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更年期ホルモン補充療法を受けると乳がんリスクが上昇、国際共同研究チーム発表

2019.09.15

更年期ホルモン補充療法により乳がんリスクが上昇

更年期の症状を軽減するためにホルモン補充療法を受けている女性は乳がんを発症するリスクが高いことが、国際共同研究チームであるCollaborative Group on Hormonal Factors in Breast Cancerによる新たな研究で確認された。

研究論文の共著者である英オックスフォード大学教授のValeri Beral氏は、「ホルモン補充療法をやめた後でも乳がんリスクの上昇が持続する可能性があることも分かった」と話している。詳細は、「Lancet」8月29日オンライン版に掲載された。

研究では、1992~2018年に実施された58件の研究のデータを解析した。解析の対象となった乳がんの女性は約10万9,000人。

乳がん診断時の平均年齢は65歳で、約半数が更年期にホルモン補充療法を受けていた。平均閉経年齢は50歳で、ホルモン補充療法を開始した平均年齢も50歳だった。

ホルモン補充療法の期間は、研究実施時にホルモン補充療法を受けていた女性で平均10年、過去にホルモン補充療法を受けた経験がある女性では平均7年だった。

研究チームによると、ホルモン補充療法を受けた経験がなく体重が平均的な欧米諸国の女性の場合、50~69歳の間に乳がんを発症する確率は100人当たり約6.3人である。

しかし、ホルモン補充療法を受けた経験がある女性では同リスクは上昇しており、その程度はホルモン補充療法の内容によって異なることが判明した。

例えば、5年間にわたってホルモン補充療法を受けた女性における乳がん発症率は、エストロゲン(卵胞ホルモン)に加えて毎日プロゲストーゲン(黄体ホルモン)を使用した女性で100人当たり8.3人、エストロゲンに加えて間欠的にプロゲストーゲンを使用した女性で100人当たり7.7人、エストロゲンのみを使用した女性で100人当たり6.8人だった。

また、ホルモン補充療法の期間も乳がんリスクの程度に影響し、5年間受けた女性と比べて10年間受けた女性では、20年間でリスクが約2倍に上昇することが明らかになった。

一方、ホルモン補充療法の内容を問わず、受けた期間が1年未満であれば乳がんリスクの上昇はほとんど認められなかった。

さらに、ホルモン補充療法を5年間受けた後にやめた場合、その後15年間は乳がんリスクが上昇した状態が続くことも分かった。なお、乳がんリスクの上昇はエストロゲンの腟内投与を除いた全てのホルモン補充療法で認められた。

今回の研究には関与していない、米レノックス・ヒル病院の乳腺外科医Lauren Cassell氏は、「ホルモン補充療法を受けた女性では乳がんを発症するリスクが高いことを示した『女性の健康イニシアティブ(Women’s Health Initiative;WHI)』の研究結果が2002年に発表されて以降、ホルモン補充療法を受ける女性が激減した」と話す。

同氏によれば、WHI研究の発表をきかっけに、ホルモン補充療法を中止する女性が増えただけでなく、医師も同療法の処方に慎重になったという。

Cassell氏は今回の研究結果について、「ホルモン補充療法が乳がんリスクを高めることが再確認された。だが、より重要なのは、ホルモン補充療法をやめた後もリスクが高い状態が続き、リスクの程度にホルモン補充療法の期間が影響することが示された点だ」と話している。

そして、「経口ホルモン剤によるホルモン補充療法は、耐えがたい更年期症状に苦しんでいる女性に対してのみ、乳がんリスクの上昇を理解してもらった上で慎重に行うべきだ」と強調。

また、「プロゲストーゲンの使用は最低限に抑え、治療期間もできるだけ短くすべき」との見解を示している。(HealthDay News 2019年8月29日)

Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)31709-X/fulltext

構成/DIME編集部

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