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周囲の評判によって人物を評価してしまうバイアスに注意が必要な理由

2019.08.30

 もし乗り込んだ電車の中で、なぜか周囲から距離を置かれてポツンと1人で佇んでいる乗客に気づいた場合、どんな印象を受けるだろうか。その人物に対して何の情報も得ていないのに、その状況だけでネガティブな印象を持ってしまうのは、サイエンス的にも仕方のないことであることが最新の研究で報告されている。

周囲の評判で人物を評価してしまうバイアス

 意識するしないに関わらず、一歩外に出れば我々はさまざまなメッセージを発信し、また受信している。そしてこのような非言語メッセージはきわめて“感染力”が高いことが最新の研究で指摘されている。

 米・ノースウェスタン大学の研究チームが2019年5月に「Personality and Social Psychology Bulletin」で発表した研究では、実験を通じて他者の第三者に対する態度がきわめて高い“感染力”を備えていることを報告している。

 研究チームは人気ドラマ『アリーmy love(Ally McBeal)』から登場人物2人が交流しているシーンを抜き出し、会話を交わしていない部分だけを集めて編集した“非言語コミュニケーション集”を実験参加者に見てもらい、映像の中で何らかのメッセージを受け取っている側の人物の好感度を評価してもらった。

 映像の中で繰り広げられている非言語メッセージには、好意的でポジティブなものもあれば、仲違いが予想できるネガティブなものもあった。しかしながらメッセ―ジを受け取る側の人物のリアクションについてはCG編集で完全にニュートラルな反応に修正されている。

Science Daily」より

 ビデオを見た参加者の回答データを分析したところ、やはりポジティブな非言語メッセージを受け取っている人物の好感度は高く評価され、ネガティブなメッセージを投げかけられている人物の評価は低くなった。

 回答者に対し、人物評価に際して何が判断の決め手になっているのかを尋ねたところ、その多くはその人物の反応であると答えている。当然のことながら、人物を評価する場合はその当人を見て評価することになるだろう。

 しかしながらこのビデオはメッセ―ジを受け取る側の人物のリアクションはニュートラルなものに修正されているのだ。したがって、公正に人物を評価しているとは思ってはいても、実際にはメッセージを送っている人物のふるまいが、対象の人物の評価を左右していることになる。つまり我々は人物評価において、その人物そのもよりも、周囲にいる人々がその人物にどう接しているかを判断基準にしていることになるのだ。

 もちろんその人物の真価は周囲の人間関係に関係なく公正に評価されなければならないのだが、人は往々にして周囲の評判で人物を評価してしまうという、なかなか拭い去りがたいバイアスがあることに自覚的であらねばならないのだろう。

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