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10月1日に本サービスを開始できなかった楽天モバイル、スマホ業界で今後どう存在感を示すのか?

2019.10.10

完全仮想化ネットワークを提げ、第4のMNOとして参入した楽天モバイル。多くの人がすでにどこかしらの通信会社と契約している中で楽天モバイルがどこまで存在感を示せるのか。4人の識者に聞いた。

スマホに詳しい4人の識者が楽天モバイルの今後を予測!

楽天の利用者はいいかもしれない

石野純也さんケータイジャーナリスト  石野純也さん
出版社で多くの携帯電話雑誌を刊行後、ジャーナリストとして独立。Web媒体や雑誌、テレビなど幅広い媒体で活躍し、業界動向のビジネス書や端末の解説書まで著書も多数。

乗り換えるメリットは少ない

法林岳之さんジャーナリスト  法林岳之さん
Web媒体や雑誌などを中心にデジタル関連製品のレビュー記事、解説記事などを執筆。インプレスの「できるシリーズ」など解説書も多数執筆している。携帯業界のご意見番。

電話もつながらなそうだし……

石川 温さんITジャーナリスト  石川 温さん
国内キャリアやメーカーだけでなく海外でAppleやGoogleなども積極的に取材。日経新聞で「モバイルの達人」を連載。メルマガ「スマホ業界新聞」(月額540円)も配信中。

都市部の通信が正直、不安かも

房野麻子さんテックライター  房野麻子さん
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、フリーランスライターとして独立。業界で数少ない女性ライターとして、Web媒体を中心に執筆活動を行なっている。

10月1日に本サービスを開始できなかった楽天モバイル

 当初、10月1日からサービスインする予定だった楽天モバイル。しかし、ふたを開けてみれば、非常に限定的なかたちでMNO事業のスタートを切った。すでに@DIMEでも報じているように、東京23区、大阪市、名古屋市、神戸市のいずれかに在住の5000名を対象に、音声・データ通信を無償で提供する「無料サポータープラグラム」を設け、利用者を10月1日から募集。すでに7日には締め切られている。

参加者として選ばれたユーザーは、2020年3月31日まで、楽天モバイルがMNOとして提供する国内・国際の通話、国内・海外データ通信の各種サービスを、無制限かつ無償で利用できるとか。このほかにも楽天スーパーポイントを最大6000ポイントプレゼントすることも予定されている。

すなわち、5000名のモニターに無償で利用してもらい、そのレスポンスをフィードバックしながら本サービス開始への体制を整える……というわけだ。なお、無料サポーターの追加募集の有無や、一般受付の開始時期などは、一切発表されていない。

 楽天モバイルは東名阪以外の地域ではau回線にローミングするが、東名阪の都市部は自前の基地局でサービスを提供することになっていた。そんな10月1日までのエリア構築が結果として間に合わなかったわけだが、そのことは、8月時点で行なった座談会でも4人の識者が指摘している。

楽天モバイルは端末と基地局を結ぶ無線通信処理部分から、背後のコアネットワークまでをつなぐネットワーク機器に汎用のサーバーを用いてソフトウェアで管理する「完全仮想化ネットワーク」を掲げている。しかし「いくらがんばっても工事する人は仮想化できない。基地局は人が汗かいて造るもの」(石川さん)と手厳しい。

 今、割り当てられている4Gの周波数帯が1.7GHz帯のみというのもネガティブな要因だ。本サービスが開始されたとしても「周波数の特性として、ビルの内部には電波が届かない可能性がある」(法林さん)。理由は、プラチナバンドと呼ばれる700〜900MHz 帯の電波の割り当てがないためだ。「仕事をしている時に職場で電話がつながらないというのは無理があるでしょう」(石川さん)。

 楽天に割り当てられた周波数に対応するスマホが、現時点で12機種と少ない。「使いたい端末がなければ無理して乗り換えない」(房野氏)。端末割引の上限が2万円になる今、気に入らない端末にお金を出す人は少ないだろう。

 ただし、Wi-Fiを使って、通話やSMSを送受信する「Wi-Fi Calling」や、楽天が持っている無料通話アプリ「Viber(バイバー)」などを活用し、通話エリアを補う手は期待できるという。「完全仮想化ネットワークで、それらがシームレスに動くような世界を目指しているはず。やってくれることを期待したい」(石野さん)。また「禁じ手だけど」と前置きしつつ「2枚のSIMカードを差して使う方法を推奨するかもしれない」(法林さん)とも。楽天のMVNOとMNOのSIMを2枚使えば、MNOの楽天回線が厳しい場合にMVNO回線で通信できる。しかし、ほかのMNOや総務省が、それを認めない可能性が高い。

 このように懸念事項が多いが、プラス要素もある。完全仮想化ネットワークは既存のMNO3社も注目し、今後取り入れていく技術だ。コストを大幅に削減できる可能性は高く、最初に挑戦している楽天のリスクは大きいが、成功すればリターンもまた大きい。

 さらに「金融系のサービスは楽天の強み」(法林さん)だ。ほかのMNOが取り組み始めた金融・証券事業で、楽天はすでに実績を築いている。「通信事業で勝負せず、得意としているカードや通販などでお得をアピールできればいい」(石川さん)。「楽天と契約すればカードのポイントがたくさんもらえるといった特典を付ければ、注目するユーザーもいるかも」(石野さん)と、楽天経済圏内の人は契約を検討する価値はありだ。

 厳しい船出となったMNOの楽天モバイルだが、今後の動向に引き続き注目したい。

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