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PTSD経験女性は卵巣がんリスク増の可能性、米ハーバード大学研究

2019.09.22

PTSDで卵巣がんリスク増? 米研究

心的外傷後ストレス障害(PTSD)を経験した女性は、そうでない女性に比べて卵巣がんになりやすい可能性があることが、米ハーバード大学T. H.チャン公衆衛生大学院のAndrea Roberts氏らの研究で分かった。研究結果の詳細は「Cancer Research」9月5日オンライン版に掲載された。

Roberts氏らは今回、看護師健康調査(Nurses' Health Study II)に参加した女性5万4,710人を対象に、PTSDと卵巣がんリスクの関連を調べるコホート研究を実施した。

調査では、対象女性を1989年から2015年にかけて約26年間追跡。PTSD症状の有無は2008年に評価した。

その結果、6~7つのPTSD症状があった女性は、症状がなかった女性に比べて卵巣がんリスクはほぼ2倍に上ることが分かった。

なお、PTSDの症状には、ごく普通の音にも過敏に反応したり、心的外傷体験に関連するものを避けたりすることなどが含まれていた。

この結果を踏まえ、Roberts氏は「PTSDの治療が成功すれば卵巣がんリスクは低減できるのか、あるいは別のタイプのストレスも卵巣がんのリスク因子であるのかなどを今後、明らかにしていく必要がある」と述べている。

また、この研究では、PTSDを経験した女性では、最もよくみられる浸潤性の高いタイプの卵巣がんリスクが有意に高いことも明らかになった。

さらに、4~5つのPTSD症状があった女性においても卵巣がんリスクは増大したが、統計学的に有意な結果ではなかったという。

これまで基礎研究で、ストレスやストレスホルモンは卵巣のがん細胞の増殖を促進する可能性があることや、慢性的なストレスの存在は腫瘍のサイズや浸潤性の高さと関連することが示唆されている。

一方、臨床研究でもPTSDと卵巣がんは関連する可能性が示されているが、この研究は女性7人を対象としたきわめて小規模なものにすぎなかった。なお、Roberts氏らは、今回の研究結果はこれらの因果関係を証明するものではないとしている。

共著者の一人で同大学院社会・行動科学教授のLaura Kubzansky氏は「卵巣がんは“サイレントキラー”とも呼ばれ、初期の段階では自覚症状がなく、発見されにくい。そのため、卵巣がんの予防や早期治療のためには、発症リスクが高い女性を特定することが重要だ」と指摘している。

米国では、卵巣がんは女性のがん死亡の第5位となっている。同じく共著者で米モフィットがんセンターのShelley Tworoger氏は、「卵巣がんのリスク因子については、いまだほとんど明らかになっていない。

PTSDや抑うつといった精神的ストレスの関与は、卵巣がん予防に関する研究に新たな道を開く可能性がある」と期待を示している。また、「別の集団でも今回と同じ研究結果が得られれば、女性が将来、卵巣がんを発症するリスクが高いのかどうかを判定する際に、精神的ストレスをリスク因子の一つとして考慮するようになるかもしれない」と同氏は付け加えている。(HealthDay News 2019年9月5日)

Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://cancerres.aacrjournals.org/content/early/2019/09/04/0008-5472.CAN-19-1222

構成/DIME編集部

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