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人生100年時代に向かって加速する超高齢化社会の急務の課題

2019.08.26

 いわば日本社会が“先頭ランナー”となって、今後世界的な高齢化社会に突入していくことは間違いないのだが、高齢化社会が本格化することで人々にどのような問題が浮上してくるのか。最新の研究でその一端が徐々に見えはじめているようだ。

認知機能の衰えを実感することで健康悪化と退職のリスクが高まる

 人生100年時代と言われ、人々の“現役”の期間が長くなることが確実視されているが、昨今の“人手不足”の中、高齢でも優秀な人材であればなるべく長く働いてもらいたいというニーズは少なくないと思われる。

 しかしそれでも“寄る年波には勝てない”と実感した高齢の従業員は自ら幕引きを考えるようになることが、最新の研究で報告されている。そして雇用者側がこうした高齢従業員をいかに引き止められるのかが、今後の高齢化社会の課題になるという。

 米・ライス大学とコロラド州立大学の合同研究チームが2019年8月に「Journal of Occupational Health Psychology」で発表した研究では、中高年の労働者が自らの認知機能に衰えを感じた時、健康悪化と退職のリスクが高まってくることを示している。

Science Magazine」より

 研究チームはアメリカ人中高年383人の2007年から2014年の7年間に収集されたデータを分析し、仕事で要求される推論能力(reasoning abilities)を維持することは、高齢者が前向きに仕事を続けるうえできわめて重要であることを突き止めた。つまり推論能力などの認知機能が維持されている限りにおいて、高齢者はポジティブに働き続けることができるのである。

 逆に仕事に要求される推論能力を満たすことができなくなってきた場合、退職する可能性が高くなり、その一方で健康状態にも問題を抱える傾向があることも判明した。これはおそらく、加齢と共に知的能力が衰えてくることで、当人がストレスに苛まれ各種の生活習慣病への抵抗力が低下するためだと考えられるという。

 加齢によってある程度認知機能が衰えてくるのは仕方ないことであるが、当人が“寄る年波には勝てない”と深く自覚する前に、組織はこうした高齢労働者への配慮が必要であると研究チームは示唆している。

“エース級”の働きはできなくなったとしても、経験豊富な高齢労働者は、仕事の要求に見合う知的リソースを持っている限り、引き続き有能な仕事ぶりが期待できる。また若手への適切なアドバイスも期待され、企業にとってはなるべく長く働き続けてもらいたい存在であるだろう。

 優秀な高齢労働者の健康に負担をかけ、自ら退く決断をさせないためにも、なんらかの基準を設けて中高年従業員の仕事の強度を下げるなどの措置がこれからの時代の組織には求められてくるのだろう。

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