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東京オリンピックは「昆虫食」でおもてなしする仰天プラン

2019.10.10

いよいよ来年は、東京オリンピック開催。日頃よりスポーツ観戦の習慣もなく、サービス業や観光業ともとんとご縁がない私の耳にも、何かと話題が飛び込んできます。そんな状況で唯一気になっているのは、2013年に招致委員会がスピーチで語った「おもてなし」について。当時流行語とまでなった言葉が、どのような形で着地するのでしょうか。

滝川クリステルが、ジェスチャーとともに強調した「オ・モ・テ・ナ・シ」。言葉の意味だけ考えると、マニュアルで進める定型サービスではなく、個別のニーズに対応し求められる前に察してさりげなくお客様を満足させる……ということですよね。そうなればさまざまな国から訪れる人たちのニーズを、幅広く想定しておく必要があります。そこではもしかしたら「昆虫食」が、役立つのかも。あくまで愛好家の想像(というより妄想?)の範疇ですが、こんな活用法はいかがでしょう。

昆虫食deおもてなし案その1/アスリートへ「虫原料のプロテインバー」を提案

オリンピックには、世界各国のアスリートが大集結。観客側も、なんとなく体づくりの意識が高まりそうです。パフォーマンス向上のために、筋肉の材料となる「プロテイン(タンパク質)」を効率よく摂取することの重要性は今や常識。メジャーなプロテイン食品では牛乳や豆乳を脱脂してパウダー状に加工したものがありますが、昨今では昆虫を原料としたプロテインバーなども登場しています。虫は肉や魚類と比べてもタンパク質量がそん色なく、さらに筋肉に必要とされる必須アミノ酸9種やBCAAをバランスよく含むため、プロテインバーの材料としても適切なのです。これを、スポーツの祭典にスタンバイさせておかない手はないでしょう。

米国ではスポーツ選手やハリウッドセレブの間で、コオロギの粉末を使ったプロテインバーが人気という話もあります。競争の激しい世界を生き抜く彼らは、自分の体に合う栄養源を常に探しているでしょうから、その選択肢に虫が入ってくるのは当然です。そこで、今まで届いていなかった層のアスリートにも虫由来の栄養源をご提案したいところです。そして体質にマッチした人が、記録を伸ばし……とまで言ってしまうと、SFの世界でしょうか? いえいえ、その可能性は少なくないハズ。

実際の商品で、栄養価を見てみましょう。1本に25匹分のコオロギが使われているというエナジーバー「BugMO」は、1本にタンパク質5g、アジ5匹分のオメガ3が含まれます。一方、森永製菓の「inバープロテイン」をチェックしてみると、こちらは1本につきタンパク質量10g(原料は大豆タンパクや乳タンパク)。数字だけ見れば「おいおい、虫、負けてるじゃ~ん!」なんて一瞬思いますが、栄養の価値は数字だけに非ず。コオロギパウダーで腸内環境が改善されたなんてニュースもありますので、実際に食べてみることで予想外のいい手ごたえを得られるかもしれません。

※写真は、昆虫食ショップTAKEOで販売されていたカナダ産のプロテインバー「ジャングルバー」。粉末コオロギが10g資料されている。現在は販売終了。

昆虫食deおもてなし案その2・「エシカル」消費としての虫

東京都はオリンピックやパラリンピックをきっかけに、環境に配慮したクリーンエネルギーである「水素」利用を普及させる計画を打ち出しています。目的は、二酸化炭素(CO2)を排出しない「ゼロエミッション」実現。肉を食べるよりも環境に優しい! と盛んに謳われる昆虫食も、とりあえずここに乗っかっておきましょう。肉類(特に牛肉)1キロの生産とコオロギの場合を比べると、水の消費量やCO2の排出量が後者のほうが少量で済むというのは、2013年の国連の報告書発表以降、広く知られるようになった話ですから(※前記事のリンクを貼るなどは可能でしょうか?)。

昆虫が、捨てる場所なく全体を丸ごと食べられるという意の「ホールフード」であることも、PRポイントです。将来的には、フードロスを処理したコオロギを使うなどまで進化できればさらに理想的でしょう。観光客向けの食事に「環境に配慮した食材=昆虫」を積極的に取り入れ、「ゼロエミッションを食べて応援!」なる演出で盛り上げても。

昆虫食deおもてなし案その3・日本の郷土食として楽しんでもらう

世界中の人々が足を運ぶオリンピックは、日本文化を発信する絶好のチャンス。また発信する側だけでなく、多くの外国人の「日本らしいものに触れたい」というニーズは当然あるでしょう。しかし日本食の「寿司」や「天ぷら」はもう古い。ここはひとつ「虫の佃煮」といった、日本の中でもレアな郷土食を披露しようではありませんか。

