
買い物の底値をしっかりつかんでいますか?
大型家電から日々の生活に必要な食材や日用品に至るまで、あらゆるモノの購入時に最安値が気になることでしょう。それを逃さずにチェックする得策として、スマホの有効活用が挙げられます。
そのひとつは、価格ドットコムのWebサイトをスマホでチェックすること。最安値のショップを見つけるため、多くの人はすでに利用していると思いますが、おすすめしたいのは「Myページ」の機能です。価格ドットコムにアカウントを作成して商品名を登録すれば、最安値の更新時にメールで通知されるようになります。しかも「○円以下になったら通知」「○円以上変動したら通知」のように通知条件を細かく設定できるのもポイント。ECサイトが価格を見直ししたタイミングを逃しません。
スマホアプリを使って底値をチェックするのが有効
メールだけでなく、LINEと連動して通知を受け取れる機能もあります。日頃からメッセージのやりとりにLINEを使っている人なら、LINE通知のほうが便利です。「今はちょっと保留するけれど、値下がりした時には買ってもいいかも」というモノは、どんどん登録しておくといいでしょう。
最近ではサービスを利用しているユーザー間で情報を共有できる、底値チェックアプリがあります。例えば、ガソリン価格比較アプリの「gogo.gs」。ガソリン価格共有サイト「gogo.gs」の口コミ情報を、スマホ専用サイトやアプリで閲覧できるのです。また「ソコネオ」というアプリは、自分が支払った底値を控えておくメモとして使えるほか、登録ユーザーと情報共有して底値通知を受け取れます。ただし、ユーザー数が少なく、情報不足のエリアがあるのが残念なところです。
底値を逃さないためにスマホでメモるのも有効
情報共有をせずに、個人の備忘録として使う底値管理アプリもあるので、それを試してみるのもいいでしょう。また、それらの登録が面倒なら「メモ帳」アプリに「底値メモ」のようなファイルを作り、気になるアイテムの価格をコツコツとメモするだけでも、便利なデータベースになります。
店舗をいくつか替えながら、メモ帳に「商品名」「店名」「価格(税抜き、もしくは税込みのどちらかで統一するのがおすすめ)」を控え続けると、店舗の違いによる価格差が思っている以上だと気づくはず。ドラッグストアなら、どこも一緒だと思っていたら大間違い。A店の特売価格が、B店の通常価格より高いこともあります。
他店への対抗策として値下げをする商品と、値段が横並びな商品が混在しているのが、小売りビジネスの実態です。そのため、同じ店で何でもまとめ買いすることは、節約につながりません。スマホに控える数行のメモで、最安値を確実につかめるようにしましょう。
電子マネーの活用も底値のチェックには不可欠
近頃は、店頭やECサイトの価格を単にチェックするだけでは、底値かどうか判断しにくくなってきました。電子マネーのポイント付与やショッピングモールサイトのポイント還元なども勘案しながら「真の底値」を判断しなければならないからです。例えば、QRコード決済の「LINE Pay」や「LINEショッピング」では、期間限定で効率よくポイントを得られることがあります。これを利用すれば、特定の店舗で買い物することを条件に、数週間程度のスパンで高い還元率のポイントが付与されます。こういった絶好の機会を、逃す手はありません。
さらに、楽天市場やYahoo!ショッピングなどのECサイトも、ポイント還元を〝ゲリラ的〟に行なうことが増えてきました。こうした状況が〝底値ウオッチャー〟を大いに悩ませているのです。なお、ECサイトのアプリの中には、クーポンやポイント還元率アップを、プッシュ通知で提示してくるものもあります。
いっそのこと、そうしたすべての値下げ情報を自動収集し、買い時と購入場所を提案してくれるAIアプリがあれば理想的なのですが……。しばらくは自分でチェックをしていくほかなさそうです。
今回紹介した底値チェックサービス、メモ帳やECサイトのアプリなどを利用し、出費を抑える工夫をしてみてはいかがでしょう。
ガソリン価格比較アプリ「gogo.gs」では各店舗による価格の違いが、マップ上などで丸わかり。金額の表示がガソリンスタンドの電光掲示板風になっているのがユニークだ。
■山崎俊輔/お金にまつわるコラムを15本抱える人気ファイナンシャルプランナー。近著に『共働き夫婦 お金の教科書』がある。