人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

アップルは「iPhone 11」シリーズでライバルのサムスン、ファーウェイを迎え撃つことができるか?

2019.09.16

 iPhoneはライバル機種をキャッチアップできているのか?

 たとえば、ここ数年、背面に2つ以上のカメラを搭載するマルチカメラがスマートフォンのトレンドとなっているが、アップルは2016年9月発表のiPhone 7 Plusで初めてデュアルカメラを搭載している。しかし、もっとも早くマルチカメラに着手したのはライバルメーカーのファーウェイで、2015年5月発売の「honor6 Plus」(楽天モバイル扱い)で初搭載し、主力モデルでは2016年6月に発売された「HUAWEI P9」以降、ほぼ全モデルに搭載している。なかでもフラッグシップモデルではドイツの老舗光学機器メーカーのLeicaとの協業によって開発されたカメラを搭載し、高品質な写真を撮影できるようにすることで、業界トップクラスのカメラを進化させ続けている。もうひとつのライバルメーカーであるサムスンは、主力モデルでの搭載はやや出遅れたものの、最新の「Galaxy S10+」や「Galaxy Note10+」でトリプルカメラを搭載するなど、着実にキャッチアップしてきている。写真のクオリティも業界の調査で、ファーウェイ製端末をトップ争いをくり広げるほど、高い評価を得ている。

iPhone 11 Proシリーズでは超広角、広角、望遠のトリプルカメラを搭載

 マルチカメラについては、今回のiPhone 11シリーズではiPhone 11がデュアルカメラで超広角と広角、iPhone 11 Proシリーズ2機種が3つのカメラで超広角、広角、望遠という構成を採用しているが、すでに多くのメーカーがこうした構成のマルチカメラを搭載しており、それほど目新しさはない。ライバルメーカーではファーウェイやOPPOのように、ペリスコープのしくみを利用した光学5倍以上のズーム機能を搭載するモデルも発売されており、技術的にはすでに数歩、先を進んでいる印象もある。カメラの撮影機能についてもファーウェイやサムスンが暗所での撮影の強化に取り組んできたが、iPhoneは長らく暗所撮影に弱いとされ、ようやく今回のiPhone 11シリーズで暗所撮影を強化した「ナイトモード」をサポートした。

iPhone 11シリーズでは暗所撮影に強い「ナイトモード」をサポートするなど、カメラ機能を強化

 また、現在のスマートフォンに欠かせない生体認証は、iPhone 8までの指紋認証のTouch IDから、iPhone X以降の立体的な顔認証のFace IDへ、移行を進めている段階にある。これに対し、ライバルメーカーは指紋認証だけでなく、他の生体認証にも積極的に取り組んでいる。たとえば、サムスンは「Galaxy Note8」(2017年8月発表)や「Galaxy S9」(2018年2月発表)などで指紋認証のほかに、虹彩認証を採用している。指紋認証についてはOPPOが「Find X」(2018年11月発売)ではじめてディスプレイ内に指紋センサーを内蔵する画面内指紋認証を搭載し、注目を集めた。画面内指紋認証はファーウェイも「HUAWEI Mate20 Pro」(2018年12月発売)や「HUAWEI P30 Pro」(2019年3月発表)、サムスンも「Galaxy S10」(2019年2月発表)や「Galaxy Note10」(2019年8月発表)で、それぞれ採用しており、ひとつのトレンドになりつつある。

 この他にもワイヤレスチャージやワイヤレスリバースチャージ、ノッチの小型化、5Gネットワークへの対応など、さまざまな機能面でiPhoneがライバル製品に遅れを取っているとされるが、スマートフォンの基本要素のひとつである「持ちやすさ」や「扱いやすさ」に影響する「重量」と「薄さ」は、それ以上に差が大きいと指摘する向きもある。

 重量と薄さはディスプレイサイズやバッテリーによって大きく左右され、機種ごとに差があるが、昨年発売されたiPhone XS Maxは、重さ208g、薄さ7.7mmと、かなりのヘビー級であることがマイナス点だとされた。しかし、後継機種であるiPhone 11 Pro Maxはこれを上回り、重さ226g、薄さ8.1mmと、さらに重く、厚くなっている。シリーズでもっともコンパクトなiPhone 11 Proも重さ188g、薄さ8.1mmと重量級だ。

 これに対し、ライバル機種のフラッグシップを見てみると、Galaxy S10+は重さ175gで薄さ7.8mm、HUAWEI P30 Proは重さ192gで薄さ8.6mmとなっている。国内で人気のソニーのXperia 1は重さ178g、薄さ8.2mm、シャープのAQUOS R3は重さ185g、薄さ8.9mmに仕上げられている。軽量という点ではAQUOS zeroのように、150gを切るモデルも販売されている。他の機種を見ても全体的に「軽く」「薄く」する傾向にある中、iPhoneだけが「重厚長大」路線を突き進んでいるようにも見える。

10月から新販売方式でiPhoneは厳しくなる?

