
■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
オールステンレスだからメンテナンスが楽
夏のキャンプで頭を悩ませるのが蚊。日中はそうでもないが、朝夕は油断していると蚊が忍び寄ってくる。
秋になったら蚊の襲撃が落ち着くように思えるが、蚊の活動が活発になるのが20〜30℃と言われており、少し暑さが落ち着いた秋も蚊対策は気が抜けないのだ。
新潟・三条市に本社を構える山谷産業が立ち上げたアウトドアブランド「TSBBQ」は軽くて錆びにくいオールステンレス製「ステンレス蚊とりホルダー」(4000円+税)を発売。格好良くキメたキャンプサイトの雰囲気を壊さないスッキリとしたデザインが評判となっている。
上の写真左は、よくある携帯タイプの蚊やり器で、薄型・軽量ではあるが、雨に濡れることもあるため1シーズン使えば錆が目立ちはじめる。また、落としたり何かにぶつけたり、衝撃によって変型することも少なくない。
右がTSBBQのステンレス蚊とりホルダー。ミラー仕上げで洗練されたデザインだ。凹凸が少なく、使用後は灰を捨て、サッと拭き取るだけでよくメンテナンス性良好だ。
ステンレス蚊とりホルダーはφ138×H31mm。厚みがあるが、火をつけた蚊取り線香をセットしていない状態なら予備の蚊取り線香を入れて持ち運べる仕様。連泊する時に重宝する。
繊細な金属加工技術を詰め込んだプロダクト
本体ケースの分解は簡単。これといった金具はなく、フタも本体ケースも軽くひねるように持ち上げるだけでいい。中には同じ形の金網が2枚入っていて、これで蚊取り線香を固定する。
金網はフラットではなく、雪の結晶のような凹凸の加工が施されていることがわかる。
2枚の金網の凸部分で蚊取り線香を挟む。金網の凹凸加工により、灰になった蚊取り線香もやさしく固定する。衝撃で蚊取り線香が折れることはないし、縦に吊してもズレることはない。
平置きもいいが、テーブルの下に置くとうっかり蹴り飛ばしてしまう。フック付きなので三脚やチェアに引っかけて使えば、蹴飛ばしを予防できるのだ。
フタは本体ケースの底面に取り付け、また、固定用金網のおかげで蚊取り線香はケースの底から少し浮いた状態だ。着火した後にケースを持っても、熱く感じることはない。これなら手持ちのカラビナを使ってベルトループに吊して持ち運んでも大丈夫。
うれしいことにフタ付き。密閉性が高いのでフタを閉めておくと自然に火が消えるのだ。そのまま収納すれば、灰をまき散らすことなく持ち運べるというわけ。
ステンレス蚊とりホルダーは金属加工の街、燕三条エリアで作り上げている。蚊やり器にしては高価に思えるが、本体、固定用の金網、フタは、金具などでロックしなくても固定できるほど精密な仕上がり。また、オールステンレスで長く使えること、予備の蚊取り線香を持ち運ぶケースを兼ねていることなど、オンリーワンのアイデアが光る。
アウトドアでは虫よけスプレーとともに、蚊取り線香を常に足下にセットするのが定石だ。いつも持ち運ぶものだから、1シーズンごとに買い換えるのではなく、これくらいこだわりが詰まった蚊やり器を選ぶのも手だ。
取材・文/大森弘恵
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