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格差をも飛び越える若者のエネルギーは必見!スラム街生まれの青年がラップでデビューするインドの実話映画「ガリーボーイ」

2019.10.18

アカデミー賞にインド代表で出品される「ガリーボーイ」は、スラム出身の若者の半生を描く

「近頃の若者は・・・」というフレーズは誰もが耳にしたことがあり、大人になったら自分が口にしているかもしれない。しかし、自由な発想で行動して、世の中をハッとさせるのも若者だ。例えば、大西洋をヨットで横断して国連で地球の温暖化に警鐘を鳴らすスウェーデンの若者がいる。世界中からこぞってデザイナーがやってきてウラハラ(原宿の裏通り)を歩く若者からインスピレーションを得るのは、約20年前のストリートファッションのはしりだ。

日本で10月18日に封切りのインド映画『ガリーボーイ』(裏路地の少年)は、大都市ムンバイにある貧困地区スラムに生まれ育った青年がラッパーとしてデビューしていく実話をもとにしている。私的なストーリーだが、今年2月に公開されたインドでは「どのような立場にある若者でも、男女問わず共感できる映画」として大人気だ。2020年2月に授賞式が行われる第92回アカデミー賞🄬の国際長編映画部門(旧外国語映画賞)にインドからのエントリー作品として選ばれた。日本からは『天気の子』が同部門にエントリーされ、偶然にもこの2つの映画はイマドキの若者が主人公だ。

13億を超えるインドの総人口の半分以上は24歳以下だ*。14億人強の人口だが一人っ子政策で出生率が下がり、高齢化へ向かう中国とは対照的だ。また人口は約10分の1で高齢化社会の日本とは、若者の人数では格段の違いがある。沸き立つインド社会の多くを占めるこの若者たちがどんな気持ちで、どこに向かっていくのか。

直接お目にかかって取材したゾーヤー・アクタル監督の話も含めて、インドの若者を描いた本作を紹介する。

主人公のムラド(ランヴィール・シン)
*World Economic Forumより

監督について、そして彼女が映画化を決めたきっかけとは

ゾーヤー・アクタル監督は、著名な詩人の父親と脚本家の母親の元に生まれ、国内外で高等教育を受ける恵まれた環境で育った。監督、俳優、プロデューサーの弟共々、映画界で着実に成功を重ねてきた。彼女の名は『人生は一度だけ』(2011年、日本未公開)で多くのインド人に知られることとなった。舞台となったスペインにインド人観光客が押し寄せる現象が起きた、ヒット作だ。

この映画もそうだが、経済的な「格差」を不都合としない富裕層のライフスタイルを映画化することが多かった。しかし今回は、全く異なる立場の人物が主人公なのには訳がある。

きっかけは、ミュージックビデオに感銘してそのミュージシャン、Neazy (ネィズィー) のライブ会場に出向いたことだ。彼はスラム出身でラッパーとして活躍していた。監督はそこで「エネルギー、熱気、雰囲気が素晴らしくてただただ感動し、この場所には何か物語が存在していると感じた」という。その後、彼や仲間のラッパーと何度も会い「ラップを通じて、苦しい生活や絶え間ない暴力といった自分の実体験を語っていることに感銘を受けた」。さらに彼らの友人、恋人や家族とも時間を共にして汲みとった「情熱的でリアルな物語」を映画化するに至った。

ムラドと恋人のサフィナ(アーリア・バット)

インドの現実から目をそむけない、リアルなストーリー

ムンバイの空港近くにあるダラヴィ地区は、インド最大のスラムだ。ここが本作の舞台であり、敷地内に路地10本と小屋50軒が作り込まれて撮影が行われた場所でもある。

*ダラヴィは2.5k㎡に100万人が住んでいるとも言われている(2007年5月ナショナルジオグラフィックより。写真はムンバイにて筆者撮影のダラヴィの一部)

映画のストーリーはこうだ。雇われ運転手の父を持つムラドは、今の暮らしから抜け出して成功させたいと親から期待を受け、大学に通わせてもらっていた。父が若い第二夫人を迎えてから、家族がぎくしゃくし始める。昔からの友人はムラドに車の窃盗を手伝わせたり、麻薬取引をして子供たちにも運び屋をやらせたりしていた。しかし、日々を生きるための友人の悪事を止める術がない。恋人がいるが、インドでは一般的なように親には交際を隠さざるを得ない。

ある日、ムラドは大学のキャンパスでMCシェールというラッパーのライブを見て強烈なリズムと言葉に魅せられる。一方で怪我をした父親の代理で裕福な一家の専属運転手として働くことになり、現実社会の格差も思い知らされた。そんなつのる鬱屈をラップにのせて歌う事になり、MCシェールの助けを借りてラッパーとして成長していく。ついに著名なアメリカのラッパーNAS(ナズ)の前座をめざしてフリースタイルラップのコンテストに出場することを決め・・・

コンテストで歌うムラド


「ガリーボーイ」公式トレーラービデオを観て、映画の一端に触れてみたい。

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