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自然災害で廃棄寸前の農産物がふるさと納税の返礼品に!お得感たっぷりのふるさとチョイス 「地域の生産者応援の品」

2019.09.02

■阿部純子のトレンド探検隊

二度の台風被害で落下した「傷あり梨」が8時間で申込み上限数に

 ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクは、2014年、災害時にふるさと納税を通じて被災地に寄付金を届ける「ふるさとチョイス災害支援」の仕組みを立ち上げ、全国の自治体に無償でプラットフォームを開放した。

2019年4月には「地域の生産者応援の品」の取組みを開始。自然災害や天候不順により、味や品質に問題はないが、傷などがついて一般の市場には出せない農産物をふるさと納税の返礼品として提供。自治体がふるさとチョイスで「地域の生産者応援の品」として登録できる。現在まで約50の自治体、計115品を登録し、寄付総額は約1億1200万円に上っている。

有楽町にある「ふるさとチョイスCafé」にて期間限定で、取り組みを知ってもらうべく「地域の生産者応援の品」として支援を受けた農産物の展示、カフェメニューでの提供を行った。

 福井県坂井市にある梨農園「近ちゃんふぁ~む」は、祖父が開いた梨農園を二代目の両親、三代目の姉妹の家族四人で経営し、幸水と豊水の2種類を育てている。昨年の二度の台風で落下した梨を「地域の生産者応援の品」として、傷あり梨「にっこり美梨ちゃん」(受付終了)と、ピューレにした梨を使った「美梨カレーと三国町産コシヒカリ セット ~女子力高めの梨農家姉妹と二代目米農家のコラボ~」を返礼品として「ふるさとチョイス」に掲載した。

坂井市を直撃した平成30年8月23日の台風20号では、前日に枝の固定作業を行ったにもかかわらず約2000個の落下被害が発生。この時に坂井市からふるさと納税の返礼品の提案を受けたが、収穫には早く味がついていない梨だったため、すべて廃棄を余儀なくされた。台風20号から2週間も経たない9月4日に台風21号が再び坂井市を直撃。この時は約6000個の梨が落下。台風20号の被害を合わせると計8000個、約80万円の被害となった。

「翌朝被害を確認すると、今までなかったような状況で家族全員がとてもショックを受けた。最初の被害の時に支援の提案をしていただいた坂井市に、二度目の被害を伝えたところすぐに動いていただき、被害翌日の9月5日に返礼品として寄付の受付を開始。14時に開始して同日の22時に80セットの申込み上限に達した。梨は鮮度が命で、落下したことで傷みの進みも早くなるため時間との戦いだったが、坂井市の素早い対応には驚くと同時に感謝している。寄付をしていただいた方には手書きの感謝の手紙を同封したが、多くの温かいメッセージをたくさんいただきとても励みになった。

 今までは落ちた梨はすべて廃棄してきたが、1年もの間、愛情を込めて育てた梨を食べていただきたいという想いは強い。返礼品として1個ずつ選別する作業は大変だったが、今回ふるさと納税を通じて多くの方に届けることができたことで、取り組んでよかったと思っている。私たちの経験を通じて、他の生産者さんにもこうした取り組みがあることを共有していきたい」(近ちゃんふぁ~む 近藤美香さん)

「寄付者の想いと被災農家さんの二者を繋げることができ、近ちゃんふぁ~むさんの梨を全国に知っていただく機会にもなったのではないかと思う。ふるさと納税の制度を活用した自治体の役割を考えさせられる事例になった」(福井県坂井市 総合政策部 中出陽介さん)

 返礼品として出せなかった梨は、地元のケーキ店「Sourire」からピューレにして冷凍保存をする提案があり、そこから誕生したのが「美梨カレーと三国町産コシヒカリ セット」だ。Sourireが作った梨のピューレと、福井県のブランド「若狭牛」を煮込んだカレーで、梨を隠し味に入れることでまろやかになり、フルーティーでスパイシーなカレーに仕上がった。近ちゃんふぁ~むと同じ坂井市三国町の米農家「さんさん池見」のコシヒカリとコラボしてカレーとお米(2合×2)のセットに。

【AJの読み】生産者救援だけでなく食品ロスの削減や新しい地方産品の創出の機会にも

 美梨カレーと、三重県多気町の「相可高生がクリスマス前にお届けするキズ柿を贅沢に使用したシュトーレン」、鹿児島県徳之島町の「ちょっと小ぶりな完熟マンゴー」(受付終了)を試食した。

三重県最大の次郎柿の産地・多気町では、台風や天候の影響で市場に卸せない「キズ柿」が毎年数トンにも上る。キズ柿は収穫されずそのまま放置されるため、もったいない、農家のためになりたいとの思いから、高校生レストランを運営する県立相可高校で製菓を学ぶ生徒たちが作ったのが、乾燥させたキズ柿を使ったクリスマス菓子として知られるシュトーレン。11月下旬から順次発送する。

 濃厚な甘みと香りで知られる徳之島の完熟マンゴー。今春は気温が低く受粉率が悪かったことや、梅雨が長引いた影響で多くのマンゴーが小ぶりで完熟してしまい、市場に卸すことが難しく、徳之島町の「センチュリー果樹園」では売り上げが例年より2~3割減に。小ぶりだが味に遜色はないため、徳之島町役場の提案で返礼品として出したところ、用意したセットはすべて受付が完了した。

 いずれも自治体が「ふるさとチョイス」のプラットフォームを利用して生産者に提案。生産者への影響を減らすことだけではなく、廃棄や放置されていた農産物を活かすことで食品ロスの削減や、全国に知られることで新しい地方産品の創出にもつながっている。

文/阿部 純子

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