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メルペイ、LINE Pay、d払いで構成される「MoPA」にau PAYも参画、サービスの相互利用が可能に

2019.09.24

 乱立するスマホ決済業者の覇権争いが明確になってきました。

 9月18日にau PAYが「モバイルペイメントにおける加盟店アライアンス(略称 MoPA)」に参画しました。

 メルペイ、LINE Pay、d払いの3サービスで構成されていたMoPAに4番目のサービスとしてau PAYが参画し、サービスの相互利用が可能になります。具体的にau PAYが他の3サービスで利用可能になるのは9月18日時点で表明されていません。

MoPAはMobile Payment Allianceの略称で、その他のPayサービスも狙っているようです。

au PAYは楽天ペイとすでに提携しています。
引用元:au PAY

 一方でソフトバンクグループでスマホ決済を提供する「PayPay」は9月13日に1周年記念記者発表会を開催し今後の戦略を発表しました。

 店頭でのスマホ決済に加えてYahoo!ショッピングなどのオンラインショッピングでの決済や、金融サービスでのPayPay利用などを含めた「スーパーアプリ」を目指すことを表明しています。

2020年に1.5兆円の規模になるスマホ決済の覇権争いにどう勝っていくか

 ICT総研の調査「2019年度 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」(https://ictr.co.jp/report/20190701.html)によれば、スマホ決済の決済額は2019年度の0.7兆円に対して2020年度は1.5兆円と約2倍の規模になるといいます。

 もし利用額に対して1%の決済手数料が取れたとすると、1.5兆円×1%=150億円の収益が見込めます。

モバイルキャッシュレス決済額の予測。QRコードを使った決済額は2019年度に0.7兆円、2020年度には1.5兆円となる見込みで、SuicaやEdyのような電子マネー決済を上回ります。
引用元:ICT総研/2019年度 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査

よく利用するモバイルQRコード決済サービスではLINE PayとPayPayが40%程度の利用率、次いで楽天ペイ、d払いが続いています。MoPAに参加するのは1位のLINE Payと4~6位のd払い、メルペイ、au PAYです。これらのアライアンス企業によるサービスに対し、PayPay、楽天ペイが市場獲得争いを繰り広げることになるでしょう。

 PayPayやLINE Payが行ってきた20%還元キャンペーンなどの高額還元キャンペーンは、利用者を囲い込むためのものです。

 現在では支払いを受ける店舗への導入手数料も無料で無料になっています。そのためスマホ決済の利用により利益を上げることができていません。

 例えばPayPayの2018年度の決算状況を見てみると当期利益はマイナス367億円となっています。

PayPayの決算状況。売上収益が5億円なのに対して販売費及び一般管理費が約375億円で、当期利益が約マイナス367億円なのがわかります。
引用元:ヤフー/2018年度有価証券報告書

資産の「うち現金及び現金同等物」が335億円ですから、大規模キャンペーンを続けていくと2019年度末には現金が無くなってしまう計算です。

 当然ソフトバンクやヤフーから追加でお金が投入されるもののいつまでも利用者獲得のためのキャンペーンを続けるわけにはいきません。

 利用者の獲得が進みシェア1位を獲得できれば、あとは加盟店や利用者に手数料を課すことで収益があげられます。スマホ決済業界の標準を作ってしまえば、ライバルがいなくなり、手数料を課しても利用者が離れなくなるからです。

 それまでに利用者獲得の覇権争いを続けられるかが鍵となります。

 LINE Payと楽天ペイとPayPayを比べるとLINE Payを運営するLINEは、他に2社に比べて資本力が弱いので、「MoPA」によるアライアンスで複数業者が集まって利用者を獲得する戦略。楽天ペイはすでに「楽天経済圏」が出来上がっていますからその経済圏の利用者を楽天ペイに誘導する。そしてPayPayは大型のキャンペーンの魅力で利用者を引き寄せつつ、オンラインでの決済でもPayPayの利用を促進する戦略。

 それぞれの戦略で利用者の拡大を狙い業界標準を作ることを狙っています。ちなみに業界標準のことを「デファクトスタンダード」といったりします。

PayPayが行っているキャンペーン。ヤフープレミアム会員向けのキャンペーンや、10月5日に行うPayPay感謝デーなど多数の還元キャンペーンがあります。一方で標準のポイント還元率は、10月1日以降1.5%となります。
引用元;PayPay/キャンペーン

2019年9月現在でPayPayを導入するには手数料が全て無料となっています。決済システム利用料は利用者がQRコードを読み取る支払のみ対象で2021年9月30日まで無料です。入金手数料はジャパンネット銀行以外は2020年6月30日まで無料です。
引用元:PayPay/費用について

楽天ペイの場合は還元キャンペーンが少ない一方、10月1日以降は楽天ペイアプリで支払うと5%還元となります。
引用元:楽天ペイ

楽天ペイではQRコードの決済手数料が3.24%かかりますが、楽天ブランドにる決済サービスで、既存の楽天経済圏を形成している利用者が見込客となるのが魅力です。au PAYにも対応しています。
引用元:楽天ペイ/アプリ決済

費用をかけてシェアを伸ばした先にあるビジネスは?

 各社ともしのぎを削る争いを経て利用者の拡大が出来たとして、決済利用額に対する手数料課金を実現することはできるのでしょうか。手数料課金によりクレジットカード決済や電子マネー決済に対する優位性が無くなってしまう懸念があります。

 そこでローンや投資など金融サービスにシフトすることも各社考えているようですが、果たしてうまく行くのでしょうか。各社の動向に今後も注目です。

文/久我吉史

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