グリーンラッシュ
芸能人の大麻所持による逮捕が相次いでいるが、世界では大麻が成長産業として注目されているのをご存じだろうか?
米国調査会社のデータ(※)によると、2017年には171億8000万ドル(約1兆9000億円)だった世界の大麻市場規模は、2023年までに589億ドル(約6兆6000億円)まで伸びると予想。一昨年の仮想通貨バブルの再来ともいえるこの様相は、「グリーンラッシュ」と呼ばれている。
背景にあるのは各国で進む大麻合法化の動きだ。2018年10月にカナダで嗜好用大麻が先進国では初めて合法化され大きなニュースとなったが、医療用の大麻はすでに多くの国や州で合法化が進んでいる。さらに“吸う”というイメージの強い大麻だが、その成分・効能を生かした美容品や食品、飲料などにまで市場が広がっている。
もちろん、安易に娯楽品として大麻を解禁することはあってはならない。大麻が人間の健康にもたらす影響に関する研究は、現在でもまだ進行中だからだ。ただ、世界では確実にこの市場の注目度が増しており、研究が進んでいる。日本がこの分野でもガラパゴスとならないためにも、ビジネスチャンスを冷静に見極める必要がありそうだ。
解禁された国や州では、今まで闇経済に流れていた資金が新たな税収源となっている。栽培や流通の厳格な管理が前提だが、高齢化が進む日本の税収源として検討の余地あり!?
カリフォルニア州では、嗜好用として栽培している大麻にはICタグを付け、完璧に追跡できるようにし、徴税の漏れをなくし、品質保証にもつなげている。
大麻の実である「ヘンプシード」や、種子から抽出した「ヘンプオイル」。ヘンプシードは日本のスーパーフード協会によってスーパーフードとしても認定されている。
取材・文/編集部
※Genesis Market Insights調べ