 国内市場でiPhoneがシェアを伸ばしてきた背景には、製品そのものの完成度もさることながら、前述のように、各携帯電話会社が販売奨励金を利用した販売施策で後押ししてきたことが大きく関係している。かつては、iPhoneを契約したユーザーのみがデータ通信量を増量されたり、データ通信量の単価が割安に設定されるなど、料金面でのサポートも数多く見受けられたが、総務省の指導もあり、料金面での差はほぼ解消されつつある。しかし、端末の販売については、月々サポートなどの月額割引をiPhoneだけ手厚くしたり、各販売店が独自の施策で数万円から十数万円のキャッシュバックを提示するなど、かなりの乱売がくり広げられてきた。

総務省で議論が進められてきた改正電気通信事業法は10月1日に施行され、端末購入補助は基本的に2万円が上限とされる

 これに対し、総務省はここ数年、ガイドラインを定めるなど、さまざまな形で指導が行なわれてきたが、抜本的な対策として、今年10月にはいよいよ改正電気通信事業法が施行されることになった。この改正電気通信事業法では回線の契約と端末の販売を分離する「完全分離プラン」が導入されることになり、端末購入時のサポートを最大2万円までに制限し、月々サポート割などの月額割引の制度はすべて廃止されることになった。つまり、iPhoneであろうが、Androidスマートフォンであろうが、一律最大2万円しか値引くことができなくなるわけだ。

 こうなってくると、iPhoneは一段と厳しい立場に置かれる。iPhoneはここ数年、高価格路線に転じており、今年のiPhone 11シリーズも昨年より5000円程度、値下げしたと言われるものの、価格設定は相変わらず高止まりしている。たとえば、最上位機種のiPhone 11 Pro Maxの512GBはアップルストアでの価格が15万7800円(税別)で、iPhone 11 ProとiPhone 11 Proの2機種はいずれの容量のモデルもすべて10万円を超えている。

 これに対し、プラットフォームやチップセットなど、アーキテクチャが異なるため、一概に比較できないものの、ライバルメーカーのフラッグシップモデルはGalaxy S10+が9万3600円、HUAWEI P30 Proが8万2800円に設定されるなど(共にドコモオンラインショップ価格、税別)、ほとんどの機種が10万円を切っている。国内ではまだ発売されていないが、5G対応モデルなどでは米国で1000ドルオーバーの価格が設定されているが、それでも一部の特殊モデルを除けば、15万円を超えるような機種はほぼ皆無に等しい。

サムスンのGalaxy S10シリーズは米国での価格がいずれも1000ドル以下。国内でも10万円以下で購入できる。

8月に発表されたGalaxy Note10シリーズの場合、さすがに5Gモデルは少し高めだが、それでも1000ドル前後から1300ドル以内に抑えられている

今年3月に発表されたファーウェイのHUAWEI P30 Proの欧州向け価格。高く見えるのはいずれも付加価値税を含んでいるため。国内ではNTTドコモが8万円台で販売中。

 もちろん、アップルも手をこまねいているわけではなく、今回のiPhone 11シリーズでは、昨年のiPhone XRの後継に位置付けられるiPhone 11を10万円以下で投入してきた。もっとも売れそうなiPhone 11の128GBのモデルは7万9800円に抑えられており、端末購入補助がなくても十分に手が届く範囲に設定されている。これに加え、各携帯電話会社は端末代金を48回払いや36回払いにする際、24回まで支払えば、端末の回収を条件に残りの支払いを免除する販売施策を導入することで、高価なiPhoneを少しでも買いやすくしようとしている。

auは48回払いの内、24回まで支払ったあと、端末の回収を条件に、残り24回を免除する「auアップグレードプログラムDX」(月額390円)を提供

iPhone 11シリーズが登場したが、iPhone 8やiPhone XRも継続販売される。価格も見直されたが、これらはいずれも最低容量モデルの価格

 しかし、普及価格帯ということで言えば、Androidスマートフォンは3万円前後、5万円前後にもかなりコストパフォーマンスに優れたモデルが数多く用意されている。この価格帯の商品はここ1年ほど、急速に売り上げを伸ばしており、10月以降の完全分離プラン商戦では主流になると見られている。つまり、iPhone 11が7万円台で販売されていてもその半額近い金額の端末が何十機種から選べるわけだ。しかも前述のように、機能面ではほとんど見劣りしないため、ユーザーがこちらに流れてしまう可能性も十分に考えられる。

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年5月15日 発売

最新号のDIMEは年間300万円節約するサブスク活用術!特別付録は「デジタルポケットスケール」!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。