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アップルは「iPhone 11」シリーズでライバルのサムスン、ファーウェイを迎え撃つことができるか?

2019.09.16

 iPhoneを軸にコンテンツビジネスへ注力するアップル

 スマートフォンが成熟し、市場にも広く行き渡り、ライバル機種との機能競争にもやや遅れを取るケースも見えてきたからか、アップルは今年3月に開催されたイベントにおいて、新しいビジネスの方向性を示した。それが今回、正式に発表されたゲームサービス「Apple Arcade」、映像コンテンツサービス「Apple tv+」だ。

 Apple ArcadeはiPhoneやiPadなどで遊ぶことができるゲームのサブスクリプションサービスで、9月20日に国内向けにもサービスが開始される。Apple tv+は映画やドラマなどを定額で視聴できるサービスで、11月1日からのサービス開始を予定しており、NetflixやHulu、Amazonプライムビデオなどの対抗サービスという位置付けになる。いずれのサービスも月額600円とライバルサービスに比べ、割安な料金が設定されているうえ、iPhoneなどを購入したユーザーは1年間、無料で楽しめるといった特典も用意されている。

映画やドラマ、オリジナルコンテンツが視聴できる「Apple tv+」は11月1日にサービスが開始される。国内では月額600円で提供

 iPhoneやiPad、macの世界市場での普及台数を考えると、いずれのサービスもかなり期待ができそうだが、その一方で、否定的な見方もある。筆者が個人的に各社のサービスを楽しんでいることから、映像配信サービスのApple tv+の可能性を考えると、確かに月額600円という価格設定はリーズナブルであるものの、ライバルサービスとの差別化になるオリジナルコンテンツ(各サービス会社が独自に制作するコンテンツ)をどこまで充実させられるかが気になる。今年3月の発表では映画監督のスティーブン・スピルバーグ、女優のジェニファー・アニストンなど、ハリウッド映画の著名人を何人も登壇させ、来場者を驚かせたが、基本的に米国発の映像コンテンツが中心で、世界市場での成功は期待できないのではないかと見る向きも多い。

 たとえば、ライバルサービスであるNetflixは、世界中の優秀なコンテンツクリエイターに制作を持ちかけ、世界各国で制作されたオリジナルコンテンツを他の国と地域でも配信するなど、業界全体を活性化する取り組みを進めている。日本の十八番であるアニメでは、日本で制作されたオリジナルアニメが海外で配信され、人気を得るケースも多く、クリエイターの新しい活躍の場として、認知されはじめている。なかには1980年代に「アダルトビデオの帝王」と呼ばれた村西とおるを描いた「全裸監督」のように、かなり刺激的なタイトルを制作するケースもあるが、こうしたコンテンツクリエイターの新しい可能性を引き出すような取り組みをアップルができるかどうかは、非常に疑問だ。

 また、映像配信サービスは当然のことながら、モバイルデータ通信量がかさむことから、利用を敬遠するユーザーも少なくない。こうした状況に対し、Netflixは画質の劣化を抑えながら、モバイルデータ通信で効率良くデータを伝送したり、新しい画像圧縮技術を開発するなどの取り組みを行なっている。はたして、Apple tv+がそういった技術面での積極的な取り組みができるのか、ライバルに対するアドバンテージを作り出せるのかは、非常に疑問が残る。

 混沌とするモバイル業界の覇権争い

 今年のモバイル業界はいろいろな変革の時期を迎えると言われている。なかでも国内市場は前述の改正電気通信事業法の施行に加え、5Gのプレ商用サービスの開始、楽天モバイルの参入など、新しい時代へ向けた動きが活発化するタイミングになる。その一方で、ここ数年、急速に国内市場でシェアを拡大してきたファーウェイが米中貿易摩擦の影響で、その勢いをそがれるなど、政治的な要因によって、モバイル業界の潮流が大きく左右される時期であることも確かだ。

 そんな中、発表されたアップルのiPhone 11シリーズ。端末としての完成度は実機を見てみないと何とも言えないが、本稿で触れた販売の現場での大きな変化に加え、ライバル機種との機能差や価格差、コンテンツビジネスへの展開などがユーザーにどのように認識されるのか、受け入れられるのかによって、成否は大きく左右されることになりそうだ。今後の各社の動向をしっかりとチェックしたい。

取材・文/法林岳之

Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

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