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〝第4の通信キャリア〟としてどうなのか?楽天のDMM mobile23億円買収劇の真相

2019.08.25

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は楽天モバイルのDMM.comのMVNO事業買収について議論します。

MNOになる楽天モバイルがMVNOを買収する意味

房野氏:楽天モバイルが、DMM.comからMVNO事業「DMM mobile」とFVNO(Fiber Virtual Network Operator 光ファイバーを使った通信サービス)事業「DMM光」を買収することが発表されました。これについてどう思われますか?

房野氏

石川氏:MVNOがだいぶ厳しい状態になっているのは事実だと思います。契約者数が増えていても、かつての勢いはない。MVNOを止めるという事業者が出てきても、おかしくないタイミングだと思います。プラスワン・マーケティングがFREETELのMVNO事業を楽天モバイルに譲渡した時は会社の破綻という形でしたが、DMM.comの場合はDMM mobileをやっていても良かったのだろうけど、さじを投げたという感じ。そこにパクッと行ったのが楽天だったのかなと。楽天モバイルがMNOになった最初から契約者数はたくさんいた方がいいと思いますし、端末調達する時にもユーザーの母体が大きい方がいいので買ったのかなと。約23億円だっけ。

石川氏

石野氏:1人1万円ちょいで買った。

石野氏

石川氏:獲得コストは1万円くらいなので、出してもいい額なのかな。これから一生懸命ユーザーを獲得しなきゃいけないし、買えるなら買ってしまえという考えだったのかなと。

石野氏:FREETELの時は、買収額は安かったけどFREETELの負債まで引き受けていて、それを足すとちょうど1人1万円くらい。楽天はそれを基準にMVNOを買いまくろうとしてるように見えるんですが、そこに激怒な人が(笑) そんなにうまくいくかなって感じですね。

石川氏:別に、怒ってはいないけど……。ただ、ユーザーの中にDMM mobileを一生懸命使っている人がどれだけいるかなということが個人的に気になる。サブ回線として持っている人がメインだと思うけど、そういう人はこれを機会に逃げると思うし、いろんなMVNOがある中であえてDMM mobileを選んでいる人たちが楽天モバイルに移るのをどう思うかということもある。この先、うまくユーザーを楽天モバイルに持っていけるかが勝負かなと。

石野氏:DMMポイントから楽天スーパーポイントに変わると「FANZA」(日本最大級のアダルトサイト)でポイントを使えなくなりますよね(笑)

法林氏:そこが焦点じゃないから(笑)

法林氏

房野氏:DMM mobileのユーザーはデータ通信契約の人が多いのでしょうかね。

法林氏:DMM mobileはあくまでMVNO事業だけ。今回、MVNO事業のDMM mobileとFVNO事業のDMM光が買収された。DMM.comの事業そのものが引き継がれたわけではない。DMM mobileにどこの導線からユーザーが入ってきているのか。一時期安かったせいもあるけれど、DMMは自分たちでアダルト動画を含めてコンテンツを配信しているので、そこからのユーザーに期待していたはず。コンテンツを見るためにどこの回線がいいかという話になった時に、実は安く持てるDMM mobileがありますよということで動画配信サイトにメニューを用意している。それが約23万契約で、それを楽天モバイルが引き取るということ。数年前は、MVNOは100万契約くらいないとペイしないと言われていたけれど、今だと200万契約近くないとうまく回らないといわれている。
 あまり話題として挙がっていないけれど、この件に関しては、そもそもの話として、どこまで買収していいのかという話もある。つまり、MNOになろうとしている会社がMVNOを次から次へと買っていいのか、しかも他キャリアのネットワークを借りてるMVNOなんだけど、みたいな話。そういうことが果たしていいのか。

石野氏:ソフトバンクもね、MNOなのにLINEモバイルを買っていますからね。

石川氏:ソフトバンクの場合、LINEモバイルはあくまで別会社になっている。KDDIとUQ mobile、BIGLOBEの場合もそうだけど、楽天の場合は同じ会社になっていて、MVNOもMNOも一緒の会社としてやっているので、結構グレーゾーンだなという気がしている。ドコモの吉澤社長も、率先しては言わないけど、これに対しての質問をされればおかんむりになる。

法林氏:楽天が免許を申請した時、MVNO事業はMNOに移していく方針という話だった。にも関わらずサービスインの数か月前の段階で……

石野氏:DMM.comから楽天モバイルへの事業の移管は9月1日だから、楽天がMNOのサービスを開始する1か月前ですよね。

法林氏:その段階でわざわざドコモ回線を使うMVNOを買収することが適切な行為なのかどうかは議論の余地がある。そして、この座談会でいつも行き着くところだけど、どうしてそこを総務省は決められないのかという話になる。やるべきことはそっち。これこそグランドデザインだけど、それに気がつかないところが総務省のアホなところ。

石野氏:ちなみに吉澤社長の話として、BIGLOBEとはドコモ回線を巻き取る交渉中だといっていましたよ。BIGLOBEは全部auに移すことになるかもしれない。

法林氏:僕はBIGLOBEの回線を持っているけど、au回線に変えるとポイントをもらえるようなキャンペーンを過去に何回かやっているので、BIGLOBEは巻き取る意思があると思う。

石川氏:巻き取らせたらKDDIの右に出るものはいないですよ。

法林氏:そりゃもう、ツーカーの時代から…

石野氏:“巻き取りのKDDI”ですから(笑)

石川氏:過去、何回巻き取ってきたか。まぁ、KDDIの場合は、巻き取ってもau回線なので通信品質の問題はないし、端末の選択肢もあるし、いいと思うんですが、楽天モバイルの場合はね……

法林氏:いや、地方の回線はauだから。

石野氏:端末が困るんですよね。

法林氏:それは大きいね。

石川氏:楽天モバイルには自社回線に対応する端末が、「OPPO Reno 10x Zoom」を入れて11機種しかない。今使っているユーザーの中には端末を変えなきゃいけない人もいて、そのサポートはしてくれるのかということもある。

OPPO Reno 10x Zoomの特徴的なインカメラ

石野氏:しかもDMM mobileで売っている端末は、ほぼ楽天MNOのネットワークに対応していないので、そうするとどうするのかな。KDDIが巻き取る時は、最後は個別訪問したといわれてますよね。

法林氏:家に来るからね。ウチにも何度か来た。

石野氏:端末をタダで提供したりしている。楽天モバイルがそれをやるとなると獲得コストが1万円じゃ済まなくなる。

石川氏:しかも楽天モバイルへの出入りは自由って言っているからね。端末だけもらって出て行っちゃう可能性がある。

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