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ファーウェイが発表した「Harmony OS」で目指すものは?日本市場に搭載端末は投入されるのか?

2019.09.22

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はファーウェイが発表した独自OS「Harmony OS」について議論します。

ファーウェイの「Harmony OS」はIoT向け?

房野氏:ファーウェイが独自OSの「Harmony OS」を発表しましたが、これについてどう思われましたか?

房野氏

石川氏:中身はよくわかっていないんですけれど……

石川氏

法林氏:誰もわかっていないよね。まだ触っていないんだからなんとも言えない。ただ、Androidとかち合うものではないという言い方をしていて、おそらくIoTで使えるような、動作が軽くて汎用度の高いOSを目指したんじゃないかなと思う。基本的にLinuxベースだと思うけれど、IoTで使えるようなOS。Androidは基本的にスマホ向けOSなので、そこを変えているんじゃないかなって気がします。今の段階ではそれくらいしかわからないですね。

 Androidを置き換えるかどうかは、米中の貿易摩擦の状況に関わってくるので、それ次第かなという気がします。万が一、米中が関係を修復できず、Androidがそれに置き換わっても、似たような感じにはできるんではないかと。

法林氏

石川氏:将来的に、米中間の問題が解決する可能性も十分にあるので、ファーウェイはあえて独自で突き進むよりも、できるだけAndroidエコシステムに近い方法を選択するのではないかな。アプリ開発者のことを考えると、Androidベースで、ちょこっと変えるだけで使えるものの方が断然いいだろうし、この先、米中摩擦が解決したら、すぐにAndroidに戻れるような方がいいだろうし。そう考えると、このタイミングで出てくるということは、そんなに独自色は強くないんじゃないかなと。あくまでも名前とか商標とか、法律的な問題とかの面が大きくて、むしろマーケティングの準備が整ったタイミングであって、技術的には実質Androidみたいなものなんじゃないかなと推測します。

石野氏:この時期に発表したのは当然、米中貿易摩擦の関係でAndroidが使えなくなるというところに対する牽制の意味合いがあるのだと思います。君たちがAndroidを提供しなかったら独自でやると。困るのはファーウェイだけでなくGoogleも同じ。実際Googleは、困るってことをアメリカの委員会に報告したりしている。ファーウェイは現状はスマホ用ではないと言っていますけど、発表会のスライドを見るとスマホにも対応できると書かれているようなので、いざとなったら本気でこれをスマホに載せるよと、Googleに対するというか、アメリカに対して牽制しているのかなと。Googleにも本気だと思わせることが目的の1つかなという気がします。

 実際、本当に使えるかどうかは、どうなんだろうな。ファーウェイはスマートウォッチは以前から独自OSで作ってきた。作れる能力は当然ある。Linuxに対するコントリビューション、貢献もGoogleに次いで多いレベル。実際、ファーウェイが抜けると、オープンソースのコミュニティにも大きな影響が出てしまう。それほどの技術力を持っている会社なので、スマートTVとかスマートウォッチといったIoTデバイスを動かすためのOSとしては、ちゃんと作り込まれているだろうなと思います。実際、そこでスマホも動かそうと思えば動かせると思いますが、エコシステムの問題になってくるので、すぐに簡単に置き換えるわけにはいかないですし、Androidという選択肢がある以上、そこを変える選択肢は今のところファーウェイとしてはないと思います。ただ、トランプ大統領が、何か自社へ不利になる行動を起こした時には対応できるように、カードとして持っているのかなと思います。

石川氏:トランプ大統領のおかげで混沌としてきている。米中問題もあるし、米韓問題もあるし。

 米中間で関税がかかるけど、それでiPhoneが高くなるから、結果として韓国から入るGalaxyが売れちゃうんじゃないかということをAppleのティム・クックが懸念していて、だったら韓国もどうするか、という話になっている。

法林氏:まぁ、トータルでいうと、今回のファーウェイのHarmony OSはIoTを狙っている。サムスンもTizenとかいろいろやっている。各社、Linux系のOSはいくつか持っているから、それを1つ、ブラッシュアップして出せる環境にした。

石野氏:サムスンはスマートウォッチやスマートTVにはTizenを使っているし、LGもスマートTVにはPalm OSの流れをくむwebOSを使っている。AndroidはスマホのOSとしてのシェアは高いし、カスタマイズされたAndroidベースのOSは至る所にあるけれど、IoT分野になると、そこまで強くない。そこで今のうちにファーウェイがHarmony OSを作っておいて、いろんなデバイスに搭載していくのは、あの規模の会社がとる選択としては合理的という感じがします。OSを握られちゃうとデバイスを支配されちゃうことにつながるので。Windowsはその典型で、今のPCはどれを使ってもそんなに変わらないような感じになっている。だから、そこを握ってシステムを作っていくという意味では、まだ未開拓の分野ではあるので、ファーウェイの判断としては正しいかなと。ただまぁ、いずれにしても大元がAndroidと同じLinuxなので、スマホでも使えますよと一言言っておくことで政治的なインパクトが与えられる意味があるかなと。

石川氏:ファーウェイの場合、中国市場とそれ以外をどうするかというところも当然あるでしょう。中国は独自のエコシステムがあるので、中国向けに独自OSで進化していいだろうけど、ヨーロッパ、アジアでは、どのOSでどういった戦略をとるのかは考え直す必要があると思う。もしかしたら同じ製品でも違うOSで売る可能性もあるだろうし。そこは色々これから変わってくるかもしれない。

石野氏:正直、中国版モデルだとAndroidを使うメリットが少ない。

石川氏:Googleにも進出できない市場もある。だったら独自OSを使ってもいい。

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