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金融庁が発表したフィンテック領域がどのように発展するかという観点での「10の発見」とその興味深い内容

2019.09.18

 金融庁が9月5日に発表した「多様なフィンテックステークホルダーとの対話から見えた10の主要な発見(Key Findings)」(以下、本報告書)では、金融サービスが今度どのように発展していくかという観点で10個の発見をまとめている。

「発見」とは利用者に提供する金融サービスがどのように向上・発展するかをヒアリングして発見した課題や取り組みをまとめた結果である。

 10個の発見は「AI・データ活用」、「ブロックチェーン」、「API」、「ビジネス革新」の4つがキーワードだ。

10の主要な発見(Key Findings)

引用元:金融庁/多様なフィンテックステークホルダーとの対話から見えた10の主要な発見(Key Findings)

※以下注釈なき場合は本報告書より画像引用

FinTech Innovation Hubの活動状況

本報告書の作成や情報収集は、2018年7月に金融庁が設置した「FinTech Innovation Hub」での取り組みの一環である。

金融サービスに携わる企業100社の「生の声」を整理した発見

 本報告書はフィンテック企業や金融機関に対して金融庁が実際にヒアリングを行った情報をまとめている。

「金融サービスを提供する主体である金融機関やフィンテック企業には多様なプレイヤーが存在し、一定のエコシステムが形成されつつある」(一部改)と金融庁は述べている。

 金融業同士、金融業と非金融業間のそれぞれで多様な関係が作られる中、金融サービスを提供するための環境が出来上がっており、エコシステムを提供する幅広い分野の企業や団体にヒアリングを行っている。

 ここでいうエコシステムとは、資金やITソリューションの提供者、企業が団体で形成する協会、金融関連メディア、法律や会計・税務の専門家などが、フィンテック企業や金融機関と連携して金融サービスを提供する経済圏のことを言う。

フィンテックを巡るプレイヤーとエコシステム

利用者に対して金融サービスを提供するフィンテック企業や金融機関。その後ろにも様々な企業や団体がいる。金融に限った話ではないが金融サービスの提供者の裏には一定の経済圏が形成されていることを理解しておきたい。

 以下の表にヒアリングから得られた10の主要な発見のサマリーをまとめる。

 大量のデータの処理から何らかの発見を得ようとするのがAIの目的。そのためデータ活用とセットでまとめられている。10の主要な発見を理解するために、10の意見のスライドを見ながら必要な解説を以下にまとめる。

(1)「AI・データ活用」での集約意見:3つ

 AIによりデータ活用が容易になりつつも高度化する。またデータ活用によって、業歴が短い企業でも信用を得てお金を借りられる。また金融へのニーズ細分化に対応するためのマーケティングにデータ活用をしようとしている。

(2) 「ブロックチェーン」での集約意見:3つ

 ブロックチェーンは課題が大きく2つ分かれる。1つは金融ビジネスの基盤としての利用の観点。もう1つがブロックチェーンを使って実現した仮想通貨(暗号資産)の観点である。

 金融ビジネス基盤の観点では、ブロックチェーンの拡張性の課題解決への動きがみられる。ブロックチェーンは規模が大きくなると処理が遅くなってしまうという欠点がありそれを補うための動きだ。また「プライバシー」の考え方やそもそも利害関係者同士での連携がうまく折り合っていないため調整が必要である。

 利害関係者とは「ビジネス」「エンジニア」「レギュレーション(規制)」の3領域に属する人々のこと。それぞれの関係者が考える利害の認識が上手くすり合っていないのが課題となっている。

 仮想通貨(暗号資産)の観点ではセキュリティ強化とマネー・ロンダリングの防止が課題。送金元や送金先のアドレスが犯罪に関わる人のものかを検知したり、ウォレットからの流出を防いだりするセキュリティシステム。「カストディ」という仮想通貨(暗号資産)の保管サービス提供の取り組みながある。

(3) 「API」での集約意見:2つ

 APIとは「Application Programming Interface」の略称で、異なるシステム同士でプログラムが接続するための仕組みのこと。

 個人認証や事業用データのやり取りなどセキュリティ性が求められることが多いので、セキュリティ標準を作る動きや、API接続によって実現できる新たなビジネスの創出を行う取り組みが行われている。

(4) 「ビジネス革新」での集約意見:2つ

 人口減少傾向にある日本では課題認識を持つ人が多い事業承継(M&A)や、少ない費用で様々な事業課題を解決するためのマッチングサービスが増加してきている。これらはお金に関する課題を直接解決するというよりは、経営支援や社会課題解決のためのフィンテックビジネスとして、金融庁は整理している。またそもそも金融のデジタル化やイノベーションを進めるために必要な知の集約が必要が行われ、実際にビジネスを生み出す結果を求める局面に来ている。

専門的な議論を深め金融サービスの発展に貢献する

 金融庁は「自分もフィンテック・エコシステムの一員である」と述べている。規制を強化して締め付けの方向に推し進めるだけではない。本報告書では金融サービスの向上に必要な対応を考えている。本報告書では今後の対応として「国際コンファレンスの場を通じて有識者との議論を深めていく」「地方を含めたスタートアップ集積地でのミートアップの他、FinTechサポートでスクの出張相談等も実施していく」などを表明している。

文/久我吉史

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