
喪中の間は祝賀会のようなめでたい行事を避ける慣習があるため、親しい人に『喪中はがき』を出して年始を祝えないことをお知らせします。喪中はがきを書くときに押さえておきたいポイントや、喪中に年賀状をもらったときの対処法をチェックしましょう。
なぜ喪中に年賀状を出してはいけないの?
喪中は家族が亡くなって、喪に服す期間中のことを指します。喪中期間中に注意すべきことをまとめました。
祝い事を控える習慣がある
喪中に年賀状を出さない理由を知るには、年賀状を出す目的について理解を深めることが大切です。
年賀状は『知人やお世話になった人に出す新年の挨拶状』で、これまでの関係に感謝しこれからも関係を続けていくことを目的に出します。
年賀状はたいていの場合、新年を祝う言葉とセットで出すものです。
喪中は『家族を失った悲しみを癒やすための期間』にあたるため、祝い事は控えられています。近い関係の人を失ったときは、お祝いの言葉が必要な年賀状を出したり受け取ったりしないのが一般的です。
代わりに喪中はがきを出すのが一般的
家族を失ったときは、年賀状を出さない代わりに喪中はがきを出します。喪中はがきは新年を祝福するために出すのではなく、新年の挨拶ができないことを詫びるためのものです。
年賀状を出さないことは簡単ですが、受け取らないようにするには喪中であることをあらかじめ周囲に知らせなければなりません。葬儀から時間がたっている場合、うっかり忘れて年賀状を出してしまうこともあると考えられます。
もし、家族葬や小規模な葬儀をした場合、すべての知り合いを招けないでしょう。亡くなったことを知らずに年賀状を出す人がいても仕方ありません。
年賀状の欠礼の挨拶とともに故人が亡くなったことを知らせる手段の一つとして、1950年代後半頃から、一般の家庭でもなじみのある存在となっています。
誰に?いつまで?喪中はがきのマナー
親戚がたくさんいる人や積極的な親戚付き合いをしている人の場合『亡くなった人との間柄』によって、喪中はがきを出すべきかどうかが決まります。
いつまでに、どの程度の範囲まで喪中はがきを出せばよいのでしょうか。
出す親族の範囲はどこまで?
一般的には『二親等まで』の近い関係性の身内が亡くなった場合に、喪中はがきを出します。二親等は近い血縁者のことです。
会社の忌引休暇でも二親等までと決められていることが多いでしょう。具体的には、祖父母・両親・兄弟姉妹・子供・孫が二親等に該当します。
家系図を見るとよくわかりますが、本人を基準にして二つまで上がったり下ったりできる『直系』の家族と覚えておきましょう。
両親の兄弟姉妹は直系ではなく『傍系(ぼうけい)』にあたります。たとえ日頃から親しい関係だったとしても、叔父・叔母・従姉などが亡くなった場合は喪中はがきを出す必要はないという考え方です。
送る相手は故人との関係性を見て臨機応変に
例年新年の挨拶を交わす関係で、年賀状がくることを予測できる人に喪中はがきを出します。親戚だけでなく故人と特に親しかった人にも、知らせておきましょう。
例えば、故人が闘病中に見舞いにきてくれた人や、仕事関係でお世話になった人などの顔を思い浮かべると、知らせたほうがよい人のイメージが湧きます。
内容は亡くなった日時と年齢、生前の付き合いに対する感謝に留めて、近況報告は別の機会に送るようにしましょう。
失礼にならない投函時期
喪中はがきを送る場合、クリスマス頃になってしまうと年賀状の準備をすっかり終えている可能性があります。
年賀状の投函受付を開始するのは例年『12月15日』頃です。逆算して喪中はがきを出せば、すでに用意した年賀状が無駄になることはありません。
できれば年賀状の準備を始める『12月の最初の週まで』に出しましょう。後回しにしていると年末の忙しさに紛れて、喪中はがきの手配を忘れてしまう可能性があります。
四十九日が過ぎてひと段落したら、あらかじめスケジュールを立てておくようにするとよいでしょう。
書き方とポイント
喪中はがきに書くべき要素は『年賀状の辞退』『故人の名前』『命日』『享年』『締めの挨拶』などがあります。例えば、下記のような書き方をするとよいでしょう。
『喪中につき年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
〇年〇月〇日 故人(名前)が〇〇歳で永眠いたしました
これまで賜りましたご厚情に対し故人に代わって深くお礼申し上げます
寒冷の候 皆様のご清祥をお祈り申し上げます』
喪中はがきは、あくまでもお知らせです。通常の手紙のような『拝啓』『敬具』は必要ありません。
喪中なのに年賀状が届いてしまったら?
タイミング悪く喪中はがきの配達が間に合わなかった場合や、相手が喪中はがきをもらったことを忘れて出してしまう場合もあります。喪中に年賀状が届いたときの対処法をチェックしましょう。
寒中見舞いで返事を出す
年賀状を出していない人から年始の挨拶状が届いた場合、返事を出すことが礼儀ですが『身内が亡くなってから1年間』は、平常時のように返事は返せません。
喪中に年賀状が届いたときは『寒中見舞い』として年賀状の返事を出す方法があります。
寒中見舞いは年賀状とは意味合いが異なる挨拶状であり、寒さが厳しいときに相手の体調を気遣って出すもので祝い事にはあたりません。
寒中見舞いを出す時期
寒中見舞いは『1月5日~2月4日』頃までに出す挨拶状です。旧暦では節分の日にあたる『立春』の日を境に季節が変わると考えられています。
寒中見舞いを出せるのは、立春の日までだと覚えておきましょう。
関東では1月7日以降・関西では1月15日以降の『松の内』が明けた頃に、寒中見舞いとして年賀状の返事を出すことがおすすめです。
寒中見舞いを出すときは、年賀状のお礼と喪中であることを書くとよいでしょう。以下が例文です。
『心のこもった年賀状をいただき、誠にありがとうございます。
喪中につき新年のご挨拶を失礼しましたこと、お詫び申し上げます。
寒さが一層厳しい季節、ご自愛くださいませ。
本年も何卒よろしくお願いいたします』
文/編集部
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