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フィンテックの権威SBIとヤフーを子会社に持つZホールディングスが業務提携を決断した理由

2019.10.14

 フィンテックの権威SBIとインターネットビジネスの権威ヤフーが業務提携を発表した目的はいかに。

 銀行、証券、FX取引などのビジネスで名高いSBIホールディングスと、インターネット広告事業の巨塔ヤフーを子会社に持つZホールディングスは、10月10日に提携を発表した。資本提携ではなく戦略的に事業を共に行う事業提携の発表だ。

 SBIホールディングスはインターネットメディアに強味を持つZホールディングスを新たな顧客獲得源にし、ZホールディングスはSBIホールディングスが持つ金融基盤を通じて、金融事業分野での収益を拡大したい考えだ。

Zホールディングスは10月1日に発足した会社で、ヤフーなどの企業を子会社に抱えるグループ企業。同日にはZホールディングスの子会社で金融事業の子会社を束ねるZフィナンシャルも発足している。
参考:Zホールディングス

参考:SBIホールディングス
参考:SBIグループとZホールディングスグループによる金融サービス事業における業務提携に関するお知らせ

提携の骨子はヤフーファイナンスからSBI証券への送客が主

 業務提携の内容は、証券事業、銀行事業、FX事業の3項目。利用者数を考えるとヤフーファイナンスとSBI証券との連携が事業提携の骨子だろう。以下に詳しく解説する。

(1)証券事業:ヤフーファイナンスとSBI証券との密な連携。SBI証券への口座開設やSBI証券で保有する資産残高の連携表示など

 ヤフーファイナンスは月間1,500万のユーザーが利用する金融情報ツール。このウェブサイトやスマホアプリからSBI証券の口座開設を行ったり、株価情報ページからSBI証券の注文画面に直接遷移させたりなど連携。SBI証券に残高を持つ顧客がヤフーファイナンス上に資産残高を表示させて利便性を向上する連携を行う。SBI証券は482万口座があり、インターネット専業の証券会社では最大手。

ヤフーファイナンスでは株価情報などが手に入る金融情報ツール。情報が手に入るだけで実際に注文したりなどの取引はできない。
参考:ヤフーファイナンス

オンライン専業のSBI証券では株、投資信託、債券、FXなどの金融取引ができる。
参考:SBI証券

(2)銀行事業:住信SBIネット銀行が取り扱う住宅ローン「フラット35」をジャパンネット銀行で販売する

 金融庁などの監督官庁の許認可が前提となる。住信SBIネット銀行で取り扱っているフラット35という住宅ローンを、ジャパンネット銀行で販売する。ジャパンネット銀行はZホールディングス傘下の金融機関で三井住友銀行も出資しているオンライン専業銀行。ジャパンネット銀行が新たにフラット35を新規で取り扱いを始めるより速く、フラット35の提供ができるメリットがある。

フラット35は、住宅金融支援機構という国の機関と民間の金融機関が提供している住宅ローン商品。最長35年間のローンが固定金利で組める住信SBIネット銀行では取り扱いがあるがジャパンネット銀行では取り扱いがない。
参考:フラット35/住信SBIネット銀行

(3)FX事業:Zホールディングス子会社のFX会社ワイジェイFXが、カバー取引先にSBIホールディングス子会社のSBIリクイディティ・マーケットを追加する

 顧客から受けたFX注文の利ザヤを抜いたりリスクを分散したりするために、FX取引業者が行う他の金融機関への注文のことをカバー取引という。FX取引業者は複数のカバー取引先を持っている。ワイジェイFXはこの取引先にSBIリクイディティ・マーケットを追加し、カバー取引のさらなる安定化を行う。加えてデータ分析のノウハウを相互で共有することで取引の最適化を行う。

ワイジェイFXはFX取引高で業界3位に位置する大手FX会社
参考:ワイジェイFX

 インターネット黎明期から利用者数を積み上げてきた基盤があるZホールディングスが、金融事業で提携を発表したことはメディア機能を主に持つヤフーが金融事業で伸び悩んでいることを示唆しているかもしれない。

 Zホールディングスのグループで決済サービスを提供するPayPayでは利用者数が伸びる一方、300億円以上の赤字を計上している。そんな赤字を金融事業で埋めるための施策としての印象が強い。

文/久我吉史

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