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会社で「ラインに乗る」ために最低限必要とされる力

2019.09.30

■連載/あるあるビジネス処方箋

 最近4回の記事で、中堅、大企業(特に金融、商社、鉄鋼、自動車、家電などのメーカー)で見られる「ライン」について、私の企業取材を通じて感じ取っている考えを紹介した。中堅、大企業に残る場合、ラインに乗らないと、様々な意味でハンディを負い、無念な思いをする機会が特に30代半ば以降、増えてくる。だからこそ、可能ならば、ラインに乗るべきと私は思う。転職をする場合でも、配属部署や人事異動の履歴、昇進、昇格、関わったプロジェクトや担当の仕事を詳細にまとめると、「この人はラインに乗っているはず」と思われ、アピール材料になる。

 今回は、ラインに乗るために必ず身に着けるべき「処理能力」について取り上げたい。ここ数回の記事を読んでいただくと、処理能力の意味はご理解いただけると思う。

 まず、心得るべきは中堅、大企業の仕組みだ。業務の9割以上が相当に広い範囲で標準化、平準化、規格化、マニュアル化、デジタル化されているはずだ。例えば、営業の場合は、商品や製品、サービスの販売ツールや販売先、販売方法、セールストーク、見積書や請求書、契約書は多くの社員がすぐに使えるように汎用化されている。それに伴い、OJTや研修もある。

 ほとんどの人が程度の違いはあれ、1つの仕事をする場合、時間内で一定レベルに達する。その仕組みを作らないと、中堅、大企業は組織として動くことができない。中小企業やベンチャー企業の多くは、この仕組みが時間内で作れないから、苦戦を強いられ、やがて勢いを失い、息絶えていく。

 中堅企業、大企業では、標準化、平準化、規格化、マニュアル化、デジタル化の仕組みが全社に浸透しているから、社員に処理能力が求められる。処理能力は次に挙げる点を心得ておくと、同世代の社員の中で抜きん出ることができる可能性が高くなる。

スピードこそが大切

 社員の大多数が時間内でその仕事ができる仕組みがあるからこそ、処理するスピードや正確さが問われる。あえて言うならば、スピードこそが大切である。とにかく、様々な工夫をして、できるだけ速く終えるようにしたい。速いと、出来が少々、雑でミスがあろうとも、必ず目立つ存在になる。雑ならば、修正を素早くすればいい。そもそも、標準化、平準化、規格化、マニュアル化、デジタル化されているのだから、社員間で成果や実績の差は大きくはつかない。だからこそ、速さが大切なのだ。

数をこなす

 スピードを上げるためには、数をこなすことが必要になる。例えば、広報ならば、新聞や雑誌、ニュースサイトの取材を受けると、対応の仕方がわかるようになる。数をこなす、つまり、量を重視することで、それがやがて質に転化する。はじめから「量より質」の考えは、現実離れしている。数をこなしつつ、必ず、過程を振り返り、問題点をあぶりだし、軌道修正をしたい。この繰り返しをしないと、スピードは上がらない。処理能力は、まず身に着かない。これは、ある意味で「自己否定」になる。

 中小企業の特に20代の社員をみると、自分の仕事を事実に即して振り返ることを苦手としているようだ。自分を常に正当化する癖があり、相手を否定することしかできない人が少なくない。私がみてきた範囲でいえば、振り返ることをしないから、同じ過ちを何年も繰り返す人が多い。中堅、大企業の同世代の社員に比べると、仕事力が伸び悩む理由がここにある。

 ほとんどの人が時間内である程度できるからこそ、必ずできないといけない。できない人は悪い意味で目立つ。例えば、営業用の資料を時間内で作成することができないと、「理解力が低い」「要領を得ない」と言われがちだ。あるいは、交通費や仮払いの清算が期限を過ぎると、「だらしない」「お金にルーズ」とみられることが多い。

 私の取材を通じての観察では、このような仕事が確実に時間内にできないと、軽く扱われ、バカにされたりして、人事評価や処遇は同世代と比べて低く扱われる。状況いかんでは、上司や同僚からいじめやパワハラを受けやすくなる。もちろん、問題行為であり、否定されるべきだ。しかし、実際のところ、処理能力が低い人は何かとターゲットにされやすい。

 ラインに乗るために絶対に必要な処理能力をいかに身に着けるか、と徹底して考え抜くと、仕事の進め方などもおもしろくなるものだ。ぜひ、試みてほしい。

文/吉田典史

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