
自宅のPCでゲームを楽しむ人は数多くいます。そして、これから本格的にゲームを始めようという人にとって、PC選びに頭を悩ませている人もいるのではないでしょうか。初心者がゲーミングPCを選ぶ際の基本から注意点までをまとめました。
ゲーミングPCとは?
ゲーム業界では常に最新のゲームが登場し、その内容は日々精密かつ高度になっています。ゲームの内容の進歩につれて、当然、PCのスペックもより高いレベルのものが求められます。
『ゲーミングPC』という言葉を耳にしたことがあるでしょう。文字通り、ゲーム用のPCと解釈して間違いありません。
では、なぜ普通のPCと区別して、わざざわゲーミングPCと呼んでいるのでしょうか。
普通のPCとの違い
PCゲームの進歩は早く、映像の美しさは新作ごとに目を見張るものがあります。ゲーミングPCには、その映像をより快適に楽しめるように、高性能のグラフィックボードや高速処理が可能なCPUを搭載している必要があります。
普通のPCとの第一の違いは、この点にあります。グラフィックボードとは、映像を処理し、ディスプレイに映し出す働きのパーツです。ビデオカード、グラフィックカードとも呼ばれます。
第二の違いとして、パソコン内の冷却機能の精度が挙げられます。ゲーミングPCでは、美麗なグラフィックをなめらかに動かすため、演算処理が複雑化し、より高い冷却機能が要求されているのです。
実写映像と見紛うばかりの3Dグラフィックスを駆使するには、PCの性能をフルに活用する必要があります。また、プレーが長時間にわたる可能性にも備えなければなりません。
当然、各パーツから発生する熱量も高く、適切に冷ますためには高い冷却機能を持つ必要があるのです。
ゲーミングPCで重要なパーツ
グラフィックボードや冷却クーラーだけが、ゲーミングPCに必要なパーツではありません。その他にも、重視されるものがいくつかあります。
特に重要とされるパーツは、『メモリ』や『CPU』でしょう。グラフィックボードと合わせた3点のいずれもが、一定以上の性能を有していることが大切です。
最新のゲームになればなるほど、情報処理にかかる負担は大きくなります。そのため、総合的に高い性能が求められるのです。
ゲーミングPCの選び方
ゲーミングPCには、CPU・メモリ・グラフィックボードの3点を特に重視する必要があります。加えて、冷却機能にも十分な性能が求められるのです。
とはいえ、何をもって十分なクオリティーとされるのでしょうか。選ぶべきパーツについて解説します。
CPUとメモリ
CPUについて、まず『Intel』から説明します。同社のCore iシリーズは、高性能なCPUとして定評があります。i5・i7・i9と数字が大きくなるに連れスペックが上がり、ゲーム用としてはi5以上がおすすめです。
『AMD』のRyzenシリーズも良いでしょう。IntelのCore iシリーズよりも安く、品質も申し分ないCPUです。ただし、ノートのゲーミングPCではあまりラインナップが多くありません。
CPUと共に、複数の処理を同時にさせる場合、メモリの容量も動作に大きく影響します。ゲームでは、実況しながらの録画や、あるいはチャットをしながらのプレーなども行われます。
その場合、小さな容量のメモリでは、動作の遅れや、場合によっては停止することもあります。そのため、極力大きい容量のメモリを搭載することが求められます。
グラフィックボード
ゲームでは、映像のカクカクした動きやタイムラグのない快適なプレーをしたいものです。特に、美しい映像がセールスポイントのゲームはなおさらでしょう。
GPUと呼ばれるチップを搭載し、映像処理を担うパーツがグラフィックボードです。GPUのクオリティーが、その性能を左右するともいえます。
GPUには、主に『NVIDIA』と『AMD』という二つのメーカーがあります。NVIDIAの主力商品はGeForceシリーズの『RTX』『GTX』です。細かい描写に優れ、高い安定性を備えています。
一方、AMDでは『Radeon』というシリーズが人気です。解像度が高く、スムーズな映像を実現します。
ストレージと冷却機能
画像や写真といった、ゲームに重要なデータを保管する役割を担うパーツがストレージです。これも、ゲームを快適にプレーするには欠かせません。
ストレージには『SSD』と『HDD』の2種類があります。ゲーミングPCには、読み込み速度の速いSSD搭載モデルを選ぶとよいでしょう。データのローディングが早く、タイムラグの少ない快適なプレーが可能です。
高い処理能力をフル稼働させ、かつ長時間プレーするとなると、各パーツに負担がかかり、高熱を帯びてきます。故障やトラブル防止のため、冷却性能には十分に配慮しましょう。
冷却ファンが、複数搭載されているかなどは大切なポイントです。軽視せずにしっかり調べましょう。
知っておきたいポイント
稼働に負担の大きいゲーミングPCについて、重要なパーツや選ぶ基準などを見てきました。その他にも知っておきたいポイントをまとめました。
中古を選ぶ場合の注意点
中古でゲーミングPCの購入を検討している人もいるでしょう。その場合、以下について注意する必要があります。
最も重要な点は、PCの画面をモニターに表示するためのグラフィックカードを装備しているかどうかです。グラフィック機能内蔵型のCPUを搭載し、グラフィックカードを装備していない場合もあります。
CPUに内蔵されている機能は、あくまでも簡易版ととらえるべきです。3D表示などでは、グラフィックカードなしに美しい映像は楽しめません。
予算内で自作するには
コストを押さえてゲーミングPCを手に入れるには、自作することも一つの手段です。設定した予算内でPCを自作するには、各アイテムを低価格で入手することが大切です。
ただし、その場合でも、プレーするゲームのシステムにおいて最小要件を満たす必要があります。そこを軽視すると、プレーがままならなくなってしまうからです。
特にハードウェアは、高度なゲームでも快適にプレーするために大きく影響します。それゆえ、ただ低価格というだけでなく、その性能がプレーするゲームの要件に見合っているかをきちんと確認しましょう。
加えて、ゲームのシステム要件を増大させていけるよう考慮しておくことも重要です。始めは安くすんだとしても、新しいゲームに合わせてコンポーネントをアップグレードする費用の浪費につながる可能性があるからです。
ゲーミングPCを自作する上で必要なアイテムは、次の通りです。
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ハードウェアマザーボード
- プロセッサ(CPU)
- メモリ(RAM)
- ストレージ(ドライブ)
- ビデオカード/グラフィックスカード/グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)
- ケース
- ケースファン
- 電源装置
- ソフトウェア
- オペレーティングシステム(OS)
- 周辺機器
- モニター
- ゲーミングキーボード
- ゲーミングマウス
- ゲーミングヘッドセット
文/編集部