
ITジャーナリスト富永彩乃と、携帯電話研究家の山根康宏"博士"がモバイルの最新製品をビデオで解説。今回はディスプレイを折りたためる「フォルダブルディスプレイ」を採用した「Galaxy Fold」を紹介する。
◆日本でも発売!ディスプレイが折りたためる「Galaxy Fold」を動画でチェック
「スマートフォンの画面はちょっと狭い」「タブレットは持ち運ぶには大きすぎる」そう考えている人のために生まれた端末がサムスンの「Galaxy Fold」だ。まるで紙のようにディスプレイを折りたためる夢のようなスマートフォンがついに日本でも発売になった。KDDIから「Galaxy Fold SCV44」のモデル名で10月25日から販売が始まっている。
Galaxy Foldは閉じた状態で4.6インチのスマートフォンとして使える。本体サイズは160.9 x 62.9 x 15.5 ミリと横幅が狭く、片手でも楽に持てる大きさだ。最近のスマートフォンは大型化が進んでいるだけに、Galaxy Foldの閉じたときの大きさは心地よさも感じられるほどだ。指紋認証センサーは本体の横についており、握った状態で指先をタッチしてロック解除させることもできる。
このGalaxy Foldを開くと7.3インチの大きい画面が現れる。上下左右のベゼルの幅も狭いので、同じクラスのタブレットと比較しても画面占有率は高い。Galaxy Foldを開くとタブレットとになる、というより画面そのものを持ち運んでいるような感覚を覚えるだろう。画面を開くと中央のヒンジ部分には縦にうっすらと折り目が見えるが、使ってみるとあまり気にはならない。メーカーによると折り曲げの耐久性は20万回あるとのことだ。
開いた時もカメラを使って自撮りができるように、内側にもカメラが搭載されている。ちなみにGalaxy Foldのカメラは合計6個も搭載されているのだ。内訳は外側が1200万画素+1200万画素+1600万画素、内側が800万画素+1000万画素+1200万画素。閉じても開いても美しい写真が撮れるのである。
複数のアプリを同時に起動できる
また開いた7.3インチの大画面を生かせるように、最大3つのアプリを同時に表示することもできる。画面を横に2分割して2つのアプリを表示できるだけではなく、さらに右側を上下に2分割して合計3つのアプリを同時に使うこともできるのだ。なお複数アプリを起動中に画面を閉じると、一番左に表示されていたアプリが外側のディスプレイに表示される。
閉じた状態の裏面側はワイヤレスパワーシェア機能を搭載。ワイヤレス充電に対応した製品を乗せるだけで充電できる。Galaxy FoldにはコンパクトなBluetoothヘッドフォン「Gear Buds」が付属するが、ケースがワイヤレス充電に対応しているのでGalaxy Foldを裏返して机の上におき、その上にケースごとGalaxy Budsを置けば充電できるのである。もちろんスマートフォンの充電も可能で、ワイヤレス充電対応のiPhoneも充電できてしまう。
折りたたみ式の構造のため、本体を保護するケースは海外でもあまり出回っていない。そのため普段の持ち運びが心配になるが、Galaxy Foldはあらかじめ純正のケースが付属しているのでそれを装着すれば問題ない。ケースは両面テープがついておりしっかり貼り付ければ万が一落としてしまった時でも被害は最小限に抑えられるだろう。できればケースにバリエーションがあればうれしいので、サムスンやサードパーティーメーカーにはがんばって様々な種類のものを出してほしいものだ。
スマートフォンとタブレットのどちらにもなるGalaxy Foldは今までには無かった製品だ。利便性は高いがその分価格もかなり高い。KDDIからの販売価格は約24万円で、もはやスマートフォンの値段とは思えない高さだ。おいそれと気軽に買える値段ではないものの、思い切って買ってみればスマートフォンの新しい可能性に気が付くことは間違いないだろう。購入するしないにかかわらず、ぜひお店で実機を触って未来を感じてほしい。
ITジャーナリスト富永彩乃 WEBサイト http://ayanotominaga.com
携帯電話研究家山根康宏WEBサイト http://www.hkyamane.com/