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れいわ旋風を巻き起こした山本太郎の共感を集めて拡大する力

2019.10.19

「山本太郎、大っ嫌い」という人の力も借りなければ世の中は変えられない

■資料を読むのが苦手だった山本太郎の勉強法

 山本氏の初当選は2013年7月。当時は原発問題以外のテーマ、例えば、税制や労働問題などの知識は不十分だったという。それをどのように補ってきたのだろうか。

「あまり文字を読んでこなかった人生で。台本ぐらいしか。文字の処理能力が異様に遅い(笑)。でも、苦手なことに時間を使っている余裕はありませんでした」

 と振り返る山本氏の勉強は、イチからレクチャーしてくれる人を探すことから始まる。難しいのは人選だ。誰の本を読み、誰の説を採るのか。山本氏はちょっとでも方向性が重なる人を見つけてはアポを取り、レクチャーを求めてきた。

「国会の質問を作る時は、文字を読むのが得意な秘書が、膨大な資料から私が求めるエッセンスを抽出し、それを私に読んで聞かせます。私はそれを聞きまくって質問を考え、台本に仕立てます。はじめはパソコンも使わず、1枚の紙を何枚もつなぎ合わせて巻物みたいにして切った貼ったしてました(笑)」

 今も山本氏は様々な専門家に積極的に話を聞きに行く。そのネットワークがあればこそ、れいわ新選組の立ち上げ直後で9人もの候補を擁立できたのである。

1㎜でも同意できる部分があるならお願いできる

“れいわ旋風”後はマスメディアも山本氏を取り上げ、反論も大いに湧いた。消費税ゼロなど耳ざわりのいいことばかり言う「左派ポピュリズム」ではないかと。

 これに対して、山本氏はある番組で「人々を救うことがポピュリズムと言われるなら、私はポピュリストでかまわない」と答えている。アンチも否定しない。

「目的は世の中を変えることですから、ひとりでも多くの人の力が必要です。“山本太郎、大っ嫌い!”という人たちの力も借りなければ、世の中、変えられない。100も200もある政策の中でひとつでもいい、1㎜でもいい、同意できる部分がもしあるとしたら、その1点でもいいから力を貸してくださいとお願いする」

 消費税廃止を公約の第一に挙げるれいわ新選組だが、山本氏は9月に入って、「まずは消費税5%へ減税」を掲げて野党共闘を呼びかけた。これに最初に応えたのは日本共産党だ。

「考え方が違う、相容れない部分はあるかもしれない。でも、それ以外で落としどころがあるならば、それを見つけるのが私たちの仕事」

 れいわ新選組と日本共産党。支持率を合わせても3%にすぎない(時事世論調査9月版)。だが彼が注目しているのは、今や5割を超える無党派層だ。

「変えられますよ。だってこの前の参院選にも50%の人が投票していない。全員が1票を持っているんです。宝の山ですよ。この50%の人たちが手を組んだら全然違う世界になる」

 最近まで、山本氏には住む家がなかった。この夏、落選して議員宿舎を出たあと、「無職だから」と賃貸を断られつづけたのだ。人はいつ無職になるかわからない。たとえそうになっても住む家はあってほしい。山本氏は今、「住まいは権利」を重要政策に掲げている。

 9月後半から山本氏は街頭演説の全国ツアーを開始した。スタートは北海道。10月半ばから九州をツアー中だ。各地でボランティアを募って、街宣やポスター貼りを行っている。集まった人たちと1対1の質疑応答をする時間も長い。自説の根拠となるデータを示しながら山本氏は説明する。こうした活動が地方各地で話題と共感を呼び、拡がっていくのかもしれない。

「日本では年1億円稼ぐ人の税負担率が一番重い。年収100億円の人の税率が年収2000万円の人と同じくらいなんておかしいでしょって話です」

2011・3・11以降の山本太郎年表〜芸能人から党代表になるまで〜

2011年4月10日 反原発デモ(東京・高円寺)に参加。これ以降、「反原発」「脱原発」のイベントや署名活動に参加。
   5月27日 所属芸能事務所を辞める。
2012年12月 政治団体「新党 今はひとり」を立ち上げる。「被曝させない」「飢えさせない」「TPP反対」を掲げ、衆院選に東京8区から出馬、次点で落選。
2013年7月21日 参院選に東京都選挙区から無所属で出馬。当選。
2014年12月 生活の党と合流し、「生活の党と山本太郎となかまたち」を結成。
2015年7月〜9月 安全保障関連法案について徹底抗戦。採決時に「ひとり牛歩」を行なう。
2015年12月 各地で野外の炊き出しに参加。以降、毎年参加。
2016年10月 政党名を「自由党」に改称。共同代表に。
2019年4月 「れいわ新選組」を設立。代表になる。
2019年7月21日 参院選比例区で約99万票を集めるが落選(特定枠の2名が当選)。得票率が2%を超え政党として認められ、党代表に。

山本太郎の政策〜政権とったらすぐやります!〜

●消費税は廃止
●安い家賃の住まい(公的住宅の拡充)
●奨学金をチャラ
●全国一律の最低賃金1500円を政府が補償
●公務員を増やします(保育、介護、障害者介助、事故原発作業員などを公務員化)
●一次産業個別所得補償
●お金配ります〜デフレ脱却給付金・デフレ時のみ時期をみて〜
●財源は新規国債の発行(デフレ期の財政金融政策として)
●真の独立国家を目指します〜地位協定の改定を〜
 (沖縄・辺野古基地建設は中止。普天間即時運用停止を含む)
●「トンデモ法」一括見直し、廃止(TPP協定、PFI法、水道法、カジノ法、漁業法、
 入管法、種子法、特定秘密保護法ほか)
※れいわ新撰組HPより一部抜粋

取材・文/佐藤恵菜 撮影/横山 快 写真/朝日新聞社、れいわ新選組

※本記事は「DIME」12月号に掲載されたものを転載しています。

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