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「金融4.0時代」にビジネスパーソンに求められる新たな専門性

2019.08.27

 AIで奪われる仕事、AIでなくなる職業という切り口の話を頻繁に耳にするが、では、どうすれば良いか? という解決策や対処法について語られることは少なくないはず。自著で積極的に未来予測を行なっている立教大学ビジネススクール 特任教授の田中道昭氏は、人々の価値観が変わった影響で、金融や小売りなど、さまざまな業界が変わり、「金融4.0」の世界が到来すると指摘する。その生活は、どういったもので、そうした時代に向けてビジネスパースンは、どんな備えをしておくべきなのか。ご本人を取材した。

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2025年の世界はどうなっているのか?

 <2025年4月18日、鈴木和夫さん(仮名、32歳)は東京の四ツ谷駅から徒歩1分のところにある無人レジコンビニ「アマゾンゴー四谷店」でランチを買っていました。

 この場所には、3年前までメガバンクの店舗がありましたが、現在では同じ建物の5階に「空中店舗」があるだけです。そのメガバンクの支店では現在、法人取引に特化した店舗展開をしています。> 『アマゾン銀行が誕生する日 2025年の次世代金融のシナリオ』(序章 P.001)

 この物語の語り部は、立教大学ビジネススクール 特任教授の田中道昭氏。彼は、日・米・欧の金融機関の第一線で実務を経験した後、コンサルティング会社を起業し、各種メディアでも精力的に活動する。その傍らで、企業戦略&マーケティング戦略、ミッション・マネジメント&リーダーシップの領域で教鞭をとっている。

 そんな田中氏が、次世代金融産業を展望し、希望的な未来予測のシナリオを提示したのが、近著『アマゾン銀行が誕生する日 2025年の次世代金融のシナリオ』(日経BPマーケティング)。引用したのは同書の冒頭部分である。田中氏は、2017年に『アマゾンが描く2022 年の世界』、2018年に『2022年の次世代自動車産業 異業種戦争の攻防と日本の活路』(ともにPHPビジネス新書)を上梓し、来年に迫った2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会以後の産業界を占った。その“ポスト2020”の先を未来予測したのが、『アマゾン銀行が誕生する日 2025年の次世代金融のシナリオ』である。

「私は金融出身なので、この本の内容を最初に出したほうがよかったのではないかと言われますが、アマゾンや次世代自動車産業の本を先に出版することにこだわりました。金融以外の人にも金融の本を読んで欲しかったからです。

 私がいたファイナンスの世界は、証券化やストラクチャファイナンスなど、その時々の新しいものごとを取り入れて進化していきます。最近のFinTech、デジタルトランスフォーメーション、ブロックチェーンなどの動きは、2000年前後くらいに日本で起きた事象と雰囲気が似ているので、正面から金融を扱った本を出したいと思ったんです」

 この本は、田中氏が金融というものさしをアマゾンに当てはめてみたときに、自分がアマゾン銀行を作るとしたら、どんな戦略を描くだろうかをジェフ・ベゾスに成り代わって描いてみたという意欲作。最終章では田中氏が「金融4.0」と呼ぶ未来予測が行なわれている。

「従来の金融機関が貸し出しや金融取引で見ていたのは狭義の信用で、勤務先、住居や居住期間、年収など形式的なものです。その人がどんな人で、どんな技能や才能を持っているか、さらには周りからどのように頼りにされているかといった信頼は、評価の対象にしていないのが一般的です。一方、『金融4.0』の世界になると、従来の狭義の信用のほかに、信頼も評価の対象にすることを望む人には、それも加える。そんな期待を込めて考えたのが『金融4.0』です」

 その具体的なイメージは、2025年の物語では、次のように描かれる。

 <現在では、鈴木さんのように特定の会社という組織にとらわれずに、自分の強みや個性を活かしてフリーランスとして働く人が増えてきました。それは自分の強みや個性を活かすという価値観が日本でも重視されるようになってきたことと、リアルなつながりとデジタルなつながりで仕事が提供されるテクノロジーが進化してきたことによるものです。

(中略)

 例えば鈴木さんがマンションを借りるケースで言うと、鈴木さんの収入やフリーランスという形式的基準だけではなく、鈴木さんが日常的に有している周りからの「信頼」をスコアとして点数化し、形式的基準を保管する仕組みとなっているのです。学歴、勤務先、年収といった「信用」よりは、その人が本当に持っている「信頼」が重視されるようになってきており、人が本来大切にしてきた価値や価値観で生きることが金融テクノロジーによって可能になってきたのです。

 従来型のキャリアパスを重ねる人がいる一方、鈴木さんのように同時にいくつものキャリアをこなす人が増えてくると、自然な結果として、会社の名前や会社での肩書よりは、自分のあり方や、仕事に対するやりがいの方がより重要になってきています。実際に様々な人が集まる交流会などでは、働いている会社の名刺だけではなく、自分が社外でやっている活動での名刺を出す人も増えてきました。まさに会社の名前や会社の肩書よりは、自分のライフスタイルやワークスタイルが重要になってきているのです。

(中略)

 人が1人ではなく社会の中で生きていくために最も重要なことは信頼であり、お金はそれを円滑にしていくための手段ではないかと思います。そして2025年における新たな社会においては、1人ひとりの個性や強み、その人のライフスタイルやワークスタイル、そして信頼という本来最も重要な価値が評価される、新たな金融システムが稼働しているのです。> ( 『アマゾン銀行が誕生する日 2025年の次世代金融のシナリオ』 序章 P.008~)

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