
『アシストスーツ』とは人の体に装着し、下肢や上体などの動きを補助する装置。深刻な人手不足への対処や高齢者の身体サポートなどが求められる中、『アシストスーツ』への潜在的なニーズが高まっている。
そうした中、電池性能など機能が大幅に改善した商品の開発が進み、同製品の市場拡大期待がさらに高まっている。
普及が進むと仕事や生活が大きく変わる可能性があり、今後の動向が注目される。そんなアシストスーツについてのマーケットレポートを三井住友DSアセットマネジメントが公開した。
『アシストスーツ』導入の背景には、深刻な人手不足
『アシストスーツ』は、腕や脚の力を補い、立ち上がったり、座ったりする動作や、歩行、階段昇降、重いものの保持や運搬などの動作を補助する。
さまざまな分野で応用開発が進められており、リハビリ支援機器、高齢者などに対する身体機能補助機器、介護や運搬などの重作業用機器などが製品化されている。
今後『アシストスーツ』導入が加速するとみられる背景には、深刻な人手不足や少子高齢化が進み人材確保が厳しいなか、重い荷物を扱う物流業界や業務の負担が大きい介護など、厳しい労働環境の現場での潜在的なニーズが極めて大きいことがある。
また使用される電池の小型、大容量化、低価格化などにより機能の改善が進んでおり、価格の一段の引き下げが進めば導入が加速するとみられている。
『アシストスーツ』は東京オリンピック・パラリンピックにも導入
パナソニック子会社のATOUN(アトウン)が開発した主力機「モデルY」は腰の動きをセンサーがとらえ、パワフルなモーターの力で重量物を持った時にかかる腰部への負担を軽減する『アシストスーツ』。
これまで工場や建設現場、空港の荷物載せ替え作業などで使われてきたが、ここにきて導入先が拡大している。
東京オリンピック・パラリンピックでのパワーリフティング競技で重りを交換するサポートやスタジアムや選手村でのスタッフの作業補助で使用。
また同社は7月に腰を補助する製品を、全国の介護施設に納入を開始。同社以外でもサイバーダインは介護者と要介護者の双方が使用可能な製品を販売するとしている。
『アシストスーツ』の市場拡大が加速
深刻な人手不足や少子高齢化への対処は、国内に限らず欧米や中国などでも社会的要請事項になりつつある。
『アシストスーツ』には極めて大きな潜在需要があり、今まさに市場拡大が加速する局面を迎えようとしている。
人手不足や少子高齢化が特に深刻な日本で、国内企業が先行して『アシストスーツ』の機能改善や低価格化に取り組み、市場拡大を主導することが期待される。
※個別銘柄に言及しているが、当該銘柄を推奨するものではない。
関連情報:https://www.smd-am.co.jp/
構成/DIME編集部