稲作文化とともにあった「イナゴの佃煮」。古くは江戸時代に蒲焼の屋台が出されていたり、現在でも小学校行事としてイナゴ採りを行っている地域があります。日本の昆虫食は「佃煮」がメインであった過去もありますが、最近ではイナゴのふりかけなどの新商品も登場していますので、いろいろなメニューにアレンジ可能です。

地域が極端に限定されるものの、長野県伊那市の「ザザムシ」は、なんとスローフード認定されている昆虫食。ザザムシとは、天竜川上流域の清流に住むトビケラやカゲロウなど水生昆虫幼虫の総称です。昆虫食として珍しい点は、漁業として資源管理が行われていること。持続可能な昆虫食を目指すためにも、漁業管理と結びついたザザムシ文化を参考にしたルールづくりが必要になってくるでしょう。味わいも大変風流で、川の藻を食べることから、まるで海苔のような風味が漂います。

「ハチノコ(蜂の幼虫・サナギ)」は伝統食でありながら、現代のニーズに対応してブラッシュアップされている昆虫食。危害を与えかねない昆虫のため巣を撤去する駆除業者が存在しますが、最近では薬剤を使わず採取し、食用として転売した事例があるのです。現代に対応して生き残っていくという未來あるストーリも、味わい深さを広げてくれそうです。

虫が食材として世界的に広まり始めたと言えども、このあたりはしばらく昆虫食文化が途絶えていたヨーロッパ圏ではなかなかお目にかかれないメニューでしょう。逆に昆虫食文化を持つお国の人たちとは、「故郷の調理法」などで盛り上がるでしょう(昆虫食あるある)。

昆虫食deおもてなし案その4・宗教ルールを、虫でもチェック!

「栄養価が高い」「目新しい」「話題づくりに」「環境によさそう」。さまざまな理由でオリンピックに活用できそうな昆虫食ではありますが、宗教における「フードタブー」を頭に入れておくと、さらにベター。世界中から訪れる人たちの背景には、さまざまな信仰があるからです。

フードタブーにおいて虫がNGとされるのはまず、「菜食主義を行うインドの宗教」などが代表格(宗教的ヴィーガン)。ヒンドゥー教やジャイナ教といったインド発祥の宗教は、「殺生」を禁止しているため虫食も当然NGです。そのほか宗教とは別に、倫理・文化的な理由から動物性タンパク質を食べないほうがいいという思想を持つ人たちもまた同様です。しかし菜食の世界も日々変化しています。例えば菜食メインの地域であったインドのマジュリ島。過去に農作物に被害をもたらすコガネムシが大発生した際、行政と研究者が「食べて解決」キャンペーンを行い、昆虫食の普及へつながりました。ですから虫を殺虫剤で殺して植物を食べるのか、はたまたその昆虫そのものを食べるのか、どちらが倫理的なのかこれから議論が活発化しそうです。

ユダヤ教では唯一「バッタ」が食べられそうです。経典である『旧約聖書』に虫はNGという描写が出てきますが、例外として「地面をはねる肢をもっているもの」はOKとあるのです。それが影響してかどうかはわかりませんが、イスラエルにはユダヤ教・イスラム教で食用として許されるコーシャおよびハラル認定を受けているバッタ食品があるのだとか。

キリスト教の経典である『新約聖書』に食のタブーは登場しませんが、バッタを食糧とする描写が出てくるので、バッタ類が食材として認められているといっていいでしょう。仏教においては、修行中のお坊さん以外に禁止されている食べ物はありませんから、特に問題なさそうです。とは言っても同じ宗教の中であっても食のルールは人それぞれ。お互いの文化や考え方を尊重したいものです。虫を日常的に食べるアジア圏の人を、見世物扱いしない意識改革も、国際的なおもてなしの心構えとして必要でしょう。

昆虫食を取り入れるにあたって、根本的な問題点は、現状では他のタンパク源よりもコストがかかること。また、環境負荷については「食べればすぐ解決!」というものでもありませんので、来年の時点では「食べて将来へ投資する」というレベルにとどまりそう。しかし未来へつないでいく意識の高まる食べ物は、オリンピックにふさわしい! とは言えそうです。もちろん「味や見た目がいやだ」という人は、無理に食べる必要はありませんけど。

文/ムシモアゼルギリコ(フリーライター)

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