
■連載/ゴン川野のPC Audio Lab
懐かしのフロントロードホーンを作ろう!
皆さんはフロントロードホーンのスピーカーをご存じだろうか。聞いたことがなくても見たことはあるかもしれない。有名なのは劇場用の大型フロア型のALTEC LANSING『A7』である。1945年に製品化され、日本には1960年代に輸入されており、38cmウーハーの前面に扇形のウッドホーンが付き、その上には高域用のラジアルホーンが乗ったユニークなデザイン、そしてグレーというカラーも印象的だった。高能率ウーハーとコンプレッションドライバーの組み合わせで、観客席に大音量を再生するためのシステムなのだが日本ではオーディオ用として人気があった。
現代では大音量が必要なら、クラスDの高出力アンプに耐入力の高いスピーカーを組み合わせればいいため、製作が面倒な割に効果が薄いフロントロードホーンを採用する市販のスピーカーはほとんど消滅してしまった。そこに登場したのがバックロードホーンのエンクロージャーキットで有名なBearHornの『BR-810A』(2万9800円)である。素人では加工が困難なウッドホーンのカーブを再現して、木工用ボンドとプラスドライバーがあれば完成できるフロントロードホーンのキットで、8cmフルレンジに対応。特にONTOMO MOOKに付属するマークオーディオ『OM-MF519』(5990円)用に設計されているのだ。さらに完成品のオプションでウッドホーン『TW-300H』(2万4800円)を加えれば音も外観もグレードアップできる。
エンクロージャー1本分、17枚の板材で構成される。組み立て時間は3時間が目安。木工用ボンドの他にプラスドライバーが必要。重石とハタガネも準備した方がいい。
絶妙のカーブを描くホーン部分。この曲げ加工はBearHornだからこその技だ。