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今年の上半期、世界のフィンテック企業への投資額が大幅に減少した理由

2019.10.24

突然だが、「フィンテック」とは何かご存じだろうか?

フィンテックとは、Finance(金融)とTechnology(技術)を掛け合わせた言葉であり、ファイナンス・テクノロジーの略語。

そして、金融サービスと情報技術を組み合わせ、様々なソリューションを提供する会社をフィンテック企業と呼ぶが、このほど、アクセンチュアの最新調査によって、グローバルにおけるフィンテック投資が減少傾向にあることが明らかになった。

グローバルの投資総額は29%減となったものの、米国、英国では大幅に上昇

アクセンチュアの最新調査によると、グローバルにおける2019年上半期のフィンテックベンチャー企業への投資額は大幅に減少した。

これは、前年同期に一気に拡大した中国における資金調達や投資活動が急速に減少していることに起因。一方で、米国や英国、欧州の国々では投資活動が堅調に拡大している。

2019年1月1日から6月30日までの6カ月間のグローバルにおけるフィンテック投資総額は220億ドルとなり、前年同期の312億ドルに比べて29%減と大幅に減少した。

これは2018年5月に過去最高額となる140億ドルもの資金を調達したAnt Financialのような大型案件が見られなかったことによるもので、この案件を除くと、2019年上半期の投資総額は昨年同期比28%増となる。

米国における2019年上半期の投資額は、前年同期比60%増の127億ドルに達した。

案件数は2018年の563件とほぼ同じ564件であったことから、世界で最も活況を呈するフィンテック市場を有する米国では、案件が大型化している傾向にあると言える。

投資総額のうち、融資業務を手掛けるスタートアップ企業に対する投資が29%と最も多く、次いで決済の25%となっている。

最大の案件は、消費者金融を手掛ける「Figure Technologies」が5月にクレジットライン(信用供与枠)により調達した10億ドルだった。

2019年上半期の英国では、引き続きチャレンジャーバンクや決済を手掛ける企業が投資家の関心を集め、フィンテックの投資額は約26億ドルと前年同期から2倍近く増加して、投資案件数も25%増の263件となった。

チャレンジャーバンク「Monzo」は6月に1億4,400万ドル、「Starling Bank」は2月に2件の異なる案件で2億1,100万ドル、送金サービスを手掛けるスタートアップ企業「TransferWise」は5月に2億9,200万ドル、「ワールドレミット(WorldRemit)」は6月に1億7,500万ドルを調達した。

アクセンチュア金融サービス本部のシニア マネジング・ディレクターを務めるジュリアン・スカン(Julian Skan)は次のように述べている。

「英国を筆頭に、欧州では新たなサービスの提案を行うフィンテック企業に対する関心や需要が高まっており、大幅な投資増につながっています。

資金調達においても、チャレンジャーバンクの規模拡大やフィンテック間連携の支援に移行しつつあります。投資家は持続的な利益にもとづいてリターンを求める投資サイクルが終わりつつある中、この傾向は断続的な投資の増加につながるでしょう。

しかし問題は、そうした傾向がどれだけ続くのかという点です。投資は間もなく停滞期に入ると見られ、その後は落ち込んでいくことが予想されます」

ドイツ、スウェーデン、フランスでも投資活動が堅調に拡大

欧州のほかの市場でも投資は大きく伸びている。ドイツではチャンレンジャーバンク「N26」が1月に3億ドル、インシュテックの「wefox Group」が3月に1億2,500万ドルの資金を調達したことにけん引され、2019年上半期のフィンテック投資額は前年の4億600万ドルから2倍以上拡大し、8億2,900万ドルに達した。

さらに、スウェーデンでは前年同期の4倍以上となる5億7,300万ドル、フランスでは48%増の4億2,300万ドルとなっている。

2019年上半期はアジア太平洋地域でもフィンテック投資が大幅に伸びており、シンガポールの投資総額は前年同期から4倍近く増加して4億5,300万ドル、オーストラリアでも3倍以上増加して4億100万ドルとなっている。

フィンテック投資総額のうち、決済を手掛けるスタートアップ企業に対する投資が28%、融資が25%と大きな割合を占めており、インシュテック企業は14%を占めている。

2019年上半期のフィンテック投資案件数は1,561件で前年同期比2%増となっているものの、市場における投資活動には差異が見受けられる。

案件数は、英国で大幅に増加している一方、米国では横ばい、中国では49%減、インドでは21%減と大幅に落ち込んでいる。

しかし、こうした落ち込みはアジアをはじめとするほかの地域での伸びによって相殺されている。

アジアではシンガポールが55%増、日本が33%増となっているほか、欧州ではスウェーデンで前年同期から案件数が2倍近く増加して40件となり、ドイツでも27%増の56件となっている。

アクセンチュアのシニア マネジング・ディレクターでアジア太平洋およびアフリカ地域の金融サービス部門を統括するピユッシュ・シン(Piyush Singh)は次のように述べている。

「多くの市場で投資活動が拡大していることは、多くの投資家がフィンテック市場をより高いレベルで信頼してきていることを示しています。

投資先のスタートアップ企業や彼らが提供するソリューションは成熟しつつあります。

これは、こうしたフィンテック企業と連携する既存の金融機関や金融サービス業界全体のイノベーションにとっても、良い兆候だと言えるでしょう」

<調査方法>
本調査は、グローバルでベンチャー企業の財務データ収集・分析業務を行う調査会社「CB Insights」が提供するフィンテック投資データに基づいてアクセンチュアが分析を加えたもの。

分析の対象には、ベンチャーキャピタルおよび未上場企業、株式会社および企業のベンチャーキャピタル部門、ヘッジファンド、アクセラレーター、政府系ファンドなどにおける国際的な投資活動が含まれている。また対象となるデータは2010年から2019年上半期までのもので、エクイティおよび非エクイティの融資が含まれる。さらに本レポートでは、フィンテック企業を、銀行業務やコーポレートファイナンス、キャピタルマーケット、財務データ分析、保険、決済や個人向けの財務管理などに関して様々なテクノロジーを提供する企業と定義している。

出典元:アクセンチュア株式会社

構成/こじへい

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