という話だった。

シャトー・ル・グラン・ベルジュの4代目のトマさん。

トマさんは大学で農学を学んだ後、ニュージーランドのワイナリーで修行。ニュージーランドではソーヴィニヨン・ブランの白ワインが有名だが、トマさんはそこで学んだワインを、ボルドーの土地で挑戦した。同じソーヴィニヨン・ブランでもボルドーとかの地では、風味がぜんぜん違うという。その後、白用のセミヨン、ミュスカデルの栽培も始めた。そうして造られたソーヴィニヨン・ブラン70%、セミヨン20%、ミュスカデル10%のアッサンブラージュ(ブレンド)の白ワインは、さわやかさとふくよかさを併せ持つ。
「10年ぐらい熟成させることができる。この土地の海洋性の粘土、石灰の土壌からくるミネラリティが特徴だ」と説明する。

おすすめの白「Château Le Grand Verdus 2018」と、赤「Château Le Grand Verdus Grand Reserve 2014」。赤はメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン。上品な酸味を感じた。

トマさんは白のほかに新たなワインに着手している。白ぶどうを原料に、赤ワインのような醸造法でつくる「Macerat(マセラ)」がそれ。近年、一般的にはオレンジワインという名で知られるが、白ぶどうの種と皮をいっしょに砕いて発酵させ、後に液だけ集めて発酵させる。すると、下の写真のような白でもロゼでもない色合いと風味のワインになる。種と皮から絞られたタンニンが多い分、酸化防止力が白ワインよりも強く、そのため酸化防止剤(亜硫酸)の添加量を少なくできるのも特徴だ。

畑は、エコロジーへの取り組みを評価するフランスの公的環境認証HVE(持続可能な農業をめざして環境に配慮した栽培に対する評価)の最上位レベル3を取得している。「堆肥を行わず生物多様性を守るなど、環境への配慮は当たり前のこと」とトマさんは言う。そうした意識の中にはオーガニックや無添加への志向もある。亜硫酸無添加をめざしているわけではないが、減らせる添加量は減らしたいと考えている。

それにしても驚くべきはボトルの形だ。ボルドーじゃない!

白でもロゼでもない「マセラ」。

「まず飲んでもらって、あとでラベルを見てボルドーだと気づいてもらえれば、それでいい」と話す。そこに垣間見られるのは、ワイナリー4代目の意地と矜持だ。今後、ロワールのワインで有名な品種シュナン・ブランの栽培も始める予定だ。

「どんな品種でも、収穫されるぶどうはこの土地のテロワールが宿る。敷地内には標高差もあり、気象条件が微妙に変わり、同じ品種でもぶどうの出来は同じではない。もちろん天候によって異なる。熟成に使う樽の種類によっても味は変わる。畑ごとに違うぶどう、樽、その組み合わせによって、さまざまなワインができる。モダンで多様性のあるワインを私の代で造っていきたい」と語る。

丘があり森がある広大な敷地では、同じ品種でもぶどうの風味はさまざまになる。

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年5月15日 発売

最新号のDIMEは年間300万円節約するサブスク活用術!特別付録は「デジタルポケットスケール」!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。