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「コストが上がっても値上げはしない」ネスレ・高岡浩三CEOが語ったプラスチックごみ問題への取り組み

2019.08.30

コストアップするが商品は値上げしない

 プラスチックから紙に変更すると、環境への配慮は進むかもしれないが、気になるのは強度だろう。簡単に破れてしまうようであれば、それは問題である。

 ただ、よほど乱暴に扱ったりしないしない限り、その心配はないだろう。実際に紙製パッケージを確認し触ってもみたが、紙は厚くて丈夫。だからといって、重くもない。それに、紙製の外袋は質感がマットなので落ち着いた印象があり、照明が当たったときの光沢が抑えられることから、気に入る人は多いと思われる。

現在のプラスチックパッケージ(左)と紙製パッケージ(右)の比較。プラスチックパッケージは光沢が強く照明の当たり方によってはギラギラしたように見えることもあるが、紙製パッケージは質感がマットな上に光沢が抑えられ、目に優しい印象がある

 外袋をプラスチックから紙に変更することで、包材のコストはアップするとのことだが、商品は値上げしないという。取引先からの評価が高く「生産が心配なほど注文をいただいている」(高岡CEO)ことから、コストアップ分は今のところ売上増で吸収できる見通しで、とくに心配はしていないそうだ。

 また、「ただプラスチックから紙に変えるのでは脳がない。何か新しい価値を提供できないかと考えた」と高岡CEO。そこで、注目していただきたいのが、パッケージに印刷されている折り鶴だ。外袋の紙で折り鶴を折り、メッセージを書き添えて想いを伝えるという新しいコミュニケーションを、紙製パッケージ変更に伴い提案するという。

 中身の包材についても研究を進め、プラスチックから変更することを目指す。紙で品質保持が可能であれば紙を採用、難しい場合は水溶性プラスチックに変更したいとのことだ。

 グローバルでのネスレの目標は、前述の通り「2025年までに包装材料を100%リサイクル可能、あるいはリユース可能にする」だが、ネスレ日本が国内で製造する『キットカット』の目標はさらに厳しい。それは次のようなものだ。

2020年9月までに:『キットカット』大袋全製品の外袋を紙パッケージ化
2021年までに:『キットカット』の個包装をリサイクルしやすい単一素材にする
2022年までに:100%リサイクル可能、あるいはリユース可能にする

 ネスレのグローバル目標を前倒しで達成する目標を明確に打ち出した。ただ、現時点で目標を実現できるソリューションがあるわけではない。ネスレ日本には、画期的で大きなイノベーションを短期間で起こすことが迫られている。

『キットカット』ブランドサイト
https://nestle.jp/brand/kit/

文/大沢裕司

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